taguchi akari

taguchi akari

記事一覧

もう全部になったよ

あれ、あたしって今いきてますか? いっつも暗くてやんなっちゃう、あたしの台詞 優しい人は言ったね。ただ毎日を過ごすだけでいいんだよ 会社に勤めて働いて偉い 毎日お…

taguchi akari
10時間前

時折2

感情は自分の中に留めておきたいけれど 例えば美味しいご飯を食べたとか綺麗な景色が目の前にあったとか美しい音楽を聴いたとか 特別ではないプラスな出来事があった時にそ…

taguchi akari
2か月前

時折

生き続けるのには苦しみが伴うけれど好きな人が死ぬのはもっと辛いな 白んでいく空を思いながらぼんやりとそんなことが脳を掠めた 日曜の朝 商店街の半ばにある喫茶店には…

taguchi akari
2か月前

震動

「趣味は何ですか?」 そんな質問があるあるランキング上位に上がりそうな合コンには一度しか行ったことがないし 私のことを少しでも知る人はそれに馴染めないことを理解…

taguchi akari
3か月前
3

夜に酔って宵

少しだけ脈を打つスピードが速い。薬を飲んでもあまりうまく眠れなくて朝の訪れに合わせて短い時間だけ意識を飛ばす。それなのに食欲だけが私を犯してその後また罪悪感と吐…

taguchi akari
3か月前
2

呼べる日まで

元恋人のことをあっけらかんと書いた歌にはあんまり惹かれないし 打ち上げにいる謎の女にはなりたくない 何が好きなのか分からなくなってしまったよ、別にその人じゃなくて…

taguchi akari
4か月前
1

偶然 誕生日と同じ数字を見るとテンション上がるよね

暖かな陽の光に包まれると思っていたら 私が住む街にも雪が降り 気が付けば北国の雪も溶けて本物の春に迎えられていた。肌に感じた冷たさをほんのりとは覚えているけれど …

taguchi akari
5か月前
3

循環

年が新しくなる頃から息を吸って吐くことが難しくなっていたけれど随分と楽になってきた。そして文字通り一呼吸置いた今日、何を目指せばいいかまた迷い始めた。 月を経る…

taguchi akari
6か月前

春期鬱

私はあまりにもマイペースで ただそれを保つことが難しいほどに生真面目なところがある それでいてこころの表面積が大きい。良いも悪いも触れ合うものが人より多いから ふ…

taguchi akari
6か月前

死に絶えることなく

私が住む街に舞い始めた悪の化身花粉に犯され腫れた目で向かったツルツル真っ白な街。連日涙を流してしまってまだアホみたいになった二重幅が治りません 魔冬のガールフレ…

taguchi akari
7か月前
1

思索捜索、回答

この数週間、感情を持つことを放棄していた。自分を守るため、そうすれば傷付くことがないから あなたを含めた幸せを本気で願っているのに、それを土足で荒らしていく輩に…

taguchi akari
7か月前
2

らゔりぃ/lovely

去る1月9日、地下鉄さっぽろ駅のごく近くでの掲題公演のために日々生活をしてきたと言っても過言ではないだろう。DOUBLIVINGとFATE BOXの共催企画の開催が発表されたのは忘…

taguchi akari
8か月前
2

青い花

ーー友だちが欲しいな 年末年始の休暇を挟んだからなのか、怠惰な生活を繰り返した人間と同じようにやけに起動が遅いPCを前にひとりそう呟いた1月5日。 大人になると友だ…

taguchi akari
8か月前
3
もう全部になったよ

もう全部になったよ

あれ、あたしって今いきてますか?
いっつも暗くてやんなっちゃう、あたしの台詞

優しい人は言ったね。ただ毎日を過ごすだけでいいんだよ 会社に勤めて働いて偉い 毎日お疲れさま、と
本当にそれだけでいいのかな。満員電車に乗ってそこから流れた人人はエスカレーターに綺麗な列を成すの。その時ばかりは社会の歯車のひとつになっている自分に酔いが回った

たのしいことって何だったっけ。澄んだ空とか美味しいご飯とか

もっとみる
時折2

時折2

感情は自分の中に留めておきたいけれど 例えば美味しいご飯を食べたとか綺麗な景色が目の前にあったとか美しい音楽を聴いたとか 特別ではないプラスな出来事があった時にそれを伝えたい人、誰かの顔が浮かびますか

昨晩 薬を飲まなかったのに知らない土地で何時間も眠れたの
すごく特別なことであるように感じた 旅の疲れからかもしれないけれど本当の理由なんてなんでもいい 私は助かったよ

話すように歌う人だと思っ

もっとみる
時折

時折

生き続けるのには苦しみが伴うけれど好きな人が死ぬのはもっと辛いな 白んでいく空を思いながらぼんやりとそんなことが脳を掠めた

日曜の朝 商店街の半ばにある喫茶店にはモーニングの時間に滑り込むようにカップルが入店してきて 古着らしい開襟シャツを着た男の子は黄色の箱からアメスピを一本取り出し隣に座る眼鏡をかけた女の子がマッチで火をつけた 帰り際眼鏡の子の肩に下がる小さな鞄にカネコアヤノのキーホルダーが

もっとみる
震動

震動

「趣味は何ですか?」

そんな質問があるあるランキング上位に上がりそうな合コンには一度しか行ったことがないし 私のことを少しでも知る人はそれに馴染めないことを理解してくれると思う。
それでも“趣味”について聞かれることは生活の中で意外と多いよね。
いつも当たり障りなく「音楽が好きで休日はよくライブハウスにいますね〜」と答えて場を白けさせる。

私が音楽を好きになったのはいつだったか。両親はB'zか

もっとみる
夜に酔って宵

夜に酔って宵

少しだけ脈を打つスピードが速い。薬を飲んでもあまりうまく眠れなくて朝の訪れに合わせて短い時間だけ意識を飛ばす。それなのに食欲だけが私を犯してその後また罪悪感と吐き気に襲われる。
自分以外の人間全てが幸せに笑っているようだ。いや、自分が笑うことは罪であると感じているのかもしれない。

私は国内最大人口を誇るこの都市の一つの枠内で過ごすことに慣れてしまったけど 大好きな人が今日も1人で夜を越すのだと考

もっとみる
呼べる日まで

呼べる日まで

元恋人のことをあっけらかんと書いた歌にはあんまり惹かれないし 打ち上げにいる謎の女にはなりたくない
何が好きなのか分からなくなってしまったよ、別にその人じゃなくてもいいんじゃない?何それ、意地?

学生時代によく一緒にいてくれた人と少しの期間を置いて会ってもらった アルコールを入れなかったのは一秒も見落としたくなかったからだけど微塵なる後悔 あの時はもう戻ってこないんだ 他人はやはりいつも私より前

もっとみる
偶然 誕生日と同じ数字を見るとテンション上がるよね

偶然 誕生日と同じ数字を見るとテンション上がるよね

暖かな陽の光に包まれると思っていたら 私が住む街にも雪が降り 気が付けば北国の雪も溶けて本物の春に迎えられていた。肌に感じた冷たさをほんのりとは覚えているけれど どうしてだかここ数ヶ月の記憶が鮮明ではない。勤怠記録を振り返ればどうやら出勤はしていたようだし 何なら先月は1年の中でも長く歯車として稼働したらしい。そんな朧げな精神の中で映画PERFECT DAYSを観た

すばらしき世界を観た時に 役

もっとみる
循環

循環

年が新しくなる頃から息を吸って吐くことが難しくなっていたけれど随分と楽になってきた。そして文字通り一呼吸置いた今日、何を目指せばいいかまた迷い始めた。

月を経るごとにインスタグラムの画面に増えるエンゲージリング。かく言う私の母もこの歳になれば仕事を辞めて社宅に居を移したし いつかの同級生がやれ結婚だやれ同棲だと言っても何も不思議ではない。

ふと気が付いた時、私はいつも空っぽだった。勉強も部活も

もっとみる
春期鬱

春期鬱

私はあまりにもマイペースで ただそれを保つことが難しいほどに生真面目なところがある
それでいてこころの表面積が大きい。良いも悪いも触れ合うものが人より多いから ふとした時の誰かの翳りは辛いしちょっとした喜びが嬉しかったりする。そしてそれ以上に自分自身へのダイレクトな感情アタックが脳に届いた時 何だかまた情けなくなって涙が出てしまうんだ

涙腺はコントロールできないし自律神経はバカになっているから真

もっとみる
死に絶えることなく

死に絶えることなく

私が住む街に舞い始めた悪の化身花粉に犯され腫れた目で向かったツルツル真っ白な街。連日涙を流してしまってまだアホみたいになった二重幅が治りません

魔冬のガールフレンド、魔夏のボーイフレンドの続き。あなたたちがつくってくれた物語の中で私はいつだって一番に救われるんだ

この日のサンクルでしか聴けないあの曲、定番だけどリードギターの音の違いでいつもと少し違って聴こえる歌や「俺たちの歌」とずっと叫び続け

もっとみる
思索捜索、回答

思索捜索、回答

この数週間、感情を持つことを放棄していた。自分を守るため、そうすれば傷付くことがないから

あなたを含めた幸せを本気で願っているのに、それを土足で荒らしていく輩にはほとほと嫌気が差す

すきな人にすきだと言われるよりありがとうと言われる方が嬉しい、そんな風に思えるようになりたい。恋にも夢にも絆されずに現実だけを見てきたから、今は少しだけ回り道をしてもいいじゃない。すきを伝えたい時にはなんて言えばい

もっとみる
らゔりぃ/lovely

らゔりぃ/lovely

去る1月9日、地下鉄さっぽろ駅のごく近くでの掲題公演のために日々生活をしてきたと言っても過言ではないだろう。DOUBLIVINGとFATE BOXの共催企画の開催が発表されたのは忘れもしない昨年9月29日の午後9時でした。その2組の来東時期が重なったのはまた遡ること約3ヶ月前、照りつける陽がかなり高く昇っていた7月の初旬。全ての対バンが解禁されていなかった頃に心にあった淡い期待はあっけなく、それぞ

もっとみる
青い花

青い花

ーー友だちが欲しいな
年末年始の休暇を挟んだからなのか、怠惰な生活を繰り返した人間と同じようにやけに起動が遅いPCを前にひとりそう呟いた1月5日。

大人になると友だちは減る と人は言うし、正にそうだとも考えるようになった。自他共に認めるほどに友だちが少ない私がこんなことを話すと何だか可哀想な話に聞こえるが決してそれはそういうことではない、と思いたい。

幾つ年を重ねてもただ漠然としてある人の存在

もっとみる