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東京マラソン沿道で出会ったモンクレママ友グループに、熾烈という言葉が浮かぶ

ママ友4人全員モンクレールのダウンコート

きのうの午後、用があって銀座に行ったら、ちょうど東京マラソン真っ最中であった。スター選手はゴールした後で、市民ランナーの皆さんが楽しそうに走っていた。沿道は応援の人で賑わっていた。
その中に、小学1年生くらいの子どもを連れたママ友4人組の姿があった。この中の誰かの夫が走っているのだろうか。それはまあどうでもいいのだが、そんなことより、4人とも着ているのがモンクレールのロングのダウンコート。うわあ、友だち付き合い大変そうー。思わず、熾烈という言葉が浮かぶ。そう、熾烈なマウントの取り合い。
こんなとき、すぐいろいろと妄想してしまうのが私の悪いクセ。タワマンのお友だち?それとも有名私立学校のお友だち?
持ち物の見栄の張り合い、恐ろしいんだろうなあ。学校行事に来て行くスーツ、時計、貴金属、モンクレどころではない。以前、慶應幼稚舎の保護者会は、ケリー&バーキン率90%と聞いたことがある。想像しただけで、冷や汗が出そう。私には、まったく関係のない世界で本当に良かった。

庶民派幼稚園とお受験幼稚園の間には、大河が流れていた。

そういえば、うちの子どもはサッカーをしていたのだが、芸能人のお子さんが多く入学されている私立の小学校と練習試合をしたことがある。応援に来ていたお母さんみんな顔が小さくて、スタイルが良くて、とてもファッショナブル。こんな中にはとても混じれない。ああ、公立で良かったとしみじみ思ったものだった。

あっ、もっと遡って幼稚園のときもそうだった。その昔、子どもがまだ小さかった時のことである。道路を隔てて、ふたつの幼稚園の送迎バス乗り場があった。ひとつは、うちが通わせていたお寺が経営している庶民的な幼稚園。もうひとつは、いわゆるお受験幼稚園である。
庶民派幼稚園の乗り場にいるお母さんは、私を含めみんな髪はボサボサすっぴんで着のみ着のまま、子どもをここまで連れてくるのが精一杯という風情であった。
が、かたや道路の向こうのお受験幼稚園のお母さんたちは、早朝からフルメイクで髪も巻き、スカートとブラウスといったきちんとした服装。全員、君島十和子さんといえば想像できるだろうか。聞くと、幼稚園の方針として、母はいつもきちんとした姿でいなくてはならず、スカート着用が望ましいというのだ。
ふたつのバス乗り場を隔てる道路は、決して渡ることのできない、濁流がうねる大河の様相を呈していた。

私は常に、ユニクロダウンの楽しく穏やかなママ友グループにいたので、辛い思いをしたことがない。しかし、熾烈なマウント合戦というものがいつも対岸にあったことを、銀座でまざまざと思い出したのであった。


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