京大理学部物理学系をトップレベルの成績をとって卒業し医学部に編入した私が解説する微積物理についての記事 - 微分・積分を利用した物理の説明と解法を学んで高得点を狙う勉強法
微積物理とは?
微積物理とは、初等的な計算に制限せず、物理の説明や解法に微分と積分(微積)を利用した物理のことを指し、大学受験業界特有の用語です。
そもそも、物理学とは、自然界にみられる現象にはたらく普遍的な法則を記述・解析し、理解していく学問のことで、その記述、解析、理解にあたっては、ベクトルや三角関数、微分積分をはじめとした、様々な数学的なツールが用いられます。
特に微分積分は物理学の基礎の基礎になっている領域で、変化量や保存量を数式として記述し、解析するためのツールとして頻用されています。
したがって、微分積分を用いることで、多くの物理現象を統一的な考え方で理解することができるのは当然だと言えます。
微積物理を学ぶメリット
ここでは、微積物理を学ぶメリットを説明します。
物理の本質を理解し、理解ベースの解法・応用力が身に付く
まず、最大のメリットに物理の本質を理解し、理解ベースの解法・応用力が身に付けることができるというものがあります。これにより、暗記する量を圧倒的に減らすことができます。
大学受験の理科では、「とにかく多くの知識・公式を暗記し、いろんな問題の解き方を覚える」ということにウェイトが置かれていますが、微積を使った学習を行えば、多くの公式や関係式は自力で導くことができます。その例としては、
・単振動の式や周期
・熱力学でのポアソンの法則、仕事、熱効率の計算式
・電流の作る磁場、電磁気力
・交流回路
・波の式や時間発展の考察
があります。一度物理を学習した人なら、これらの公式や問題の解法を高校範囲のみで暗記するのはなかなか大変であることをわかって頂けると思いますが、微積物理を使えば上記のような暗記は不要となります。
難関大学では微積をベースにした理解を暗に問う問題が多く出題される
難関大では、公式に頼った解法よりも基本原理から微積で組み上げる考え方をもとにした解法のほうが手早く処理できるような問題も多いです。
高校の物理では微積は禁じ手になっているはずが、なぜか、難関大学の一部で微積をベースにした理解を問うような問題が出題されます。
特に顕著な大学の例としては、
・京都大学
・滋賀医科大学
が挙げられます。また、微積物理が使える有利になることがある大学として
・東京大学
・東京工業大学
・大阪大学
・名古屋大学
などがあります。
上記で挙げたような大学では、合格者でも物理の得点率は比較的低く、中でも微積をベースにした問題は差が付けやすいので、微積物理をマスターしておくと非常に有利になります。
大学に入ってから楽できる
大学で物理を学ぶ場合には確実に微分積分を用います。一方で、高校物理特有の考察などはほとんど使わないです。
大学1~2年で学ぶ物理は微積物理の延長線上なので、非常に楽ができます。また、海外大を受ける場合のAP試験(AP Physics C)を受ける際にも役に立ちます。
微積物理が向いている人
微積物理が向いている人として
・数学の学習が数Ⅲまで終わっている
・暗記が不得意
・進学校の生徒
・浪人生
・再受験生
が挙げられます。
特に数学の学習が終わっているというのが最も重要で、数学の学習さえある程度済ませた状態からなら微積を使って学習するほうが格段に早く物理をマスターできます。
参考書と勉強法・注意点
ここからは参考書と勉強法と注意点について解説していきます。
おすすめの勉強法
大学の教科書を横に置きながら、高校範囲の公式や高校の問題集にある問題を微積を使って解くことを試みることが最もおすすめの勉強法です。
注意点
大学の教科書・演習書に重きを置きすぎると、入試範囲外の内容までやりすぎてしまい、合格を目標にする場合には非常にコスパが悪くなります。
また、数Ⅲの学習が十分でない場合には適宜復習を行う必要があります。
以上のようなことを考慮すると、メリットは非常に大きいものの、独学はかなりの覚悟、努力、判断力が必要とされると言えます。
したがって、可能であれば、私のような大学で物理を学んだ指導者のコーチングを受けながらの学習が望ましいと言えます。
高校の参考書
名門の森を微積を使って解き進めるのがおすすめです。というかこれをやって、過去問を解けば入試問題は余裕です。
ただし、微積を使った解法は名門の森にはないので大学の教科書などを見ながら自分で解法を考える必要があります。
また、高校範囲の問題を微積を使って解く参考書として有名どころでは、以下の参考書があります。
新・物理入門
大学の教科書・演習書
大学の教科書として最もおすすめなのは、ファインマン物理学です。これは、高校生でも読める大学の教科書で、数学的基礎の解説も詳しいです。
より詳しい内容が読みたい場合は、以下の教科書がおすすめです。
また、演習書としては以下のサイエンス社のものがおすすめです。
AP Physics C
英語さえネックでなければ、AP試験の参考書が実は最強です。高校範囲の延長の物理を効率よく学習・演習できます。
プロフィール
指導経験
学習指導塾や医学部予備校での4年以上の勤務歴があり、家庭教師では、中学生~社会人、留学生まであらゆる生徒に教え東大や医学部などへ生徒を合格させてきました。
個人の実績
高校卒業後、京都大学理学部に自宅浪人の末合格
TOEFL ibt 98点
東京大学 技術経営戦略学専攻 合格
某近畿圏医学部編入試験 最終合格
医学部については、具体的な学校名を伏せています。
経歴
偏差値67の中高一貫校 → 京都大学理学部物理系です。
学部では2年飛び級で学部上級・院生レベルの授業まで履修しトップレベルの成績(GPA 3.8↑)を取りました。
他の記事で書いているように医学部編入を本命として目指すかたわら、東大tmiを受験しました。
その他の実績
AP exam: physics C 5/ Calculus BC 5
SAT: Math 790/ Reading 640
SAT subject: math 800, physics 800
共通テスト物理・地学 満点
京大二次試験 物理 満点
など
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