妖怪と音楽シリーズ1 妖怪と音楽の誕生 ―恐怖克服の人類史
上の一文は、三島由紀夫がエッセイ集『小説家の休暇』の中で、語った言葉です。三島は音楽を怖いものだと考えていました。同エッセイ集の別の項で三島は、放射能への恐怖も書いていますが、それとほとんど変わらないトーンで、音楽への恐怖も語っているのです。
我々は、現代音楽やホラー映画のBGMなど一部の音楽に対して怖いと感じることはあっても、音楽そのものは恐怖の対象にはなりません。しかし、実は音楽の発展に、“恐怖”は大きな関わりがあると筆者は考えています。
今回は、この“音楽”と“恐怖”と