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時折

生き続けるのには苦しみが伴うけれど好きな人が死ぬのはもっと辛いな 白んでいく空を思いながらぼんやりとそんなことが脳を掠めた

日曜の朝 商店街の半ばにある喫茶店にはモーニングの時間に滑り込むようにカップルが入店してきて 古着らしい開襟シャツを着た男の子は黄色の箱からアメスピを一本取り出し隣に座る眼鏡をかけた女の子がマッチで火をつけた 帰り際眼鏡の子の肩に下がる小さな鞄にカネコアヤノのキーホルダーがきらりと光ったのを見る

あまり現実味を帯びていないからか自分の死には恐怖はないけれど 私より歳を重ねた人のそれが垣間見える時どうしようもなく涙が出る

土曜の夜 好きな人の幼馴染が亡くなったという夢を見た
その人の喪服姿を見るのは初めてで私は故人を知らないけれど胸がチクリと痛む 多くの人が出来れば着ることが無いようにと祈りながら卒業と共に手に入れる真っ黒な服に袖を通したその人の背筋はいつもよりも伸びていて頼もしい

意地も含まれるかもしれないけれど私はやっぱりこのままで居たいな 嫌いも好きもひとりで背負う方が楽だ 成長を諦め通貨価値を下げたこの国のように望まず期待をされず生活を

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