45歳からの外資転職ノート 第8話 外資系企業のジョブホッパー

第8話 外資系企業のジョブホッパー

外資系企業に勤める日本人の中には、初めから将来の転職を前提に考えている人たちがいる。彼らの目的はキャリアアップであり、そのステップとして転職をとらえている。ヘッドハンターに紹介されてくることがほとんどで、MBAをもっている場合も少なくない。多くの場合、給与も比較的高額で、社内の重要なポジションに採用される。即戦力が期待されており、ファースト90デイズといって入社後最初の90日で評価される。2~3年で成果をだし、昇格か、他の会社のもっとよいポジションに移っていく。

事実、彼らは業務能力も高いし、がむしゃらに働く。自分の意見もはっきり言う。一見なまいきで、時にはいやなタイプにさえみえる人たちが外資では活躍している。それは外資系企業が結果主義、個人主義といったカルチャーをもっているからだと思う。

一般に、日本企業はチームの調和を重んじる。「でる杭は打たれる」といわれ、あまり目立ち過ぎてはいけない。個人の力よりもチーム力を重んじるため、ジョブホッパータイプはたたかれやすい。

一方、外資では結果を出せる人間は、仮にパーソナリティがかなり個性的でも評価される場合が多い。

ただ、ジョブホッパータイプは会社に対する忠誠心が薄く、常に自分にとってよりよい条件の転職を考えているので、彼らに長く働いてもらうためには会社としてしかるべき処遇を考えなくてはいけない。上司のたづなさばきが問われるところだ。

また、外資系企業がむやみにジョブホッパータイプを歓迎しているというわけでもない。チームワークはもちろん重要で、組織全体の士気がジョブホッパーによって壊されては元も子もない。しかし、横並び評価を是とすることは外資にはない。優秀な一匹オオカミタイプで上昇志向が高い人が、ときに会社を引っ張っていくことも理解し、受け入れる基盤がある。


「45歳からの外資転職ノート」プロローグ・目次 に戻る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?