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登山と絵と経験と価値

(別にもブログを持っているのですが、型が古すぎてアップデートが必要らしいので、せっかくなのでこちらに記事を転載しました)

趣味、ライフワークとしての登山


高校生で登山部に入部して以来、山小屋に勤めたりしながら、ずっと続けてきました。ざっくり登山歴20年というとベテランの領域ですね。

そもそものきっかけは中学校の学校登山でした。雨の中息を切らしながら登ってる様子を今でも覚えています。頂上に立った景色、達成感とかよりもその泥くさい感じにハマりました。ドMか!とつっこまれますねー。

高校時代は気の合う友達もできて、登山というより部活動が楽しくて通っていました。

高校卒業後、穂高岳山荘という山小屋に勤め始めます。きっかけは穂高岳山荘の社長令嬢が同級生で、暇ならアルバイトに来ないかと誘われたことからでした。

絵もずっと続けていたので、山小屋にはスケッチブックを持っていき、山の絵を描きました。油彩にして、故郷の飛騨高山で2年に1回個展を開催していました。

当時は18歳。下手だなー笑


2年に1回というスパンは、山小屋のオープン期間と合致しています。山小屋は冬季は閉じてしまいますので、オフシーズンの冬の間に個展を開いたり、海外旅行を繰り返しました。

そんな生活をしながら10年も勤めることになるとは思いもせず。。その濃い山小屋生活と海外旅行については、また後日記事を書きます。

登山の魅力に気づき始めたのは、なんと山小屋に勤めて何年も経った頃です。

「歩くこと」を楽しむ手順

入山下山を繰り返すうちに、無駄なく歩くことができるようになり、一定のペースで歩くことそのものが楽しいと感じ始めます。

ある時期から呼吸を意識するようになりました。
呼吸で足を運ぶといいますか。

ゆったり歩きながら、大きく深く息を吸って、ふぅーと吐く。
少し体を前に傾けてみると自然に足が前にでる。
重力に逆らわず足を出し、呼吸を常に整える。

よく登山雑誌に書かれているように常に一定の歩幅で、などは人間なので無理なのです。筋肉は一定の動きしかしないと疲れてしまいます。
なので、歩幅は変わってもいいし、呼吸が浅くなったと気づいたら深くすればいいのです。

一歩一歩に感じる気づきに素直になって身体と相談することがとても重要です。

これを夏の山行にできると、体力を使う冬の山行で力がでます。登山が趣味の方はお試しください。


その頃は絵の師匠との出会いもあり、山の絵も少しは腕を上げていました。出会いと続けることは大切ですね。



経験と価値


山小屋退社後は現在の南信州に移住し、周囲の低山や中央アルプスを登りました。

季節を問わず登るうちに、単独で冬季中央アルプス縦走を果たせたことは一つの自信となりましたね。

気持ち良すぎる風雪(顔が痛くて笑えました)


また、アルバイトをしながら画家活動も本格的に始めました。
全然描けない自分にがっかりしながらも、絵の世界の独特な宗教のような世界が好きで続けてきましたが、やはり少しは対外的にも認められない限りは苦しいものです。
なので2019年の二科展で新人賞を取れた時は、嬉しい!よりも「ようやくスタートが切れた」と涙が出ました。

こちらがその絵です。


登山をする1日も、絵に没頭する時間も、散歩をしたりテレビを見たりご飯を食べたりする事に比べたら、非日常です。

非日常を繰り返す生き方はやはり危険で苦しくて、人生からドロップアウトすることと隣り合わせだと感じます。

ただその中で得られる経験は、その一つ一つが自身の人生に大きな価値を与えてくれます。

つまり、大きな経験や価値を経てまた帰ってくるために、自身に試練を与えてまで毎日のように非日常に向かうではないでしょうか。
決して諦めるためではなく。

無事に帰ってこその経験である。
あーだこーだ書きましたが、そんな当たり前の結論になりました。

登山に行ったらちゃんと帰りましょう。
絵を描いたらご飯を食べてお風呂に入りましょう。


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