Note31: インレー湖(2011.6.6)
【連載小説 31/100】
インレー湖の風物詩ともいえるのがインター族の漁風景。
細長い小舟の端に片足で立ち、もう一方の足で櫂を操る独特の漕法で湖面を移動し大きな籠を水に沈めて湖魚をとるシンプルなスタイル。
ひとりの漁師が大きな湖の上で微妙なバランスをとりながら、水面下を泳ぐ魚たちと対峙する。
その静かな駆け引きの成果が日々の糧を待つ家族の生活に直結する意味においてこの「漁」は「猟」である。
見ている側には風情あふれる光景でありながら、当の本人にとっては真剣勝負。このヒ