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「失恋ビギニング」を分析してみた
週刊少年ジャンプ2021年47号に掲載の読み切り「失恋ビギニング」(作・一ノヘ)について分析・考察してみました。
■扉絵
玄子とおうがは白黒。きりん・お嬢様・ヤンキー・宇宙人がカラー。後者4人は非現実的な「ラブコメ世界の住人」ということか?
■1~16P 現状の説明
●おうがは愛も恋も知らない。恋愛漫画は好きではない。が、漫画家志望として殻を破り視野を広げるためにラブコメ研究の一環としてきりん
八田千明の除霊事件簿
目の前で田崎が噴水のように吐血し、自らが作り出した血の池に突っ伏して動かなくなった。
過去に何度か一緒に除霊をしたことがあるが、田崎の実力は俺と同等。ただ、呪具の構成が攻めに偏っていた。それが生死を分けたのだろう。
俺は自分の胸元を見る。さっきパパパパンッと連続破裂した身代わり護符。多めに12枚持ってきたが、全滅だ。
「あ……あ……」
右の方に、へたり込んだ巫女の少女。
がくがく震える手
シン・エヴァンゲリオンのテーマとラストの意味について考えたこと
日曜に見に行ってまだまだエヴァ熱醒めやらぬので、少し考察めいたことを書いてみます。ラストの展開について重大なネタバレがあるので未見の人は気をつけて。
そもそもエヴァ全体のテーマとはなんだったのかというと、結局「ヤマアラシのジレンマ」つまり「他人と触れ合おうとすると辛いんだけどどうしよう?」だと思います。
これまでエヴァはTV版と旧劇場版とで2回の終幕を迎えたわけですが、TV版のラストを思
范蠡(ハンレイ) ―春秋妖将伝―
その兵士は目を細めて、平原の向こうにいる呉の軍勢を見やった。
遠目でもわかる巨漢が、名将と名高い伍子胥であろう。
戦車と歩兵が整然と並び、軍規厳正は一目瞭然だ。
兵士は戈を握る手に汗を感じる。「孫子の兵法」で有名な孫武が鍛え上げ、伍子胥が率いる呉軍はさぞ精強であろう。
次いで、兵士は自分たち越の軍に目を移す。恐怖で出た汗が、別種の恐怖で退いた。
古代中国・春秋時代の戦争は、現代の常識か
アーティフィシャル僧兵戦記 ―永久マニ車機関破壊指令―
各所に配置されたマリア像が一斉に涙を流したことで、基地内は蜂の巣を突いたような騒ぎに陥った。
レーダーや哨戒機より早くマリア像が反応したということは、敵は十中八九、仙人である。
「対仙戦闘用意! 対仙戦闘用意! ダクト閉鎖急げ」
霧化して侵入してくる仙人には、対BC兵器用の隔離設備が流用できるはず、というマニュアルは、机上の空論だった。
突如として基地内通路に、重機械化仙人が姿を現す。
ケプラーはどうしてティコを殺したのか
刑事さん、そんなに怖い顔しなくたってちゃんと話しますよ。全て話します。
世間じゃ僕は猫を虐め殺すタイプの猟奇殺人鬼みたいに言われてるようですけど、ごく普通の中学生ですから。取り調べには協力します。
ただ、ひとつだけ、お願いがあるんです。
僕の話を急かしたり、端折らせたり、しないでください。
時系列順でないとうまく話せないんです。
途中で『どうして殺したんだ』とか、『なぜ顔を焼いたんだ』
郊外のラビュリントス
俺ほどまぬけな泥棒がいるだろうか。
空き巣に入って間もなく、急に家主が帰宅した。窓の無い納戸を物色中で脱出できず、慌ててクローゼットの中に隠れた。
大丈夫、家主が風呂かトイレにでも入ってくれればその隙に、と思っていると、重い足音が近づき納戸の扉が開いた。
クローゼットは閉めた状態でもわずかに隙間があり、俺は目を近づけた。
家主はまるで相撲取りだ。ガリチビの自分の3倍は体重があるだろう。元
爆弾魔女の取扱方(失敗例)
酒場に入った。
客の一人が、俺を見て派手にビールを吹き出した。
その音をきっかけに、何人もの客がこちらを見る。
目を丸くする者、苦笑する者、顔を顰める者、口笛を吹く者。
反応は様々だが、どいつもこいつも俺の下腹部を見つめている。
こんなものは地球上に35億本はあるのに何を珍しそうにしているやら。
カウンターの前に立つと、バーテンダーは何度か口をパクパクさせた後、言った。
「アンタ、