見出し画像

フェーズ7.ダイバーシティが実現され、組織力が強化される

さて、LGBTが特別扱いされなくなると…、組織は強くなります。きっと、この頃には、「うちの組織って、色んな人がいるよね」「うちのチーム、まさに多様なメンバーの集まりだよね」といった認識が強まります。

互いに一定の配慮を念頭に置きながら、必要以上に特別扱いをし合うことがなくなるので、仕事も進めやすくなります。

「ねぇ、渡辺さんは、この件について、どう思う?」と訊かれることも増えます。「そうだなぁ…」と考える私は、自分ひとりの中にも多様性があることに気づきます。「30代の一人としては、こう思います」「男性の立場では、こんなことも考えます」「でもマイノリティとしては、ここが気になります」「ちなみにずっと関東で生まれ育った身としては、こう感じます」そんな風に、一人の人間の中にも、様々な立場や属性があることも見えてきます。

■多様な世の中に向けたサービスや商品を売り出す際に、ダイバーシティの視点を持つことは、とても大事

組織として、ビジネスパーソンとして、多様な視点を持つことは、とてもいいことです。

世の中には様々な人がいます。その多様な人に向けたサービスや商品を売り出していくならば、多様性を理解する必要があります。

「一部の男性には売れるかもしれないけれども、女性からは反発をもらうのではないか?」「子育てをする親の立場では嬉しいけれど、子育てをしない人に不快な思いをさせるのではないか?」「もしかしたらマイノリティの人にとっては、喜ばしいサービスではないか?」

職場のメンバーと、そうやってワイワイガヤガヤ議論をできることは素晴らしいことです。最終的には、組織は、あるターゲットの顧客・消費者に対して、サービス・商品を打ち出していくことと思いますが、それでもリスクや見えにくいニーズ(または顧客ターゲット)に対して多様なメンバーで議論しておくことは重要です。

■ダイバーシティ推進は、一人ひとりに、「働くとは?」を考えさせるきっかけを生み出す

もうひとつ、ダイバーシティ推進が組織にもたらすメリットがあります。

それは、全従業員が、「働くとはどういうことか?」を考えるフェーズが訪れる、ということです。人には様々な事情があります。子育てをする人、介護をする人、自身の持病と向き合う人、特別な事情を持つ人…。誰一人、実は「普通の人」はいません。一人ひとりに目を向ければ、人には皆、何かしらの事情があります。

その現実を踏まえたうえで、「どうやって組織を作っていくか」「どうやって成果を出し合っていくか」「どうやってチーム形成をし、互いに助け合っていくか」を考えていくことが大切です。

■ダイバーシティを踏まえて、組織・チームをつくるとは

よくダイバーシティというと、「人に優しく」とか、「人に理解・配慮を」とか、そういったニュアンスやイメージを打ち出す組織や人もいますが、私はもっと本質的な議題があると思うのです。それは、「人は皆、違う」ということを踏まえ、「その異なる人たちが集まって、ビジネスシーンにおいてチームを組むとはどういうことか」を考えることだと思うのです。

属性や特性がそれぞれ異なることを前提に、一人ひとりが、「自分にできることは何か?」「自分にはどんな価値創造ができるのか?」を考え、またそれを発信して、協力し合っていくことが求められます。

私は、これができる組織やチームは、強いと思うんです。

メンバー同士が互いに互いをよく理解していて、強みを発揮し合い、弱みをカバーし合う。そうすることで競争が激化するビジネスシーンで活動しつづける組織を経営し、運営していくこと。これこそが、ビジネスにおけるダイバーシティのひとつのゴールではないかと思います。

■ゲイであることをカミングアウトしたことで、見えてきた世界

私は自身がゲイであることをカミングアウトしたことにより、色々な人のカミングアウトを受けるようになりました。

「実は僕、ゲイなんだ」と打ち明けたことで、周囲の関係者から、「実は私は…」「実は俺…」といった具合に、色々な情報を共有されました。それはとても嬉しいことで、「そうなんだ! じゃぁ、こういう時、意見を求めてもいい?」とか、「そうなんですね! じゃぁ、その立場から気になることがあれば、是非、声を挙げてくださいね」とか、そんな会話を増やすことができたように思います。

LGBTがカミングアウトした組織の全てが、私が経験した組織やチームのように、うまくいくかどうかは分かりませんが(責任は持てませんが笑)、カミングアウトをひとつのきっかけに、組織が変わっていくこと、関係者の考え方や働き方が変わっていくことは、何も不思議ではありません。

■まとめ~最後までお読みくださり、ありがとうございました!

長文になってしまいましたが、この私自身のカミングアウトの経験が、そして、そこから始まった組織・チームの変化の事例や物語が、皆さんにとって、何かしらの役に立てば幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

是非、コメント、感想、皆さんの体験談や経験エピソードも共有いただけたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?