外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」第39話 インテグリティーを鍛えるためにどうすべきか

第39話 インテグリティーを鍛えるためにどうすべきか

インテグリティは日本語では誠実、正直、高潔などと訳されます。グローバル企業のカルチャー、価値観の中にでてくる言葉で、仕事に対する姿勢を示しています。企業の中でインテグリティが求められるのは、これが崩れた時に様々なトラブルが起き、場合によっては企業の存亡を揺るがしかねない不正問題につながるためです。

一般的に、誠実に正しく業務を遂行しましょうということに対しては、すべての人が賛同する当たり前の内容です。しかしながら、複雑な組織や仕組みにおいて、また激しい競争社会の中では、何かをきっかけにこのインテグリティが壊れてしまうケースも少なくありません。

一般にインテグリティは行動と判断の2つにおいて求められます。インテグリティのある判断はトレーニングで学ぶことが可能です。これは、グローバル企業の中では比較的機会があります。更に自己認識を深めることでインテグリティは高まります。これは別の時にお話しました。

一方、インテグリティのある行動にとって阻害要因となることは何でしょうか?

それは、コンフリクト=軋轢です。我々は組織の中でできれば他者と軋轢を起こしたくないと願います。コンフリクトを避けたいがため、インテグリティを落とすリスクが増えてしまいます。従ってインテグリティを鍛えるためには、場合によってはコンフリクトを恐れない勇気が必要になってきます。

つまり、言わなくてはいけない時には、厳しいことをいえるかということです。既にお話したようにクルーシャルな会話をおこなう必要があればしなければなりません。その為にクルーシャルな会話のテクニックが活きてきます。

何か問題がある場合にそれを公の場でとりあげなければなりません。これは、通常スピークアップといいますが、人事や法務などに対して会社で起きている不正なこと、問題なことがあれば、声を上げるという制度です。会社は同時に声を上げた人が不利益を受けないようにルールで縛っています。

スピークアップはグローバル企業では非常に力を入れているプログラムの1つで、その件数が少ない場合、問題になったりします。企業内の自浄効果として必要な制度です。


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