🔴いつも大安吉日159　〜大日向村のまつり無事におわる〜

【大日向村の祭り無事におわる】

「大日向のあるいちにち」
火と水と木と土あそび、そして、月あそび

祭り三日目の朝を無事に迎えることができた
「無事に？いや無事じゃない」
やつらの朝はさらにはやくなった
危険な早さになってきていた

昨日の記事で書いたように、四時半にはおんなの子チームのテントがさわがしい

「ひろしさーん、お風呂沸かしてー」
ぼくは彼女たちのために、朝からせっせとドラム缶風呂を沸かすことになった

祭りの初日には思いもしなかった朝
三日目の朝にまだこどもがたくさんいる

「すばらしいじゃないか、これだから祭りはやめられないぜっ」

🔴あさのはじまり

前の日の風呂ののぞきを、もちろんおんなの子たちはお見通しだ
ぼくは目隠しに葉っぱ付きの木を立てる

おんなの子たちは木を切り、薪を用意する
自分たちで風呂に沢から水を入れる
「ドラム缶風呂三回目だよー」
もう完全にマスターになっている

木の葉の向こうに見える朝日が気持ちいい
きらっきらのおひさまに向かって柵に干す寝袋も、いまはもう「いつもの景色」

メンバーが代われば朝のごはんもまた違う
すにの焼いたパンとスープ
仲間が作ってくれたココアとチョコバナナ

人数が減ったこともあり、取り合いもほどほどに、また一日がはじまった

🔴あるもんで

ぼくは三和土のつづきをはじめる
たまに飛び入りするこどもたちと、ひたすら土を「混ぜて運んで撒く」を繰り返す

土を混ぜるのも板を敷いて踏み込むのも、わかっていたけど、ほぼひとりはなかなかきつい
残った祭り好きはほぼこどもたちだからな

ぼくはみんなのことを思い浮かべ、前日までの感謝を噛み締めながら、土を踏み締めた

気温もあがって外は暑くなってきた
こどもたちはどうやら川に行くようだ

ぼくの軽トラの荷台に「ぎゅうぎゅう」に乗り込み、いつもとちがうポイントを狙ってみたけど、工事中もあって結局いつもの川に
その道中でさらに仲間が加わって、川にはこどもたちがいっぱいになった

しかしこの川がいつも通りつめたい
足を少しつけるだけで、一気に冷える
一部の元気なこどもをのぞいて、すぐに飛び出してくるこどもがたくさんいる
ひなたの石を抱きしめてあったまったり
「ぎゅっ」とみんなでかたまっている

冷えた体をあたためるとなれば、火を焚くことなんてのは当然の流れ
それがいきなりやっても問題ない田舎はいい
落ちている小枝や流木で火をつける

目の前で火が起きたとなれば、何かを焼きたくなるなんてのは当然の流れ
「もうここで昼飯つくっちゃおうよ」
ついつい言ってしまった
ここ何日かの、網と鉄板の薪と炭の料理がベースになってきている

「あるもんでやれる範囲で」
そこらに落ちてる木で、ごはんが炊けることだって知らないこどももいるだろう
最近じゃ、魚が切り身で泳いでると思ってるこどももいるなんて話しも聞くぞ

こどもたちには、モノが出来上がってくる過程を見せたいし、そこを経験してもらいたい
たくさんのおかげさまがあって、ぼくらはたのしく暮らしていられることを、忘れないでいてほしい
「おかげさまのこころ」を忘れないでほしい

🔴やりたいだけやる

ぼくは川からひとり帰って、片付けを軽くしてから三和土のつづきをやることにした
「あーたのしい祭りだった」

⋯ と、そんなあっさり終わることはなかった
やつらはふたたび戻ってきた
「あぁ、つかの間の静けさ」
ひとりの時間は一瞬だけだった

しかし、さすがのやつらもあそび疲れたか
かなりよく言えば、「わりと静かに」あそんでいたような気がする
そんななか、ひとり土混ぜから平らにするまでを、モクモクとやってくれるおんなのこ
「じゃあっ、わたしここやるからぁ、ひろしさん運んで、いい？」
そう言ってぼくにも指示してくれる

やりたいことを好きなだけやれる
「それがやっぱりいちばんすね」

🔴村のまつりにまた

少しだけ雨を降らせた雨雲が過ぎっていったあと、みんなも帰っていきました

「帰ってこっそりYouTube観ちゃおうと思ったけど、やっぱり寝るわっ」
三和土をずっと手伝ってくれた彼女が言った

みんな帰ってすぐに、うちのすにちゃんとこどもたちも実家に里帰りした

さっきまでの祭りが嘘だったかのように、ぼくはいきなり「村」にひとりになった

一瞬一瞬が楽しかったから、「たっのしかったー」てのはなかった
疲れたとかって感覚もとくにない

「ふぅー」と肩をおろすだけの息を吸って、やっぱりただ「ふぅー」とだけ息をはく

なにごともなく無事に終わってよかった
みんなが楽しそうでよかった
おひさまの大歓迎がうれしかった

ぼくはひとりでドラム缶風呂を沸かす
ひとつだけ残っていたビールを飲みながら

空が青くてきれいだったなあ

みなさんほんとうにありがとう
「いま死んでもいいっ」て思えるところに、「ぐっ」と近づける祭りでした

村のまつりによかったらどうぞ

またゆっくり振り返りながらまとめます

五穀豊穣　子孫繁栄　
大安吉日や　さかいひろし
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