校正設定__

書籍化作業を一太郎でやってみた 改稿編③

 改稿編③ですよ!
 このあたりから苦行の推敲作業です。

 本稿で例に挙げている『道後温泉 湯築屋』の作業では、改稿のときにある程度の推敲をやっておきます。誤字脱字だけではなく、細かい文章のチェックも行いますね。
 このあたりから、一太郎さんの本領発揮です。

 前回、表記ゆれの記事でも触れましたが、一太郎には優秀な校正ソフトも同梱されています。優秀なATOKを開発したジャストシステム産のソフトですよ!
 わたしは、まず「文章校正」を全体にかけます。Wordでも、軽く緑や赤の波線がつくことありますよね。あれです。ただし、Wordと違って日本語に特化した校正システムです。

 指摘点を色別に表示してくれます。
 指摘箇所の解説を個別に見ることもできて、なにが悪いのか教えてくれます。訂正候補の提示までやってくれますよ。秘書かよ。
 固有名詞などは「辞書登録」するか「以降無視」を選択すれば、それ以降では指摘されません。単語を置き換えたり、削除することも可能ですし、文章を書き換えるのもラクチンです。
 日本語としておかしい箇所や、大まかな誤字脱字の指摘はもちろん。難しい語句があれば、簡単なものに置き換えることを提案したり(置き換え候補も何個か提示してくれる!)
 でもさ……会話文は、わざと崩しているのに指摘されるの、ウザいですよね???

 校正の設定を変更することが可能です。
 会話文を除外するときは、「括弧内もチェックする」を外せば一律、括弧内のくだけた表現(い抜きや、ら抜きなど)は除外されます。
 また、文体の統一や英数字の校正をするかどうか、二重表現や修飾語の曖昧な文章などの指摘も、好みにあわせてある程度コントロールできます。
 一文の長さや、ひらがな・漢字が多すぎる箇所の指摘もしてくれます。その文字数も、設定画面で調整可能!
 文体や作品にあわせて、カスタマイズできますので、お好みで!!

 文章校正を1,2度かけておくだけで、自分で誤字脱字・悪文を探す手間がかなり減ります。実際、この作業段階だけで、かなりの誤字脱字が駆逐されています。
 推敲の最初と、途中にもう1回。最低、2回はかけてみています。

 誤字脱字駆逐の定番と言えば、音声読み上げですね。
 黙読だと読み飛ばす部分も、耳だと違和感が発見しやすいです。ここで見つかる誤字も数多!
 もちろん、一太郎にも「詠太」という読み上げソフトが同梱されています。
 読み上げが滑らかで、引っかかりがありません。かなりスムーズですね。「?」で終わる文章などは、ちゃんと語尾をあげてくれる配慮もあります。
 読み手も3人分の声が入っています。地の文と会話文で読み手を変更することもできます。音声のスピードや高低も、お好みでどうぞ!
 辞書登録もできるので、固有名詞は辞書登録しておきましょう。

 この読み上げ作業、わたしにとっては物凄い大事です。
 持論ですが、声に出して美しい文章は読みやすいと思っています。わたしは、何度も読み上げソフトを使って文章を整えています。

 推敲作業はとても大変です。
 何度も何度も自分の作品と向きあって、精度を高める工程。ぶっちゃけ、この段階になると、作品が面白いかどうかなんて、わからなくなっています。
 でも、ここでがんばれば、作品はもっとよくなる
 推敲は作品との対話。どれだけ、大事にできるか。
 親子みたいだなって思います。

 ゆーて、がんばっても誤字は滅亡しませんけどね!


【前回までの記事】

書籍化作業を一太郎でやってみた 序
書籍化作業を一太郎でやってみた 初稿編①
書籍化作業を一太郎でやってみた 初稿編②
書籍化作業を一太郎でやってみた 改稿編①
書籍化作業を一太郎でやってみた 改稿編②

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