田口まこ

フリーのコピーライター ふと口から出た言葉、耳にした、目にした言葉へのちょっとした思い…

田口まこ

フリーのコピーライター ふと口から出た言葉、耳にした、目にした言葉へのちょっとした思いを書いていきたいです。 でも、時々はそうじゃないことも書くと思います。 著書:「短いは正義」(ダイヤモンド社)、「伝わるのは1行」(かんき出版)

最近の記事

進化を拒むいつもの5大鉄板メニュー

晩ごはんが老いてゆくのだが 去年子どもが独立して家を出たので、夫婦二人の暮らしとなった。毎日ジャージャーとシャワーを出しまくってお風呂に入る人がいなくなり、洗濯物ものの量もあれっと不思議に思うほど減り2日に1度でよくなり、水道代が半額になった。最初は何かの間違いではないのかと、ポストに入っていた”使用水量のお知らせ兼納入通知書”を3度見した。本当だった。 まあ、他にもいろいろと変化はあったが、何がいちばん変わったかというと、晩ごはんのメニューである。 子どもがいるときのいつ

    • うちの洗濯機は30年もので、私は「洗ちゃん」と呼んでいる

      修理した人が魔法をかけたのか? 結婚した時に買った洗濯機を、ずっと使っている。かれこれ30年以上、その洗濯機は元気に働いてくれている。日立製で縦型の全自動。ごくごく標準タイプで、古いので乾燥機能は付いていない。 実は、買ってすぐに調子が悪くなり家まで修理に来てもらったのだが、その時にきたメーカーの人が洗濯機の神様で、壊れない魔法をかけたのか?と思うほどずっと絶好調である。 よく、家電の寿命は10年といわれる。ちなみにうちの冷蔵庫は今3代目で、前の2台はどちらも律儀に働き、1

      • 空想の家は、空想のままに

        飽きもせず、間取りを毎日考えている 私は間取りを考えるのが好きだ。用もないのに不動産サイトを見ては、この壁は取っ払い、東側にも窓が欲しいなどと思いに耽る。 初めてアパートに一人で暮らした時からずっと、今の住まいに満足できず、ここがこうなれば、あそこがああなればと考えてきた。こんなにずっと考えているのに、実現したことがない。なぜなら、お金がないからだ。 助けた富豪の老人が土地をくれる? 結婚し、子どもができてからはいっそう、あんな家にこんな間取りにと思うようになった。散歩

        • 何十年と愛してきたバレーボールがまた盛り上がっている!

          その昔、バレーボールマンガ全盛時代があった バレーボールが社会的にも私的にも大盛り上がり!ネーションズリーグも盛況で、久しぶりのうれしいバレーボールブーム到来である。 私世代は、幼少期の頃からアニメでもマンガでもバレーボールが大人気だった。「アタックNO.1」では、鮎原こずえの消えるアタックや、早川みどりの木の葉落とし、ライバル高校の三位一体攻撃から四位一体攻撃まで必殺技が目白押し。 実写スポ根「サインはV」の見どころは、真っ黒のドーランを塗った范文雀演じるジュンサンダース

        進化を拒むいつもの5大鉄板メニュー

          ひとつだけ願いが叶うとしたら

          歌のテストで気の毒がられる 私は音痴だ。どうしようもなく歌がヘタである。 音楽の方もダメだが、運動音痴でもある。よく運痴などと言われる、あれである。大人になってしまえばどうということもないのだが、子ども時代はツライ。なぜなら、音楽も体育もクラスメイト全員の前で実技を披露しなければいけないからだ。 運動についても屈辱的な事柄がいくつもあるのだが、今回は音楽、特に歌の話をしたい。 音楽の時間、歌のテストというものがあり、ひとりづつ前に出て先生の弾くピアノに合わせて歌わなければい

          ひとつだけ願いが叶うとしたら

          上から脱ぐか、下から脱ぐか、あなたはどっち

          脱衣所で思う、上か下か。 うちの近くにちょうどいい規模の健康ランドがあり、1週間に1度は行って、炭酸風呂やサウナを満喫している。行った日は、朝までぐっすり眠れる。睡眠の質を高めるためには、炭酸風呂が一番ではないかと思う。 そんなことで、このゴールデンウィークも何回かお風呂でダラダラしてきたのだが、そこで、前から気になっていたことがやっぱり気になった。 それは、実にどうでもいいことなのだが、着衣を上から脱ぐ人もいれば下から脱ぐ人もいるということだ。 いちばん最初にパンツを脱

          上から脱ぐか、下から脱ぐか、あなたはどっち

          昭和の小学生、半ドンのお昼ごはん

          土曜日の午後、喜びも悲しみもお昼ごはん次第 私が小学生のとき、土曜日は休みではなく4時間目まで授業があった。そんな、昼までの授業や仕事のある日を半ドンと言ったのだが、週休2日制のいま、その言葉はもう絶滅したのだろうか。ところで、半ドンのドンって何だろう? それはさておき、土曜は給食がなくみんな家に帰ってお昼ご飯を食べた。私は小さな頃から寝起きが悪く、いつまでも布団の中でぐずぐずしているので、いつも朝ごはんを食べずに学校へ行っていた。お昼にはお腹がぺこぺこなのである。 そんな

          昭和の小学生、半ドンのお昼ごはん

          入学式と、父の眉間の深いシワ

          私の父はやっかいな人だった 20年ほど前に亡くなった私の父は、とてもやっかいな人だった。傲慢で自分勝手でワガママで、でもどこか可愛げがあるので憎みきれないというか。例えていうなら、故・石原慎太郎さんに近い・・・かもしれない。テレビでお見かけすると、傍若無人な物言いに少し父を思いだしたりした。 父との思い出は、いいことも悪いこともたくさんあるのだが、この時季になると小学校の入学式を思い出す。 当時、私が住んでいたのは京都市のはずれのはずれで、田んぼと畑の真ん中に突如として

          入学式と、父の眉間の深いシワ

          その「貫禄」、「落ち着き」は、疲れ?

          いくつになっても「貫禄」というものが身につかない。何十年もコピーライターとして働いているが、ベテランという言葉が本当に似合わない。存在に重みがなく、フワッと軽い。 存在が重々しい人は、口も重い。打ち合わせなどで、重々しい人がたまに発する一言は周りをハッとさせ、なるほどーと唸らせる。 しかし、私のようなお調子者は口を閉じていられない。ペラペラとしゃべると言うが、まさに発する言葉が紙のごとし。あー軽い。「参加してもらうと、打ち合わせが明るくなって楽しいです!」などと言われて喜ん

          その「貫禄」、「落ち着き」は、疲れ?

          東京マラソン沿道で出会ったモンクレママ友グループに、熾烈という言葉が浮かぶ

          ママ友4人全員モンクレールのダウンコート きのうの午後、用があって銀座に行ったら、ちょうど東京マラソン真っ最中であった。スター選手はゴールした後で、市民ランナーの皆さんが楽しそうに走っていた。沿道は応援の人で賑わっていた。 その中に、小学1年生くらいの子どもを連れたママ友4人組の姿があった。この中の誰かの夫が走っているのだろうか。それはまあどうでもいいのだが、そんなことより、4人とも着ているのがモンクレールのロングのダウンコート。うわあ、友だち付き合い大変そうー。思わず、熾

          東京マラソン沿道で出会ったモンクレママ友グループに、熾烈という言葉が浮かぶ

          ”荒れた唇は恋を失う”aikoの歌が聞こえる花粉の季節

          失う恋は無いが、唇は荒れる 抜けるような青空の下、ビュービューと吹き荒ぶ北風に吹かれ花粉に塗れていると、aikoの歌が聞こえてきた。ような気がした。 特に失う恋はないが、唇が荒れる季節がやってきたのだ。 そう、花粉症のせいで鼻の下から唇にかけて荒れまくる季節が。鼻をかみすぎて荒れるということもあるが、花粉の時季になると唇が赤く腫れて皮が剥ける。これはつらい。 唇にハチミツ しかし、思えば、荒れた唇とは長い付き合いになる。小さな子どもの頃、冬になるといつも乾燥で唇の皮

          ”荒れた唇は恋を失う”aikoの歌が聞こえる花粉の季節

          「明日やろうはバカやろう」を思い知る、確定申告

          イヤなことが今日できない 事務仕事が嫌い。とことんやる気になれない。ずっとほったらかし。なので必然的に確定申告のこの時期になると、シクシクと泣きながら1年分の領収書をパソコンに打ち込まなければいけないのだ。毎年思う、せめて1ヶ月分ずつやっておけばと。 他のことは、割とマジメにきちんとやっている。小心者なので、仕事の締め切りは破ったことがない。人との待ち合わせにも遅れない。でも、苦手な事務仕事はついつい先延ばしにしてしまうのだ。 「明日やろう」、そう心の中でつぶやいてそのま

          「明日やろうはバカやろう」を思い知る、確定申告

          「らしく」と「くせに」はこの世から無くなるか

          令和の学校は、ジェンダーバイアスを無くしつつあるらしい ジェンダーバイアスを無くすために、学校で「女らしく」や「男らしく」という言葉を使わないなどの取り組みが進められているそうだ。良いことだと思う。 私は両親から「女らしくしなさい」とか「女のくせにみっともない」などと言われた記憶が無い。これには感謝している。 小学生の頃から格闘技を見るのが好きで、当時は毎週テレビで放送されていたプロレスやボクシング、キックボクシングなどを欠かさず見ていた。額を割られ血まみれになりながら、

          「らしく」と「くせに」はこの世から無くなるか

          我こそは!と前向きに

          マーメイドラインのウエディングドレスに武士道精神を見た 少し前、結婚式場の仕事をさせていただいた。そのときに、ウェディングドレスを見せてもらう機会があった。どれも白く輝き、晴れの日を飾るにふさわしい美しいドレスばかり。 中でも一際目を引いたのが、マーメイドドレスと呼ばれる、体にピタリと張り付いてボディラインを見せつけるドレスである。背中が大きく開き、胸元もグンと強調、キラキラとまばゆいばかりの、そうビヨンセが着そうなドレス。 「わあ、ゴージャスですねえ。素敵だけど体の線も

          我こそは!と前向きに

          「生きてる」と「死んでない」の違いって

          中国のおばあさんの言葉にうなずく 去年のことだが、テレビで”月曜から夜更かし”を見ていたら中国ロケをしており、どこかの公園にいた痩せたおばあさんが「長生き?もう、生きてるっていうより、死んでないだけだよ」と言って大笑いしていた。 さすが人生の達人は上手いこと言うなあ。「生きてる」も「死んでない」もどちらも生存しているという意味では同じなのだが、ふたつの言葉の間には深い深い溝がある。「生きてる」は自らの意思と力で生きており、「死んでない」は自分の意思とは別に残された命を全う

          「生きてる」と「死んでない」の違いって

          オムツをはきこなす

          フェスでオムツは便利らしい ありがたいことに、30年以上コピーライターの仕事をさせていただいている。ずーっと化粧品が仕事の中心で、これはこれで大好きな分野なのでうれしいことなのだが、もう少し新しい商品にも手を広げたい。これからを考え、できれば同年代やもっと上のシニアの皆さんに向けての商品、そう例えばオムツとか。 そんな話を、年下の同業者の友達にしていたら、「私はオムツをはいたことがあるよ。すごく自由だよー」「ロケの時とか、若い人でもはいてるらしいよ」「フェスの時もいいんだ

          オムツをはきこなす