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未来のあの子たちに「これだけの愛があったんだよ」と伝えたい。

「人はいさ 心も知らず ふるさとは……」と、かつてそう詠んだのは、平安時代の歌人、紀貫之でした。

あなたの心はどうなんでしょう。人の心なんてわからないものですが、梅の花だけは昔となにも変わらずに良い香りを漂わせていますね。(※超約)

人の心はわからない。でも考えてみればそうかしれないなあと思います。だって心には色も形もないから。確かめる手段がないから。
和歌も、かつてお互いの見えない心を確かめあうために詠まれたものでした。

だけど、それに形があったらどうでしょう。色があって、形があって、手に触れて確かめられたなら。ずっと先まで変わらない想いに、直接触れられたなら―――。


庵治石ミレニアムラブレター

庵治石ミレニアムラブレターは、大切な人への変わらぬ想いを未来へ残すプロダクトです。
庵治石とは香川県牟礼・庵治でのみ採掘される世界一の銘石。墓石に見られる通り、経年による変化に強く、残されることに価値のある石です。
これを、庵治石の加工アーティスト集団「たぶん、加工。」が脈々と受け継がれてきた伝統の技術で加工し、世界にたった一つの石のラブレターを作り上げます。

今回は、今年の3月、ご主人にミレニアムラブレターを贈った原順子さんに、ミレニアムラブレターに込められたもう一つの想いとその先の未来のお話をお聞きしました。

原さんのミレニアムストーリーはこちら↓



りんごは愛情の形。そして家族の形。

ミレニアムストーリーでご主人との出会いから現在に至るまで、そしてご主人への想いを丁寧に語ってくださった原さん。実は、ミレニアムラブレターにはさらに先の未来を見据えた想いも込められていました。

このもうひとつの想いを、原さんにとってのりんごという存在と、3等分のギミックから紐解いていきます。

「ミレニアムラブレターをりんごの形にしたのは、私がりんごが好きだからです。
小さい頃、私は体がすごく弱くて、体調を崩すたびに母にりんごを食べさせてもらっていたんです。それで自然とりんごを好きになっていて……今思えば無意識にお守りのように思っていたのかもしれません。
昔からキーホルダーとかメールアドレスとか、日常のちょっとしたところにもりんごを取り入れて大切にしてきました。

結婚するときも、主人に「これからふたりでゆっくり愛をそそいで、赤い実のたくさんついたりんごの木になるように力を合わせていこうね」というメッセージを贈りました。母から与えられた愛情のかけらが、今は私の愛情……そして家族を象徴するものになっている。

りんごは私にとって、家族の形なんです。

ミレニアムラブレターを3等分したのは、子どもたちに渡せるようにするためですね。
もちろんこれは主人へ宛てたものですけど、私たちの愛の結晶として、将来的には子どもたちに受け継いでほしいと思っています。

どんなに願っても、私たちはきっと子どもたちより先に死んでしまうから。こんなにあたたかな家庭があったこと。こんな幸せの形があったこと。
「これだけの愛があったんだよ」ということを私たちがいなくなったずっと先の未来のあの子たちにまで伝えたくて、それぞれに渡せるように3等分してもらいました。

<今はこんな風に飾られています。>

名前を彫ってもらったのは、ミレニアムラブレターが完成してからです。柔らかい表現で丁寧に彫っていただけて、子どもたちもすごく喜んでます。
ミレニアムラブレターは、今はリビングの棚の上に飾っています。ここなら毎日家族で集まって、必ず全員が目にすることができるので」(原さん)

<3きょうだい。いつもいっしょにいて、とても仲が良いのだとか。>


ミレニアムラブレターを贈って、これからのこと。

「その後と言っても、変わったことはいい意味で無くて。休日もリビングに集まって家族全員で過ごすくらい、元々家族仲はすごく良かったんです。

何気ない日常のなかで、いつも家族みんなで同じものを見て、同じものを感じられる。それが何よりありがたくて幸せなことだなあと、最近は特にしみじみと感じています。

ミレニアムラブレターは、今はそういう私たちの仲の良さを象徴するものとして家族5人を繋ぐものになっていますね。私自身も、「家族でずっといっしょにいたい」という想いを実現できていて、今、本当に幸せです。

これから先、子どもたちが大きくなって、結婚して、きっと家族も増えていくだろうけれど、同じように家族みんなで仲良く過ごしていきたいですね。子どもたちにも、そんな幸せな家庭を築いていってほしいと思っています。

私が主人と出会って、家庭を持って、今こうして子どもたちと家族5人で過ごせていることが本当に幸せだから。
同じくらい愛情を注いで大切にできる家族と幸せになってほしい。心からそう願っています」(原さん)

変わらない。そう信じる想いこそ愛なんだなあと、この取材を経て思いました。そんな原さんの想いは形を得て、子どもたちの手に受け継がれていく。このミレニアムラブレターは、まるでかつて原さんがお母さまから与えてもらったりんごのように、時を越えて子どもたちを見守っていく、もう一つのラブレターだったのです。

<原さん一家>


たぶん、加工。とは
水晶と同程度を誇る硬度と、唯一無二の模様“斑(ふ)”や繊細な石質による品格、そして希少性。すべてを兼ね備えた香川県高松市東部の牟礼町、庵治町でのみ産出される世界一の銘石「庵治石」。
たぶん、加工。は、そんな庵治石の里の石工たち、讃岐石材加工協同組合 石栄会所属の超石工アーティスト集団。アート、プロダクト、グルメ、グラフィック、テクノロジーなどの様々なクリエイターとコラボレーションすることで、新たな「加工」の価値を生み出す。
「うわ~これすごい!」「かっこいい!」なぜかって?
それ、たぶん、加工です。

https://www.tabunkakou.com/
髙橋 輝(Akira Takahashi)
有限会社髙橋石材
原さんのミレニアムラブレターの製作を担当。
一級石材施工技能士の資格を持ち、釣りとバイクが趣味。


たぶん、加工。ブランドサイト


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