”荒れた唇は恋を失う”aikoの歌が聞こえる花粉の季節
失う恋は無いが、唇は荒れる
抜けるような青空の下、ビュービューと吹き荒ぶ北風に吹かれ花粉に塗れていると、aikoの歌が聞こえてきた。ような気がした。
特に失う恋はないが、唇が荒れる季節がやってきたのだ。
そう、花粉症のせいで鼻の下から唇にかけて荒れまくる季節が。鼻をかみすぎて荒れるということもあるが、花粉の時季になると唇が赤く腫れて皮が剥ける。これはつらい。
唇にハチミツ
しかし、思えば、荒れた唇とは長い付き合いになる。小さな子どもの頃、冬になるといつも乾燥で唇の皮が剥けていた。乾くとすぐ舐めてしまうから、いっそう荒れる。その当時はカサカサになった唇に、母がいつもハチミツを塗ってくれた。
唇がベタベタ。そのベタベタが気になって指でこすると指もベタベタになって、その指で着ている服や読んでいるマンガや本を触ってしまい、私の周りはどこもかしこもベタベタになる。甘いので舌で舐めていると、母が「舐めたらあかん、舐めたらあかん」と、まるでのど飴の天童よしみである。
しかし、我慢して唇にハチミツをのっけていると、いつの間にか治ってツルンとした唇が戻ってくる。
ソニプラで選んだリップはなんだった?
成長しても、唇は荒れる。
中学生になるとリップクリームを買ってもらった。普段用にはメンソレータム薬用リップクリーム。お出かけ用にはキスミーシャインリップ。
高校生になると、友だちといっしょに色や香りがついているものを買った。学校の帰り、いまはプラザというけど、当時はソニープラザ、略してソニプラに行ってあれこれ選ぶ。フルーツ味の、あー、名前を忘れてしまった。
いまも、塗らない日はないメンタムリップ
あれから、何十年。ゆうに100本以上のリップクリームを買ったはずだが、唇の荒れを防ぐために今も使い続けているのは、メンソレータム薬用リップクリーム。塗らない日はないなあ。どこへ行くにも持って行く。防災用の持ち出し袋にも入れている。
ときどき違うものを買って併用することもあるけれど、メンタムリップを切らしたことは1度もない。結局、あの、もちっと唇についてスースーする感触がいちばん好きで戻っていく。
そういえば、最近の子どもは唇が荒れていない。頬が真っ赤になって白い粉を吹いている子も見かけない。きっと、しもやけの子もいないんだろうな。
昭和は遠い。
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