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ラオス旅行記:さようなラオス 波乱の越境編

先日あまりにも自分の中で思い出に残っている、ラオス・ルアンパバーンでのとあるトラブルについて書いた。

実はこれ、すごく中途半端なところから書き始めてしまったので、ここで一度旅の全容について説明させてほしい。

東南アジア縦断計画

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旅の始まりはベトナムの首都ホーチミン、そこからハノイまで北上しベトナムを縦断後、ラオス、タイを通過し、そのままマレー半島を陸路(マレー鉄道)で南下する。
シンガポールまで到着したら飛行機でオーストラリアに飛ぼうという計画だ。時間は特に決めていないけれど、今は夏休み。
大学の後期が始まるまでには帰ってきたい。費用についても、バイトでコツコツ貯めた貯金を切り崩しながら、無くなった段階で帰国しようと考えている。なので帰りの飛行機のチケットはまだ取ってない。
なぜベトナムスタートなのかというと、沢木耕太郎信者の僕がまたしてもこの本に感化されていたのは言うまでもない。
あとは自由気ままに東南アジアを放浪してやろうという作戦だ。

ベトナム旅行記については別の記事で書くとして、ラオスのヴィエンチャンより続きについて綴らせてほしい。


ヴィエンチャン

ルアンパバーンから移動してきた後、ヴィエンチャンに到着した。チベット高原に源流を発し、渓谷の中を悠々とうねりながら山々を削りとるように流れ、南シナ海へ流れ込む大河メコン。

全長4800km、流域面積は日本の国土の2倍もあるこの大河を挟んで、タイとの国境に面するのがラオスの首都・ヴィエンチャンだ。雄大なメコン川に比べて、この国の首都はこじんまりとしている。人口は約80万人と日本の福岡市と同じくらい。

観光するところもあまり多くないと事前に調べていた僕は滞在をざっくりと2日と決めて見て回ることにした。
この小さな首都だが、街の中心部南から一本メインの通りが走っており、その通り沿いにショッピングモールや商店が立ち並んでいる。またその通り中央には、どこかで見覚えのある凱旋門が建てられている。

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『パトゥーサイ』(勝利の門)の名を冠するこの門は、1960年代にラオス内戦の終結と外国軍の撤退を記念して建設が始まったらしい。まだ、完成していないとの事だが、何が未完成なのかも正直分からなかった。
あのオシャレ大国フランスに喧嘩を売ることにならないのか、と初めて見た時は心配になったが、凱旋門脇に植えられたヤシの木ナポレオンの代わりに彫られたお釈迦様がどことなく愛嬌を醸し出しているのできっと大丈夫なのだろう。個人的にもパリの威厳ある凱旋門よりもとっつきやすい感じがあって気に入った。
(そういえば、南から走るこの大通りもシャンゼリゼ通りを模して建設されたのかな。とか考えたりもする)

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噴水前は憩いの場になったりしている

凱旋門を見た後に、街をプラプラして散策してみると多くの寺院を見かける。仏教徒であるラオスの人々は信心深く、日常的に寺院にお参りをする文化が根付いている。
また、早朝には「托鉢」と呼ばれる、修行僧が街中を練り歩き人々からお布施や施しを受けて回る慣習があったりもする。(托鉢については写真がないのでこちらを参照)


日本ではあまり熱心ではないのだけれど、今回僕自身もふらっと寄った寺院で、少しのお布施をし、お経を唱えてもらうことにした。寺院に入り、若い僧侶の前に胡坐をかいて座る。蒸し暑い東南アジアでは、寺院の床はひんやりとしていて心地いい。

読経が終わると、頭に花びらと水を数滴かけられ、手首にはオレンジと白の糸で編んだミサンガのようなものを結ばれた。
外国人が読経を受けている姿が珍しかったのか、近くで微笑んでこっちを見ているおばちゃんに話を聞いてみると、邪気を身体から排して精霊を身体に留めておくという意味があるらしい。
旅の中で薄汚れている僕の体に結び付けられる精霊も気の毒だな、とか思いつつも、結局このミサンガはその後の旅中ずっと着けていた。特に大きな怪我もなく帰国できたのはこのおかげだったのかもしれない。

コプチャイ!

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訪れたワット・シームアン。内装が煌びやかなので女性に人気らしい。


さようなラオス

ヴィエンチャンから南下していくにあたり調べてみると、ここからまず向かうべきはタイのウドンタニーみたいだ。エスニック料理続きで、字面を見るだけでうどんを渇望!という話は置いといて、越境できる直通バスがあるということに驚いた。日本にいると、基本的に飛行機で国境を越えることしかない。一度、タイ・カンボジア間を越境したこともあるけれど、その時は複数のミニバンを乗り継いだ。

バスチケット売り場はいくつかあるみたいだけど、僕はシャンゼリゼ......いや、大通り沿い、のショッピングモールに隣接したチケット売り場で購入した。(MAP
22000kipなので日本円で約260~280円(祝日は24000kip)。安い!
朝8時から18時まで1時間に1本ずつくらい出ているので、出発の日の当日に「Vientiane Capital Bus Station」(MAP)という国際バスターミナルで目的のバスを現地の人に聞きながら乗車。車内は平日ということもあり空いているが、チケットには自分の座席番号が書いてあるのでそこに着席。定刻からしばらくして出発し、バスは市街を抜けて田舎道を抜けて走っていく。

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ラオス側の出国審査ゲートにつくとバスの運転手からこんな案内が。

「貴重品以外の荷物は置いてっていいよ!」
35リットルのバックパックと小さなリュックを持っていたので、大きい方のバックパックはバスにおいていくことに。

onewayパスというゲート通過用のチケットを購入し、出国審査ゲートまで進むと大量の人が並んでいる。乗ってきたバスには全然乗客いなかったのに!

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激混み。そしてみんな身軽

この行列に並んでいると、さっきまで乗っていたバスがボーダーを越えてタイ側にはしり去っていくのが目に映った。

あれ?バックパック乗ってるよ?ウドンタニまで連れて行ってくれんるんじゃないの??

焦りに焦ってきた。一人旅だと不意にこういう事が起こるとものすごい焦る。周りの人に聞こうにも、ウドンタニ―行き以外のバスもあるしどの人がどのバスで来たのか分からない。

先日iPhoneを失ったばかりなのにここでついに小さいリュック一つになるのは嫌だ!
そんな泣きそうな気持ちから、出国ゲートを越えた僕は一心不乱にバスを探し、周りの人に手当たり次第聞いていった。
そうすると何人かの現地の人が口々に「これに乗れ!」と言い、小さなバスを指す。ヴィエンチャンから乗ってきたバスよりだいぶ小さい市営バスのようなものに人がぎゅうぎゅうに乗っている。
言われるがままそのバスに乗ると、みんな現地の人が「どこから来たんだ?」とか「今何歳?東京はどんなとこなの?」と聞いてくるので答えるが心はそれどころではない。こちとら泣きそうなのだ。日も落ちかけてきた。ヤバい。

この文章の冒頭にメコン川がラオスとタイの国境になっていると書いたのだけれど、間には友好橋がかかっていて各入国・出国審査場の間は数km離れている。実は今、僕が乗っているのはその間を行き来するシャトルバスのようなものだということには後で気づくことになる...

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ラオス側の入国審査場に比べるとかなり綺麗で大きいタイ側の入国審査場に到着し、いまだ落ち着かない気持ちのまま入国審査を終える。

ふらふらと建物を出ると、見覚えのあるバスの運ちゃんが!

「いたいた!日本人の男の子がバスを探してるって聞いたんだよ!」

その言葉を聞いて、そのまま運ちゃんに飛びつきたい気持ちになった。(この運ちゃんが何かしたわけではないのだけれど)
誰だかあのシャトルバスで話した人の中に、先に入国ゲートを越えて情報を伝えてくれた現地の人がいたということだろう。

助かった!座席を見るとバックパックもしっかりある。
自分で勝手に焦って勝手にハラハラしていただけなのだけど、旅の中でこういう時に人の優しさを感じて、国を越えた人の優しさを感じる。
そのまま無事ウドンタニ―に到着し、宿にチェックインすることができた。夜のウドンタニ―を見て回る余裕もないくらい疲れていた。

怒涛のラオスだった。まず向かうはバンコク、待ってろシンガポール。

そんなことを考えているうちに眠りに落ちていた。
(続く...)


<おまけ>

ラオスの女性と結婚した友人が、ラオス情報をYouTubeで発信してます!

ラオスの事もっと深いとこまで知りたい人は、面白いので是非見てみてください☟^^

https://www.youtube.com/channel/UCu6a1ph3CgWrK_IyHHBTXeg/videos

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ライター:はなおか
個人note: https://note.com/hackmyself



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