シェア
T-Akagi
2021年8月1日 15:49
#1 宇宙をお散歩していたら... 無重力は楽しい。何でもぷかぷかと浮かぶ。 だから、宇宙を散歩するのは大好きだ。今日も少しだけ散歩しよう。「宇宙は綺麗だなぁ。」 宇宙では大声で独り言を言っても、外に声が漏れることはない。外には誰もいないし、何てったって真空だから。「また言ってる。よくもまぁ、毎度毎度感動出来るわね。」 外に声が漏れる事はないけど、隣にいる人には丸聞こえだ。
2021年10月10日 17:16
#10 宇宙船へ戻れ 時計店を後にし、地図を眺めつつ周囲に気を配る。 所々に戦闘の爪痕が残っている。しかし、それより兵士に見つかると何かとややこしい。それに脱走した事を周知していれば、再び捕まりかねないからだ。「知ってるか。捕虜が脱走したらしいぞ。」「知ってる知ってる。」「変なヤツだったらしい。この星の者ではないとか何とか。武装はしてなかったらしいし、収容所の物を獲ったりしてないらしいか
2021年10月22日 13:47
#11 ヒューゴ少年と虎のピケ すぐ後ろから虎が付いて来ている。 その虎は、横にいる少年ヒューゴの相方ピケだ。 少年に飼われているとはいえ、虎は怖い。野性ではないとはいえ、何かの拍子にパクっといかれるかもしれないという恐怖はある。 それでも、まぁ、後ろをついて来るだけではあった。「ヒューゴ君、あとどれくらい?」「もうすぐ一つ目の関門がある。そろそろ見えて来る頃。あ、あれあれ。」
2022年3月4日 16:02
#27 ピケ マークは、一歩一歩しっかりと歩いた。 あと9m。あと8m。あと7m。 着実に進んでいる。向かいにいるレイニーの顔も近づいて来た。 しかし、ここで遂に起こって欲しくない事が起こってしまった。『逃がさないよ。』 さっきまで光がぶつかりあっていたはずだが、今では空洞の中に響いていた轟音もなくなっていた。 そして、真横に紫の魔女が迫っていた。『一歩でも進んだら、どうな