外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」第37話 自己認識を考える
第37話 自己認識を考える
正しい行動、あるいは判断をおこなうことは誰もが望むことです。しかしながらなかなかできないのが世の常でもあります。私は原因の1つにあるのが自己認識の甘さではないかと考えています。
自己認識の甘さとは、自己分析をして自分がどういう人間で、どういう能力があり、どういう性格かといった分析がきっちりできていないという意味です。自己認識によって個人の弱み強みを知ることは非常に大切です。なぜなら人間は誰でも100%ではありません。自分の弱みを知ることで陥りやすい判断のミスに対して事前に修正をかけることができます。従って比較的バランスのとれた判断が可能になるといえます。
あなたは自分のことを深く掘り下げて考えたことがありますか?あるいは客観的な尺度から分析したことはありますか?また、その意識を継続して持っていますか?今一度考えてみてはいかがでしょうか。
自己認識のずれからおこる陥りやすい判断ミスを具体的に考えてみましょう。「自分は大雑把な性格で細かいことにこだわらない」と自己認識していた人が、実はマイクロマネージをするマネージャーであったとします。部下の人はもっと細かいことを言わずに任せてほしいと思っているのに、その人は更に細かくかかわろうとします。この自己認識のずれが行動のずれにつながります。
このようなギャップが生じないためには、本来自己認識が正しいのかといったことに戻って問題を捉えなくてはいけません。私は仕事柄、今まで多くの方の面談をおこなってきましたが、自分に厳しい人、甘い人さまざまです。結局、正しく自己認識している人は少ないものです。
厳しい人、甘い人、ずれでいる人、どれもあるべき姿ではありません。ですから、常に自己認識を深める機会、例えば研修やワークショップ、勉強会、他者との集まりなどを活用して適正な自己認識ができるように努力をすべきと思っています。
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