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うちの洗濯機は30年もので、私は「洗ちゃん」と呼んでいる

修理した人が魔法をかけたのか?

結婚した時に買った洗濯機を、ずっと使っている。かれこれ30年以上、その洗濯機は元気に働いてくれている。日立製で縦型の全自動。ごくごく標準タイプで、古いので乾燥機能は付いていない。
実は、買ってすぐに調子が悪くなり家まで修理に来てもらったのだが、その時にきたメーカーの人が洗濯機の神様で、壊れない魔法をかけたのか?と思うほどずっと絶好調である。
よく、家電の寿命は10年といわれる。ちなみにうちの冷蔵庫は今3代目で、前の2台はどちらも律儀に働き、10年くらいでブウンという今際の際みたいな音を出してすべての機能を停止した。

人間なら100歳以上

それを思うと、この洗濯機はすごい長寿ぶり。人間の年で言うと100歳を超えているだろうと思う。とにかく結婚以来ずっといっしょにいるので、もう家族同然の存在である。
結婚して子どもが生まれたすぐ後は、よだれやらおしっこやらがついた小さな衣類をクルクル回って洗ってくれた。その子どもは、小学校から高校までサッカーを続けていたが、泥と汗がこびりついたどうしようもなく臭く汚いユニフォームやソックスを文句も言わずにざぶざぶと強力に洗ってくれた。本当は、ぎゅうぎゅう詰めで洗ってはいけないそうだが、面倒なのであふれんばかりの衣類やシーツを一気に入れてしまう雑な私を責めず、パワフルに洗ってくれた。今は夫婦二人になり洗濯物の分量も洗う回数も減ったので、洗濯機も少しは楽になったのだろうか。

洗濯機に話しかける私を放っておいて

家族で4回引っ越したが、その度に分厚い毛布のようなものに包まれて、トラックの荷台に乗って付いてきてくれた。今では、白いボディはうっすら黄ばみ、ところどころサビも浮いている。
それでも、ほぼ毎日グルングルン回って元気に洗濯してくれている。以前、「ものより思い出」という車のコピーがあったが、これだけ長い付き合いになると、「ものこそ思い出」だなあと思う。
今では、洗ちゃんと呼んで「おはよう」と洗濯前に挨拶したりする。けっしてボケたわけではないので、洗濯機に話しかけている私を見ても、どうか放っておいてください。
洗ちゃん、明日もよろしく。何かあっても、きっともう、部品がなくて助けられないと思うので、絶対に壊れないでね。

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