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青い花

ーー友だちが欲しいな
年末年始の休暇を挟んだからなのか、怠惰な生活を繰り返した人間と同じようにやけに起動が遅いPCを前にひとりそう呟いた1月5日。

大人になると友だちは減る と人は言うし、正にそうだとも考えるようになった。自他共に認めるほどに友だちが少ない私がこんなことを話すと何だか可哀想な話に聞こえるが決してそれはそういうことではない、と思いたい。

幾つ年を重ねてもただ漠然としてある人の存在というものを、好意や悪意が呼ぶ感情や相互関係を考えてしまう。

ずっと普通で在りたかった。中二病を拗らせた訳でもなければましてや人より秀でた特長を持っている訳でもない。ただ何となく分からなかった。少しだけ気が付いてしまって考え思ってしまう。右にも左にも寄らないこの思想はいつも面倒臭く私を困らせた。私は所謂普通の道を選び進んできただろう。大勢が同じ方向を向く教室で学び、休み時間にはドッチボールをして両親には一輪車も買ってもらった。段々と学校に行けない日々が増え病院に通ったりまた学校に通ったりして誰もが通るセンチメンタルに泣き光に笑って過ごした。ある程度、試験をこなすことは得意だったから大学まで進んで、多数がそうするように酒を飲み煙草を吸って飲食店でアルバイトをした。どこかでブレーキをかけて自分を守るために生活をこなす。睡眠も食事もうまくコントロールは出来ないけれど、そんなこと誰にもバレたくはなかった。上手に生きていると信じることに精一杯だったんだ。

私のことは自分でつくりたい。人からどう見られたいとか、こう思われたいとか、それも含めて私なんだろうな。周りの目を気にせずにやりたいことをやるのは私にはとても難しい。だからこそ、自分の普通が全てのそれだとペラペラと喋る人とは少し距離を置きたいと思った。その脳みそに共感することはあっても洗脳はされていないし陶酔することもない。

ただ友だちと呼べる人が欲しいのか、それとも明日が来ることが絶対ではないと言う自分のことを笑わない人と肩を寄せていたいのか。未だによく分からないけれど、私は誰が言うことも大体は馬鹿みたいだと笑えないから、綺麗事だと揶揄されてもあなたのことを愛したいのです。

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