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偶然 誕生日と同じ数字を見るとテンション上がるよね

暖かな陽の光に包まれると思っていたら 私が住む街にも雪が降り 気が付けば北国の雪も溶けて本物の春に迎えられていた。肌に感じた冷たさをほんのりとは覚えているけれど どうしてだかここ数ヶ月の記憶が鮮明ではない。勤怠記録を振り返ればどうやら出勤はしていたようだし 何なら先月は1年の中でも長く歯車として稼働したらしい。そんな朧げな精神の中で映画PERFECT DAYSを観た

すばらしき世界を観た時に 役所広司が死んだら私は泣くだろうなと知人に話したことを思い出した。私の凡庸な人生さえを支える目で スクリーンを通して聞かせてくれる人を他に知らないから。人生とは 人間とは 幸福とは何か そんなことを問われる映画だと批評しているコラムを読んだが私にはそんな抽象はよく分からない。ただ主人公の生活に憧れる。アラームを鳴らさずに目覚める朝も草花を愛でる手も精魂込めて働いた後の熱い風呂と酒も そして揺れ動く木漏れ日も 眩しくて涙が出た。前にも書いたけれど明日が来ることが当たり前ではないから 朝が来るのが怖い。朝を迎えたくないからうまく眠れない。そんな悪循環をもう10年くらい繰り返しているしこれから先も治ることはないと分かったつもりでいる。一台の車で理解が進むニコの恵まれた生活となんとか抜け出したい思春期のしがらみ。人は生まれた瞬間から生活や人間関係 1日の時間さえも平等ではないと思っている。ただしそこに漸く見切りをつけることができるようになってきた。恐らく人より少しだけ豊かな知力と不足している優しさに折り合いを付けて私は私の場所でもう少し生きていきたい

また口角が切れている 同じようなヒリヒリとした痛みは心にも積もって消えていかない。それでもやっぱりあの時にもこの時にも聞いた言葉が脳を反芻して助かるのだ。私が一番に救われていたい それだけはずっと変わらないよ

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