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みんな笑う秋分の日。(1194文字)



くすくす きゃらきゃら わーはっは
ホホホホ ふふふ キャッキャッキャッ 
ははん うふ~ん くっくっく 
きゃらきゃら けらけら どははは~ うふふふふふ


いつもこの時間になるとどこからともなく聞こえてくる、しあわせで楽しいわらい声。
そんな声とはあべこべな今夜の自分。


私はだれにとっても必要ないんだ。
きっとこの世界にいらないんだ。
私は無能でしょ。
私はダメ人間。


そう思いたくって、でもやっぱり思いたくなくって、
大切なひとにぷりぷり怒ったり、拗ねたり、泣いたり、あまのじゃくなことをしてみたり。
相手の気持ちなんて、本当は分かっているのにねぇ。

そんなときに限って、ほしい反応は得られないんだから。
何もかも投げ出して、全部なかったことにしてしまいたくなる。

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あなたにいてほしい。
あなたが大好き。
あなたを愛してる。
あなたってすごいよ。


こんな風に思いたい。
だれかにこう言ってほしいだけなのに。


ねぇねぇわたしのこと忘れてない?!
あま~く、ゆる~く、柔らかく、わたしのことももっとかわいがってよ~。
それと、やりたいことやってね。
え、なに?やりたいことがわからない?
そんなときは、とりあえずゆっくりすればいいのよ~ん。

そんな声に導かれるように、ため息をつきながらやっていた洗い物の手をとめる。


わたしは綾ちゃんが大好き。
わたしは綾ちゃんにいてほしい。
わたしは綾ちゃんを愛してる。
綾ちゃんはすごいよ。


先ずは自分に優しい言葉をかけてみる。
たまには朝寝坊して、好きなものしか食べないで、すきなだけぼーっとしよう。
ゴロゴロして、お風呂にゆっくりつかったら、爪の手入れやいい香りのパックもしよう。
そうだ、時間をかけてヘアメイクをしたら、ぷらっと散歩にでて、かわいいカフェにはいって雑誌でも読もう。

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嬉しいな。なんてホッとするんだろう。
自分のための時間だ。
わたしも自分を大事にできるじゃん。


食卓に肘をついて、外から入ってくる優し風を頬にあびながらピンク色の空をぼーっと眺めていた。
連休の安心感からか、いままで張り詰めていた糸が切れたみたい。
ゆるゆるゆるまったら、普段聞こえない声が聞こえてくる。


人にばかり、評価や判断を預けないでよね~。
それと、あなたに大事なことは、「あきらめない。すねない。なげださない」
あんたに必要な三原則は、これよね。

そうか。今日は秋分の日。此岸と彼岸が近くなり、あの世とこの世のゲートが通じる日。


ケタケタケタ にまにま ぐふぐふぐふふ
ひひひ はっはっは うひょひょひょ だはは へっへっへ
からから  コロコロ あひゃひゃひゃひゃひゃ
カカカカ アッハー おーほほっほほ ぷぷぷぷ


サザエさんも、閣下も、お嬢様も、サルも、水も、風も、ご先祖さまも、明智光秀もカーテンも、
み~んな、笑ってる。
悲しみごっこしたくなったら、自分の声をきこう。
そしてみんなの笑い声をまた思い出そう。

じじじじぃ

文字も笑いながら踊り出す。



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