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進化を拒むいつもの5大鉄板メニュー

晩ごはんが老いてゆくのだが

去年子どもが独立して家を出たので、夫婦二人の暮らしとなった。毎日ジャージャーとシャワーを出しまくってお風呂に入る人がいなくなり、洗濯物ものの量もあれっと不思議に思うほど減り2日に1度でよくなり、水道代が半額になった。最初は何かの間違いではないのかと、ポストに入っていた”使用水量のお知らせ兼納入通知書”を3度見した。本当だった。
まあ、他にもいろいろと変化はあったが、何がいちばん変わったかというと、晩ごはんのメニューである。
子どもがいるときのいつもの5大メニューは、から揚げ、しょうが焼き、ハンバーグ、カレー、豚汁だったが、これらがまったく食卓にのらなくなった。
最近は、酢の物とか、野菜の炊いたのとか、ささみの塩焼きとか、胃の負担にならなさそうなものが多い。老いを感じるじゃないか!
この間、久しぶりに子どもが帰ってきて家でご飯を食べるというのでから揚げを作ったが、半年ぶりの揚げ物だった。やっぱり、揚げたてはおいしいなー。

から揚げ、しょうが焼き、ハンバーグ、カレー、豚汁、5大メニューは味を変えられない

ところで、この何回作ったかわからない5大メニューは、使う具材も調味料もほぼ決まっている。みんな飽きてるんじゃないかなあ、ちょっと変えてみようかなあと、ネットなどで見て新たな工夫を加えたりすると必ず不評なのである。
例えば、私の作るハンバーグのソースは、焼いた後の肉汁が残ったフライパンにケチャップととんかつソースとお醤油を適当に入れてぐるぐるっとかき混ぜただけのものである。それを、今日はひとつがんばってみるかと、デミグラスや、きのこを入れた煮込みなどにした時の家族からの大ブーイングたるや。「なんで変える?!」とまるで、悪魔の所業のような責められ方をするのだ。
しょうが焼きは、20年以上前に買った川津幸子さんの本「100文字レシピ」に載っている、醤油3、酒1、みりん1におろししょうがというレシピで作り続けている。これもネットで見ると、調味料の割合が2:1:1だったり、ケチャップや砂糖が入っていたり、たまねぎといっしょに炒めていたりとさまざまで、じゃあちょっとケチャップを入れてみるかなどという工夫をすると、ものすごく不評なのだ。え?まずくないじゃん!そんなに何がダメ?と驚くほど。

”食べ慣れた”という安定の味

食べ慣れた味というものは変えられないのである。それが、おいしくても不味くても。「いつもの」がいちばんなんである。
でもカレーは、「ええー、いつものジャワカレーでいいし」と言われるのを覚悟で、ときどきスパイス増し増しのとかを作っている。こればかりは、試してみたい気持ちを抑えられないので仕方ないのだ。よろしく。


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