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エッセイ

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#思い出

noteのおすすめ記事に選ばれたことを母に報告してみた。

noteのおすすめ記事に選ばれたことを母に報告してみた。

先日投稿しました「私の料理が美味しくなるまで」について、当事者である母に、たくさんの方に読んでいただいたようだ、と報告しました。

「えっ!? 何書いたん!!」

と、話し始めた最初はよくある「あんたまたいらんことして!」的なニュアンスで責められかけましたが(これでも私はもうそこそこええ歳なんですが……)、私が昔は自分の料理が美味しくなかったことを知っている母でしたので、美味しくなったきっかけにつ

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他人から聞いた自分の幼少期のエピソードを書き連ねていく

タイトルそのままです。
恐らく大方の人が「あなたが子どもの頃はこんなことを言って/やって〜」と言われた経験があるかと思います。
そんな自分のエピソードを聞かされた記憶の限りまとめてみました。

■2〜3歳頃:「お手紙」を何度言わせても「おてみあじ」と言う。父「おてがみ」
私「おてみあじ」
父「お」
私「お」
父「て」
私「て」
父「が」
私「が」
父「み」
私「み」
父「おてがみ」
私「おてみあじ

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自由を求めて

自由を求めて

「舞台」を最も身近で言えば、学校の行事。
後ろの席のいわゆる不良の同級生に椅子を蹴られるのを耐えながら見るもの。

あるいは大人の趣味。都会に住んでいてばりばり働いている大人が仕事終わりや休日に楽しむもの。

そんな私は地方住み。公演が行われる会場にたどり着くのに一時間以上かかる。ただでさえ交通費で圧迫されるのに舞台のチケットなんてとてもとても。
けれどそれはつまり「見たい」という願望にほかならな

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髪を染める日

髪を染める日

私の黒髪は硬い癖毛で。
どんなにドライヤーやヘアアイロンや整髪剤を使ってもまっすぐにもさらさらにもならなかった。美容院で縮毛矯正をしてまでまっすぐにしても、前髪だけがおかしな方向に跳ねた。

可愛い子たちはみんな、さらさらの髪をして、流行りの髪飾りをつけていた。ヘアピンを巧みに操り、毎日がパーティのような、いや、パーティにしてしまうような、学校生活を楽しく過ごすための魔法めいたもので自分たちを飾っ

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爪先のひみつ

「マニキュアは赤がいい」と言ったのは母でした。

いまほど暑くなかった時代の夏休み、周囲の友人たちは鮮やかに染めた爪先を見せつけるようにサンダルを履いていて「あんたもすれば?」と母が言いました。

「塗るなら赤がいいよ」
「嫌だ。青がいい」

その頃の私は「女の子っぽいもの」を毛嫌いしていました。赤、ピンク。スカート。飾りのついた髪ゴム。きらきらした文房具。連れ立ってトイレに行くこと。好きな男の子

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