エシカル消費

「エシカル」(ethical)とは、「倫理的な」という意味を持つ形容詞です。「倫理」と聞くと少々難解な印象があるかもしれませんが、こう言い換えてみたらどうでしょうか。エシカルとは、「法律で決まっているわけではないけれど、良識的に考えるとこうだよね?」と多くの人が考える「社会的な模範」のこと。

特に最近は、環境保全や地域・社会への考慮といったニュアンスで捉えられることが多い概念です。それを実践できる身近な行動の1つが「エシカル消費」だと言えるでしょう。

エシカル消費とは「『人と社会、地球環境、地域のことを考慮して作られたモノ』を購入・消費する」ことがエシカル消費だといいます。もう一歩踏み込んで説明すると下の図のようになります。

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消費者は日々の買い物を通じ、世界に影響を与えることができます。世界で起きている、さまざまな深刻な問題を「消費者として解決する」うえで、自分が与え得る影響について、しっかり考える必要があると思います。

人間は生きていくうえで、消費から逃れることはできません。衣食住という生活に不可欠な3要素だけでも、そこで消費する洋服や食料、エネルギーは決して少なくないのです。

これらはいつ、どこで、誰がどうやって作ったのか――。それは、意識的に調べない限り、知らないまま日々が過ぎてしまいます。

実はこの「いつ、どこで、誰が、どうやって」を知ることが、社会問題解決の第一歩となるのです。

貧困や人権問題、気候変動といった問題が世界中で「喫緊の課題」となっています。これらは主として、先進国による大量生産、大量消費に端を発する問題なのです。先進国に暮らす人々の欲望を満たすために、途上国の社会的に立場の弱い生産者が搾取されたり、地球の再生能力よりもはるかに早く資源を使い、環境が破壊されたりしているのが現実です。

私たちが消費しているものやサービスの生産背景を知り、生産者の搾取を助長しないものを買ったり、環境負荷の低いものを買ったりするという行動を取ることは、それ自体が社会問題の解決への貢献なのです。

国連が掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)の12番目に、「つくる責任、つかう責任」があります。エシカル消費を実行に移すことは、少なくともこの半分を果たすことでもあると言えるでしょう。それだけでなく目標1(貧困をなくそう)や目標10(人や国の不平等をなくそう)、目標13(気候変動に具体的な対策を)、目標14(海の豊かさを守ろう)、目標15(陸の豊かさも守ろう)といった目標をも同時にカバーできるのが、エシカル消費なのです。

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我々が消費について考えることで地球環境を守ることにつながるかもしれませんね。

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