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人を見下してしまうとき、自分でできる対処法は?

人間ですから、誰もが人を見下してしまった経験があるのではないでしょうか。とはいえ、見下してしまう傾向がある人は劣等感や嫉妬を抱いていることが少なくないです。優越感や承認欲求を満たすために自分より下の人を探してしまいます。

マウンティングという言葉がありますよね。これは、自分が人よりも優位、上の立場であると示すことによって自尊心を満たし、ストレスを発散する行為です。

見下すことによって自尊心を満たすことは、あまり健全とはいえません。人間関係が不安定になりますし、仕事やプライベートにも支障がでます。

見下してしまう傾向がある人は精神的に未成熟かもしれません。見下してしまうことを自覚していて、それを治したいと考えていることは素晴らしいことです。これから人間的、精神的な成長ができます。スモールステップで取り組んでいきましょう。


■STEP1:まずは「セルフモニタリング」をやってみましょう

①見下してしまったことにリアルタイムで気づく

まず、取り組んでいただきたいのがセルフモニタリングのトレーニングで、これは自分が人を見下してしまった瞬間にリアルタイムで気づくということです。

自分はこの人を見下しているんだなぁ~と、もう一人の自分が自分を眺める感覚です。見下していることに気づかなければ対処できませんので、まずは、このトレーニングをしてみてください。このセルフモニタリングだけでもかなり効果があります。

②見下してしまったときの状況を具体的に書き出してみる

次に、見下してしまった瞬間のことを具体的に紙に書き出し、整理しましょう。

【例】
いつ:○○年○月○日○○時○○分
どこで:職場の会議室
誰に:同僚の○○さん
見下したきっかけ:会議で××の発言をした時

③その時の自分の体験も書き出す

最後に、その時の自分の体験を書き出します。

【例】
認知:またズレた発言をしている。意味が分からないな・・・。
感情:優越感、罪悪感、自己嫌悪
行動:嘲笑してしまった
身体反応:少し重い感じ

※相手を見下した態度や行動は、自分も相手も傷つきます。建設的な行動をしていきましょう。

セルフモニタリングの結果をもとに、内省しましょう

このように書き出して整理しておくことでデーターベースができてきます。同じような状況になった時に対処しやすくなります。

紙に書いたことを見返し、その場面をリアルに思い出して、どうして見下してしまったのか内省してみましょう。心に問いかけてみましょう。
見下された相手はどんな気持ちなのか、自分が見下されたらどんな気持ちなのかイメージしてみてください。

■STEP2:人を見下してしまった自分に気づいた後の行動は?

感情や身体反応は変化させることが難しいです。
たとえば、ものすごく緊張しているときに感情をコントロールしてリラックスすることはなかなかできませんよね。
身体反応についても、血圧や心臓はコントロールできないですよね。

まずは深呼吸。その後、見下してしまった人に対して誠意をもって行動する

人を見下してしまったことに気づいたら、まずは難しく考えずにその場でゆっくり呼吸してみましょう。
その後、認知と行動にアプローチしていきます。

見下してしまったことに対して自分にダメ出しすると悪循環にはまります。
頭の中で見下してしまったとしても、その人に対して誠意をもって行動してみましょう。行動によって認知や感情が変化します。見下してしまって罪悪感がでたとしても、誠意ある行動をすることによって罪悪感が減少します。

【例】見下してしまったことに気がついた後、取る行動

●認知的アプローチ
相手の良い点を考える/楽しいことを考える/見下すことを改善するトレーニングのチャンスととらえる/自分の身体反応に意識を向ける/やむなし、人間だものと受け入れる

●行動的アプローチ
ゆっくり深呼吸する/笑顔になってみる/背筋を伸ばす/その場を離れる/手をグーパー、グーパーと握ったり、開いたりする

豆知識:「認知」とは?

認知とは、頭の中で体験していることです。たとえば、言葉で考えることだけでなく、イメージ、記憶(知識)も認知に含まれます。
頭に浮かんでくる考えやイメージのことを「自動思考」といいます。認知を深さで分けた場合、浅い部分が自動思考です。たとえば、「この人は私より劣っているなぁ~」と、見下しているのは自動思考で考えの浅い部分です。

「この人は私より劣っているなぁ~」という自動思考の背景にある深い部分を、価値観や信念、ルールなどをひっくるめてスキーマ(中核信念)と呼びます。このスキーマは子どもの頃から培われてきたもの、自分のアイデンティティーみたいなものです。この部分を変えようとすると、自分を大改造するようなものなので、ものすごくエネルギーがかかりますし、心が不安定になる場合もあります。なので、まず認知や行動で対処していきます。

■STEP3:自己受容トレーニング

あるがままの自分を受け入れます。自分を良い悪いで評価せず、ただ、そのまま受け止めていくことです。「評価しない」「ほめもしない」「ダメ出しもしない」のが大きな特徴です。
見下してしまうという、あるがままの自分を受けいれていくことによって、少しずつ相手のこともあるがまま受け入れることができるようになってきます。

人間として成熟してくると、自己受容できるようになってきます。自己受容できるようになってくると、他者受容もできるようになってきます。他者と自分を比較しなくなり、人を見下すことが減ってきます。
そして自分で自分を満たすことができるようなってきます。

以上のような3つのステップを試行錯誤しながら取り組んでいくことで、見下してしまったた時の対処スキルがアップしますので取り組んでみてください。

自分はあの人に見下されているな…と感じた時は?

■心の距離をとりましょう

見下してくる人とはできるだけ距離をとりましょう。あまり関わらない方がいいかと思います。とはいえ、仕事だとそうはいかないこともあるので悩ましいですよね。

・できるだけ関わらないようにし、心の距離をとりましょう
・見下されたときはできるだけ、毅然とした態度をとって、言うべきことは伝えましょう
・この人は生きづらさを抱えているんだなぁ~、劣等感や嫉妬で苦しんでいるんだなぁ~、他者からの承認を求めているんだなぁ~などなど、相手に対して慈愛の気持ちを持ってみましょう。

余裕があれば、○○さんが健やかで幸せでありますように。苦しみから解放されますようにと心の中で呟いてみましょう。

■見下されているストレスに対処するには

見下されてストレスになったと時はこのようなコーピング(ストレス対処)をしてみましょう。

認知的コーピング:好きなものやリラックスすることをイメージする/考え方を変えてみる/自分をなぐさめる
行動的コーピング:趣味をする/運動する/自分を癒やす/おいしいものを食べる/友達と話す

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