年に1回 見れる時期は毎年ズレる絶景 八幡平ドラゴンアイを見てきた!
岩手と秋田の県境に位置する八幡平では,毎年雪解けの時期になると「ドラゴンアイ」という自然現象が発生する.ドラゴンアイとは,八幡平山頂付近にある沼のひとつである鏡沼が,雪解けの途中でその名の通り龍の目のような形に見えるというものである.
その存在を知ったときは,自然現象の不思議さに加えて,本当に龍の目のように見える写真の美しさに圧倒され,今年は行くぞと決意していた.
今年は暖冬の影響か,開眼(龍の目に見える時期)が早まっていた.例年だと5月下旬から6月上旬に開眼することが多いが,今年は5月の上旬には眼の形ができていた.
過去のドラゴンアイの中でも特に綺麗に見えた2016年も,暖冬であったらしい.そして眼の形のでき方も,2016年のものに似ているということで,期待が高まる.
しかし,5月の中旬には開眼かなと思っていたが,なかなか中央の「瞳」が出てこないようであった.そして先週末,ようやく中央の雪が解けてきて,瞳が現れたということで,満を持して八幡平へと向かった.
Fly to Akita
横田基地の友好祭を訪れた後,そのまま羽田へ赴き,夕方の便で秋田へと向かう.八幡平は岩手と秋田の県境に位置するが,どちらかと言えば岩手の盛岡のほうが近い.それでも秋田へと向かったのは,夜のうちに盛岡へ移動し,翌日は盛岡から秋田へと八幡平を経由して抜けてゆきたいと思ったからである.
八幡平
盛岡からは,八幡平アスピーテラインという道を通って八幡平へ向かう.八幡平の手前は夜間通行止で,朝8時半になると通行止が解除される.
ちょうど開眼が日曜日と被ってしまい,混雑が予想されるからと8時過ぎには着くように向かうと,通行止のゲートの2kmほど手前に最後尾.驚きである.
その長さの車列であるから通行止解除後も駐車場渋滞で,11時頃にようやく駐車場に入ることができた.
早速,頂上入口から遊歩道を歩き進める.入口付近は石畳の小道であるが,少し進むと雪道である.5月も下旬になろうというのに,この雪の量には驚きである.
雪の上を歩いてゆくと,開けた場所に出た,と思ったら目の前に巨大な瞳が現れた.
これが八幡平ドラゴンアイである.想像以上の大きさであった.さすがドラゴンの眼である.写真ではわからない,スケールの大きさに息を呑んだ.
雪解けの時期にはドラゴンアイと呼ばれるこの沼だが,正式名称は鏡沼という.
ドラゴンアイを進んだその先,鏡沼の隣には,めがね沼がある.鏡沼は雪解け水が美しい青色になるのに対して,めがね沼はすぐ隣にあるにも関わらず,緑色に染まっている.なんとも不思議な現象である.
やはりドラゴンアイ目当ての人が殆どであるからか,ドラゴンアイを過ぎると人が減る.しかし私はせっかくなので八幡平を登り進める.
めがね沼から暫く雪の上を歩いて10分ほどで,八幡平の山頂にたどり着く.
頂上から折り返して同じ道を戻るのもつまらないので,その先を歩き進める.人の足跡とピンクのリボンを目印に,一面の雪景色の上を歩いてゆくと,鏡沼やめがね沼とは比べものにならないほど広い沼が2つ現れる.右手の沼がガマ沼,左手の大きいのが八幡沼である.
ここからはガマ沼の横を通り入口に戻るルートと,八幡沼の外側を大回りするルートにわかれている.もちろん,距離の長い八幡沼大回りルートを進んでゆく.
八幡沼の西端から東端まで進むと,さらにまた分岐が現れた.一方は入口へ戻るルート,もう一方は源太森という山へ向かうルートだそう.
源太森までは大した距離では無かったので,せっかくだからとそちらへ向かった.
源太森からはさらに進んで黒谷地という湿原へ行けるそうだが,そこまで進むとアスピーテラインの麓であり戻るのが大変そうなので,源太森の頂上で引き返した.
分岐点に戻って,入口方面へ歩いてゆくと,岩手と秋田の県境,見返峠にたどり着く.
見返峠からはもう雪の残っていない,石畳の遊歩道を10分ほど歩いて下ると,駐車場に戻ってくる.
宝仙湖・秋扇湖
14時を過ぎているにも関わらず,いまだに駐車場渋滞の続いているのを横目に,八幡平を離れて秋田方面へと向かった.
後生掛温泉や玉川温泉のある火山地帯を進みながら八幡平を降りると,道路は宝仙湖という湖の横を通る.湖上の橋を渡っているときにちらっと湖を見てみると,新緑とターコイズブルーのコントラストが目に映る.急ぎ車を端に寄せて,湖を見にゆく.
この先の,宝仙湖の隣にある秋扇湖には,水没林が見られる有名な橋がある.そこに立ち寄るつもりで車を進めていた.それにも関わらず,その手前から,美しい色に染まった景色を見ることができた.
もちろん,目的の橋,新玉川大橋にも立ち寄る.こちらも宝仙湖同様に見事なターコイズブルーであった.
田沢湖
秋扇湖のさらにその先には,日本一深い湖として有名な,田沢湖がある.こちらも,宝仙湖や秋扇湖ほどではないが,美しいブルーの湖であった.北海道の摩周湖が「摩周湖ブルー」と呼ばれるように,こちらも田沢湖ブルーと呼んで遜色ないほどである.
Fly back
そして田沢湖から秋田空港へと戻ってきた.八幡平だけでなく秋田の湖にも立ち寄れて,充実した旅であった.最後に空港のレストランで食事を取り,羽田へと戻った.
ということで,ずっと気になっていた八幡平のドラゴンアイであったが,想像以上の混雑であったものの,美しく不思議な自然現象を目の当たりにすることができ,とても貴重な経験になったと思う.
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