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【シップナース】マジで現場直行する5秒前~船は試練で満ちている?~

こんばんは。
ビーチボーイズから広末涼子さんの大ファンのtaichirosatoです。(時代を感じる方はスルーしてください)

〈 30, Oct, 2019 コボサンルーカスでの航海日記より〉

つい先日の話。週に一回のドリル(全体訓練)があって、自分は患者の初療に当たってた。
、、訓練、訓練、こちらブリッジ(司令塔)、、

ウァン!ウァンー!
ウァーーーーーーーーーー!!!

、毎度の事ながら、まぁーうるさい。
同僚が担当で、訓練に行き、自分は今回は参加せず、メディカルセンター内には患者がいたので僕は患者の治療に入ることに。

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話は遡り、1月前のある日。
突然の船内放送。

、、メディカルレスポンスチームx2。デック3、後方レストラン。、、


うっ、、きた。。
メディカルレスポンスチームコール、通称MRT。
MRT=まぢでやばい。(と解釈している)。

これが流れたらいつどこにいても、全てを中断して現場へ走ることになっている。なぜなら、メディカルの誰かが1人現場に到着していて、即時のチームの介入を必要としてる時のコールだから。


この時は、部屋で寝ていて、これ聞いたもんだから飛び起きて廊下を走り、足の遅い同僚たちを最終コーナー手前で見事3人追い越し。3着で現場へゴール!
って、ここからが仕事の始まり。

大痙攣発作で、自分が駆けつけた時には、まだ痙攣していて、Drが呼吸管理を始めた時だった。呼吸管理を変わり、Drは投薬に回る。メディカル以外のスタッフも本当によく訓練されていて、レストランでの痙攣の出来事だったのけれど、
速やかにシーツを広げプライバシーを確保、他の客を速やかに誘導し、メディカルが働きやすい環境を作ってくれる。ほんとに見事でありがたい。感謝。

ちなみにこの後、部屋から現場へ直接走ったため、手袋とゴーグルを忘れて呼吸管理をしていたため、ゲロまみれになり、チームメンバーから避けられるというアクシデントに見舞われる笑  
まぁ、救急あるあるか。。
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時は戻り、先日。
訓練のことをすっかり忘れ、患者の治療に当たっていた時、、、

ウァーーー!メディカルレスポンスチームx2、、、

はい、きました。1月前の悪夢がよぎる。
ゲロまみれになった教訓を生かし

~マジで現場直行する5秒前~

「手袋!ゴーグル!ゲロ対策!バンザイ!」

メディカルセンターで自分が見ていた患者は、まぁ落ち着いてる。
そして船のどこかで、チームの仲間が助けを求めてる!
タイ(僕のニックネーム)、颯爽と走る!

するとそこには、20代の青年が倒れているではないか。ノーレスポンス(反応なし)。スタッフのユニホー厶を着ている。どーやらスタッフメンバーらしい。顔色はいい、が、やはり反応がない。

何事か、と、Dr.Nsに状況を聞く。すると意外な答えが返ってくる、、嘔吐、ノーレスポンス、アナフィラキシー?7歳。アドレナリン0.3用意して。

ん?ん?ん?
ちょっとまってくれ。。
、、、7歳?

どー見ても大人だ、20は絶対すぎてる、髭生えてるし、なんせでかい。180以上ある。
そして何より、こっちはゲロ対策万全なのに、
肝心のゲロがどこにもないではないか!

そして、このジャイアンに対してアドレナリン0.3?いくらなんでも足りない。
いったい何言ってんだ我らが同僚よ?
MRT(メディカルレスポンスチーム)はただでさえ多少焦るのに、いろいろ話が噛み合わなくて僕の頭は大混乱。

と、ここで別のドクター登場。患者情報を持った紙を見ながらバイタル(患者の状態)を喋りだしたのだ。。

やっと状況を理解する。
。。なんだ、訓練か。。
そーだ、そう言えば訓練の日だったじゃないか。

にしても模擬患者チョイスに無理がありすぎる。せめて小柄なアジア人を7歳の模擬患者にすべきではないか。いくらなんでも髭モジャのジャイアンを7歳の模擬患者にするのは、、これ以上はやめておく。とにかくツッコミどころは満載。
こんな感じで、船では毎週、色んな形で、時に抜き打ちで訓練が実施されている。

なんなら昨日も抜き打ちテストでCPA(心停止)症例。気の休まる時がないでは無いか笑
個人的には抜き打ちテストはドンと来いである。自分の足りないところがよくわかるから。
でもさすがに、部屋で休んでる時の抜き打ちの訓練は心臓に悪いから少し遠慮願いたいところ。

訓練症例は、火災傷病者、マンオーバーボード(船から落っこちた時の溺水患者)、マスカジュアルティー(多数傷病者)これがまたしんどい。などなど。日頃からの本気の訓練、チームでのポジティブフィードバックが大切。

いいなと思うのはとても建設的なフィードバックをすること。できなかったことに対して、どーゆーサポートがあるか、周りはその時なにが出来たか、どうしたら良くなるか、などを、チームのメンバーで補うようにディスカッションするので、個人的にはすごく好きなディスカッションだ。

フィードバックの一言目はほぼ間違いなく、 ウェルダン! (よくやったな!かな、)とハイタッチ。
ハイタッチから始まるミーティングがあってもいいのかもしれない。

写真は、マスカジュアルティーのプロトコール。長すぎて読み切れない、、もー少しいろいろシンプルにしてくんないかなぁと思う。夜勤明けでも容赦ない訓練を本日も無事に終え、少しばかりの休息、「どうか、サイレンなりませんように。」と祈りつつ、ポケットにゲロ対策の手袋とゴーグルを突っ込んでから、ベットに潜る。

コボサンルーカスより思いを風にのせ。

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Tai



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