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[SS]居場所

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2022年10月の記事一覧

彼女の背中が闇の中に見える。彼女の視線の先、窓から光が入ります。シルエットが美しい。彼女が女子高生の淫らな恋の話をします。僕は目頭を両手で押さえながら振り返った彼女を抱き締める。僕はTV局まで彼女を送る、2人は理解し合っている様に見えます。彼女は車を降りて舞台は何時と僕に尋ねる。

彼は音さんから聞いた物語、女子高生が空き巣に犯されそうになり刺し殺してしまい日常が全く違うものになった話を語った。音さんは本当に素敵な女性だった。僕は20年過ごせて感謝しないといけない。彼女を知りたければ僕自身を素直に見つめないといけないと伝えた。岬は彼の言葉に嘘はないと言った。

彼に酒を飲みませんか?とBARに誘われた。彼はワーニャと自分が重ならないと話し、どうして僕を選んだんですか?と迫った。自分を変えたい、真剣です。僕はホテルまで送るよと言い、車の中で音が浮気をしていたと、それでもお互いを愛していたと伝えた。彼は音さんに聞いた話を喋って良いか尋ねた。

岬さんは本を読んでいる。2人の女優は演技を始める。内容はよく覚えていない。手話と韓国語しかわからない女性と英語しかわからない女性、2人は人生が上手くいかないみたいでお互いに相談しあう。お互いの苦しみを抱き締めた時に僕は声を掛けた舞台でも特別な体験をしよう。彼にも演じてみてと促す。

僕はメンバーにただ本を読んでもらう。僕も車の中でセリフを何度も復唱する。本の全てを理解する為だ。メンバーにも同じ様に取り組んで欲しい。僕の本読みは何日も続きメンバーも身体を動かしたい。ある日の午後、野外で稽古した岬に見てもらう為だ。岬も子供の頃から母の前で演じないといけなかった。

オーディションが開かれ、僕は俳優の演技を見ている。オーディションは演じたい役と場面から2人組で演じてもらう。彼は僕に再会できて嬉しかった。僕も彼のことを覚えていた。音に紹介された事がある。彼の演技がとても強引だったので途中で止めた。僕は彼が自分をコントロール出来ない所に惹かれた。

編み物が好きな女性2人の想いを描いた。想いから仕事へ、現実感の中で課題が生まれる。彼女達は再び仕事を想いに変えられるだろうか?思いばかりだと夢みがちな少女と言われ、仕事ばかりしても他人は見てくれなくなる。バランスが大切だ。彼女達は、夢を現実にして人々を物語へ導くことができるのか?

母の手はまるで魔法、迷いなく糸をかけていきます、どうやって糸をかけるのか?不思議でした。ダダダーッというミシンの音、止まらないで行け行けー、直線が長いほど爽快です。母が作ったものを褒められて心の中で私のお母さんは凄いんだよと思いました。子供だった私に優しく手芸を教えてくれました。

私はアンティークレースが好き。繊細ではかなくて一本でもどこかに引っ掛かってしまえば解けそう。ものに対する愛着と価値を育てたい。視界は良好です。短く切った前髪のおかげ、全てを五感に焼きつける。お花の髪飾りをオーダーした、完成まではロマンティック、ふわりと浮かぶ柔らかい糸屑が繋がる。

僕は彼女にお酒の勉強ってどんな事しているの?って聞いた。彼女は離島の生活に興味があると伝えた。お酒飲めるの?飲めないんですと答えた。僕は笑った。彼女にどうして離島で暮らしたいの?生活の速度が少し違っていて、毎日の生活を心の中でもっと感じたいと話した。僕と少し似ているなと思ったよ。

沖縄本島の大戦で多くの日本人が亡くなった。僕の祖父も沖縄戦を戦い多くの友人を失った。僕も小さい頃は祖父からよく戦争の話を聞かされた。子供ながらに2度としてはいけない悲しみを祖父の態度から感じた。お盆は特別な想いがある。親戚が集まり、歌を歌い酒を酌み交わし冗談を飛ばして笑う。感謝。

木曜日の朝、ワゴンで食材の販売をする。数ヶ所を回る。この離島にはそんなに沢山の人は住んでいない。生活をするのに多くの人に支えられていると肌で感じる。食材の運搬も本当に感謝している。家から漁港まで自転車で行く、太陽光が眩しくて潮風の臭いがする。水平線の向こうにフェリーが見えるんだ。

友人から明日、zoomで会議するからと連絡があった。僕も決まった時間に参加すると学生を紹介された。僕は自分の正直な気持ちを彼女に伝えた。真剣に焼酎作りに取り組んでいるので間違いをおかしたくないと言った。彼女は作業の邪魔をしないし私にも情熱がある。必ず力になれる自信があると話した。

9月、サトウキビの収穫も終わった。作業は機械化されていて順調に進んだ。収穫量も父の頃に比べて少なくなった。本島で酒作りをする身内から、東京で焼酎作りを研究している若者が実際の現場を見たいから協力してくれないか?と相談、僕は遊びで仕事をしている訳でないから引き受けられないと断った。