見出し画像

夜に酔って宵

少しだけ脈を打つスピードが速い。薬を飲んでもあまりうまく眠れなくて朝の訪れに合わせて短い時間だけ意識を飛ばす。それなのに食欲だけが私を犯してその後また罪悪感と吐き気に襲われる。
自分以外の人間全てが幸せに笑っているようだ。いや、自分が笑うことは罪であると感じているのかもしれない。

私は国内最大人口を誇るこの都市の一つの枠内で過ごすことに慣れてしまったけど 大好きな人が今日も1人で夜を越すのだと考えたらまた心拍が少し上がる。昼間 その人は「大したことを何もしてこなかった」と言った。誰よりも努力家で働き者で優しいことを関わりのある全ての人が知っているから涙を禁じ得なかった。

人は何をもって優秀だとか高尚だとか評価されるのだろう。地位も名誉もくだらないプライドにもうんざりだけど 嫌悪するそんなものたちに縋らないと立ち続けることさえも難しい。私は周囲よりも泣き虫だけど それは弱いからでしょうか。昨日の夕方下北沢THREEにて カズくんの「劣等感はいつも拭えない」という詞が妙に響いた理由を考える。よく分からないけどこんなに信頼のおける歌が 人が そこに在るだけで少しだけ救われたのは事実だ。これからも一緒に笑っていてよ、どこにも行かないで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?