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フィードバックに腹が立つ理由

フィードバックを受ける、または与える機会があるだろう。

面談やロープレ、営業同行、プレゼンなど、僕も様々な機会で先輩からフィードバックを受けてきた。
あるいは家族から、自分の行動について何か言われることもフィードバックだ。

「スッ」と入ってくるものもあれば、「ムッ」と感情的になってしまい受け入れられないものもあった。

このところ新卒メンバーや1,2年目のメンバーのロープレを1日5本ほど見ており、フィードバックを与える機会が圧倒的に増えた。
「刺さっているのか?」「ムッとされてないか?」とちょっと気になるようになった。

そこで、『THANKS FOR THE FEEDBACK』という本を読んでみた。
フィードバックには3種類あることを知った。

1.感謝のフィードバック
2.指導のフィードバック
3.評価のフィードバック

感謝のフィードバック

「今日のロープレ、がんばっていたね!」「練習していたこと、知っていたよ!」といった、承認を含めたフィードバックだ。「ありがとう!」と伝えることだ。

感謝のフィードバックが抜けると、関係性にヒビが入ってしまう。

リーダーとメンバーとの面談の際を想定しよう。

メンバーは「リーダーから『最近がんばってるね!』と声を掛けてもらえるだろう!」と期待して臨んでいた。

リーダーは「〜については直した方が良い」と具体的な指導のフィードバックだけを行った。

どうだろうか。
メンバーは「そもそも僕という存在がチームで必要だと思われていないのかもしれない・・」と落ち込んでしまうのではないだろうか。
これでは「〜については直した方が良い」という指導のフィードバックの内容がいかに正しかったとしても、感情的になったメンバーの耳に届くことはないだろう。

メンバーに感謝が伝わるように、感謝のフィードバックは具体的に行うと良い。
指導のフィードバックが具体的になりがちで、直した方が良い部分に対する不安や苛立ちなど、負の感情の方が大きく受け止められてしまうからだ。

指導のフィードバック

「〜については直した方が良い」と具体的に指摘し変化を求めることだ。

注意したいのは、「データ」と「解釈」とがごっちゃになってフィードバックされているということだ。

「あなたの営業には積極性がない!」とフィードバックをしたとしよう。

リーダーとしては「ヒアリングを全然してこないから、もっと積極的にヒアリングをしてお客様の言葉で話してもらった方が良い」と思って伝えている。

メンバーとしては「クロージングを全然掛けられなかったから、もっと積極的に商材説明をして営業主導でクロージングを掛けた方が良い」と受け取っている。

恐ろしいことに、導かれる改善点が真逆になってしまった。だが、これは起こりがちなことだ。「伝わったかな?」と聞いて復唱してもらうと、こうして違った「解釈」が返ってくることがあった。

これは、「データ」を伝えず「解釈」を伝えているからだ。
「データ」とは、今回のケースで言うと「営業に積極性がない」と判断した理由だ。もっと具体的に言うと、「ヒアリングを全然してこない」と判断した、「ヒアリングより商材説明の方が長くなってしまっている」という事実だ。

人は「データ」を無意識に「解釈」して抽象的に語ってしまうのでしょうがない。意識して、「具体的には〜」と話してみると良い。

評価のフィードバック

「評価は◎です」「△です、改善が必要です」と評価を下すことだ。

評価のフィードバックを受けること、逆に言い渡すことは、当事者にとって怖いことだ。
だが、評価を含まないフィードバックを受けると、感謝のフィードバックや指導のフィードバックから評価を推理するということが起こる。自分の現状が良いのか悪いのかハッキリしないため、色々な噂やちょっとした仕草から、自分の評価を邪推してしまう。

R社では、フィードバック面談の場でその期の評価がSABなどで示される。その評価の理由も、そもそも目標設定の時点で「〜でA」「〜でB」と決められているためハッキリ伝えられる。
定性的なスキルについても、WillCanMust面談の場でCanについて「できていないこと」をハッキリとフィードバックされるからこそ、次までに意識して直してこようというマインドになる。

フィードバックに腹が立つ理由

言えることは、相手が今欲しがっているフィードバックは何かを伺いながら、この3つのバランスして伝えることだ。
どれかが欠けると、受け手はもちろん「ムッ」とするし、伝え手も「刺さっていない・・?」と不安になってしまうのだ。

フィードバックは、ありのままの自分を変えることを求める。
ロープレをがんばったメンバーにとっては、「ロープレをがんばったことを認められたい欲求」(ありのままの自分)と「フィードバックを受けて学びたい欲求」(変化)とが葛藤する。

この心理状態を理解し、3種類のフィードバックを駆使してコミュニケーションを取るといい。

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