T'rung(トルン)- ベトナムの伝統的な民謡楽器
トルン(ベトナム語表記:T'rung)はベトナム中部高原の複数の少数民族グループの生活に密接に関係している伝統的な民謡楽器である。この楽器は異なるサイズの竹管で作られており、片方の端が切り落とされ、もう片方の端は斜角に切られている。長く太い竹管は低音、短く細い竹管は高音を発する。竹管は水平に配置され、2本の紐で取り付けられている(以下の写真参照)。
ベトナムの中部高原では、トルンは農作業の後などに、若者が歌ったり踊ったりする夜の集いでよく演奏される(されていた)ようである。
時を経て、トルンは、竹管が追加されて3列に配置され、伝統的な音のスケールを維持しながら、複雑な音楽を演奏することができる仕様に改良されていったと聞いている。
私がトルンに出会ったのは、ベトナムに駐在していた時で、2017年2月の旧正月(テト)明けにハノイのオペラハウス(以下は私が撮影したもの)での新年を祝うコンサートでトルンの合奏を聞いた。
トルンの美しいフォルムと澄んだ音色に一瞬で恋に落ち、その翌日から先生を探し始めたところ、Hoa Dang Nguyen先生(Viet Nam National Academy of Musicでさまざまな伝統楽器を教えながら、アジア、欧州などに演奏活動も行う)に出会うことができ、自分のトルン(以下の写真参照)を特注した(楽器が出来上がるまで約1ヵ月かかるため、その間は先生の楽器を拝借した)。約1年半の間に月1, 2回程度、レッスンを受け、楽器の基本的な奏法を習いながら、ベトナムの民謡等を練習し、楽器に慣れていった。
途中から、クラッシック曲(トルコ行進曲、チャルダッシュ(見本動画は以下)等)にも挑戦した。レッスン前後に中学生のグループレッスンが行われている時はそのアンサンブルに加わらせて貰い、異なる伝統楽器も交えたハーモニーを楽しんだ。
以下は、Hoa Dang Nguyen先生の演奏で、プロのサウンドが楽しめる。先生は日本の和太鼓バンドともコラボをしており、何度か来日もしている。
ベトナムから戻って、所用もあり数回ハノイに里帰りし、Hoa Dang先生にトルンの調律をお願いしたり、レッスンを受けた。2019年秋以降はコ口ナ禍でレッスンを受けに渡越できていないため、忘れないように時々自宅で練習をしている。竹で出来ているトルンは乾燥に弱く、竹管に亀裂が入ってきたりするため、定期的なメンテナンスが必要となるが、ベトナムに行くしかないため、私が持っているトルンは音がかなり狂っている。
今回は角野隼斗さんの26歳のお誕生日(7月14日)をお祝いするため、角野さんの「Happy Birthday to Everyone」から1月と7月の一部をベースに簡単にアレンジして「Happy Birthday to Cateen」を作ってみた(笑)。大変僭越ではあるが、ツイッターにその動画を掲載させて頂いた。大昔にピアノを習っていたものの、打楽器の経験はなく、腕の力を完全に抜き、手首のスナップだけで行うトレモロ(同音連打)はなかなかできるようにならず、動画でも不揃いなトレモロが恥ずかしい限りである。
以下は、マリンバで千本桜を弾いていたよみぃさんの真似して、千本桜の前奏を弾いてみたw
以下はよみぃさんのお誕生日に弾いてみたw
よみぃさんに習い、頑張って転調しました!
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