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【読書記録#21】学校ってなんだ!

工藤勇一著書『学校の「当たり前」を辞めた。』に書かれている内容から、工藤先生の取り組みや学校教育に対する考え方を鴻上尚史との対談形式で書かれた本です。

この対談、映像か何かで残ってないのかって思いました。現場のトップの方々はそこまで考えているのか~と。学校現場でよく騒がれることは本当の教育として必要なことか?学校教育の目的は「社会で活躍するための準備」。そして、「みんなちがってみんないい」と「だれ一人とり残さない」を実現すること。そのために磨き上げなければならないことは、「対話」すること・「自律」すること。大人がこれをできずして、子どももできるはずなかろうと、自分も一人の大人として在り方を改めて見つめる機会となりました。

『学校の「当たり前」を辞めた』は以前読んでいたので、一応貼っておきます。

以下、本文から気付いたこと・発見したことのまとめ。自分の解釈を含みます。

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多様性はしんどい

「みんなちがってみんないい」という考えは、誰かが折り合いをつけたり利害を整えたりしなくては集団が機能しない。それをせずして、民主主義は成り立たない。だから多様性ってしんどい。共通する解決策「みんながOK」を目指すこと。そのためにもめて当たり前だと思うこと。それに向き合うのがこれからの社会。

リハビリのための3つの台詞

社会で生きるには「自律」すること欠かせない。自分で物事を判断して決めて行動するプロセスを経験する必要がある。学校で授業を抜け出す生徒、遅刻して寝ている生徒、いろんな生徒と出会うがその時かける3つの台詞「どうしたの?」「それで君は何がしたいの?」「何か支援できることはある?」

いじめ調査の目的

いじめをなくすことを目的にする調査なら意味はあまりない。数を減らした結果を提出すれば学校としても優秀だと見なされやすいから。しかし調査の最大の目的は「困っている子どもがいないか探し出すためのもの」。だからいじめ件数で学校の良し悪しをつける視点はずれている。

日本教育の最大の課題は当事者意識

教育は学校だけのものか?違う。朝活動や部活動は労働時間外を強いて教員がまっとうするものか?違う。生徒も教員も保護者も地域を含めた当事者意識の希薄さが教育の課題。誰かがしてくれるがこれまで。2019年の日本財団調査では、「自分で国や社会を変えられると思う」は18.3%。

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他国の半分程度。これも子どもだけの問題じゃない。また、身体幸福度は1位なのに対して精神幸福度は下から2番目。さらには「自分がダメな人間だと思うことがある」が日本は72.5%。

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子どもだけに限らず大人から当事者意識をもって社会と向き合わねばならない。

「世間」と「社会」は違う

あなたと関係する人たちの集団が「世間」。あなたと何も関係しない人たちの集団が「社会」。「社会」で生きる意識をもつこと。

「わかる授業」より「学ぶ授業」

偏差値は日本人特有の考え方。世界に偏差値といっても理解されない。「教育とはやり直しができる子を育てること」と言われている。「わかる授業」をするとわかって終わりになってしまうし、そもそも「わかる授業」をすればするほどわからない授業が増える。だからこれからは「学ぶ授業」。

絆や団結といった目標は長続きしない

そもそも「絆」とは、犬とか馬などの家畜を立木につないでおくための綱のこと。「絆」と言っている間は「対話」の力は育たない。慮るとか空気を読むとか日本の良さのように思うけど、それを「絆」があるようにしてしまうのは良くない。

コミュニ力が高い人はもめた時に何とかできる人

誰とでも仲良くなれる人がコミュ力が高いと言い切れない。なぜなら、対立した時に折り合いの付け方があるとは言い切れないから。コミュ力が高い人はもめた時に何とかできる人。考え方の違う人間がそこら中にいるのが普通だと自分に問いかけて過ごすこと!

自分の言葉をもつ

よくある運動会閉会式での「みなさん今年の運動会はいかがでしたか?」よいう全国で統一されたかのような台詞。聞く人の心には届いてない。「言葉は伝わらない」と知ること。「言葉が伝わるというのは、相手の心が揺さぶられたときだ。心が揺さぶられて初めて伝わるものだ」。だから自分の言葉をもつ必要がある。

人は信頼する人からしか価値観を学ばない

何を教えようと、どんな学びを提供しようと、大切な価値観は信頼する人からしか学ばない。そもそも人と人であって信頼関係なくしては、人の意識を変えようなんてできない。まずは相手のこと知って、自分のことも伝えて、繰り返して密接な関係をつくらなくてはならない。

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最後に

益々人々のコミュニケーションが重要になったと分かります。それも学校教育に限らず、スポーツ界も同様です。「対話」ができる「自律」した行動ができる。これらが日本社会を好転させるアプローチの一手だと感じました。

コミュニケーション、重要です。。。

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