西條貴則

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  • 理学療法士、スポーツトレーナーの現場で役立つ基礎知識

    • 73本

    解剖・運動・生理学、医療的な知識など現場で役立つ基礎知識をまとめています

最近の記事

終わりを意識する

はじめに火事場の馬鹿力ということわざを聞いたことがあるかと思います。 火事のときに、自分にはあると思えない大きな力を出して重い物を持ち出したりすることから》切迫した状況に置かれると、普段には想像できないような力を無意識に出すことのたとえです。 僕は最近転職をしたのですが、以前勤めていた職場を離れると決まった時に「まだやり切れていないことあるな」とか「この状態で職場を去るのは嫌だな」と感じることが多かったです。 その際に、普段であれば「いつかやれればいいか」と思っていたこ

    • 「共感する」と「受け入れる」

      はじめに 「共感する」と「受け入れる」あなたはこの言葉の違いに関してどのようにとらえますか? 僕自身この言葉の違いについて整理してから人と話すことが楽になったことがあったので今回はこの言葉の違いについてまとめていこうと思います。 「共感する」と「受け入れる」の違いとは「共感する」とは 他人の意見や感情などにその通りだと感じること。とあります。 「受け入れる」とは 調べてみると人の主張や要求を聞き、それを承知・容認すること、聞き入れる事とあります。 また、この「共感する

      • 交代浴

        交代浴と聞くとアスリートが疲労を早く回復させるために行っているものという印象が浮かびますが、普段トレーニングを行っていなくても疲れがとれない様な人にも効果があると最近知ったため今回は交代浴についてまとめていこうと思います。 交代浴とは 交代浴とは簡単に言うと温かいお風呂と冷たい水風呂に交互に入る方法です。 交代浴をすることで自律神経が整ったり、血流の改善により疲労や浮腫みがとりやすくなるといった効果があります。 交代浴の効果・疲労回復 冷水によって血管が収縮し、温水によ

        • 頭痛

          はじめに頭が痛いと訴える患者さんは少なくないと思います。 ただ頭痛といっても調べていくと、種類が何種類かあり、原因も様々でした。 そこで今回は頭痛の種類や特徴、発生メカニズムについてまとめていこうと思います。 片頭痛特徴 こめかみから目にかけて、片側を中心に、時には両側や後頭部までも脈打つように起こります。 動くと痛みが増しひどいときには吐き気や嘔吐をすることもあります。 頭痛の前に生あくびや首筋の張り、空腹感などの予兆を伴うことが多く、1~2割の人は頭痛の前に、

        終わりを意識する

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          筋力増強訓練

          リハビリで筋力増強訓練を行うこともあるかと思います。 その際の負荷設定や期間はどう設定しているでしょうか? 今回は筋力増強に必要な負荷量や回数、期間などをまとめていこうと思います。 筋力増強のメカニズム筋力トレーニングを開始して比較的初期における筋力の増加は筋繊維を収縮させる神経系の向上により、より多くの筋繊維が収縮することで起こります。つまり、神経から筋への命令がうまく伝わるようになるのです。 次に起こるのが筋繊維1本1本が肥大化する「筋肥大」です。トレーニングで筋

          筋力増強訓練

          外傷後のアイシング

          はじめにアイシングはケガの応急処置に用いられる処置の一つです。 アイシングによって痛みや腫れの軽減ができるというのはよく聞きますが、近年の報告ではアイシングをすることで怪我の治癒を遅らせてしまうといった報告も聞いたことがあります。 そこで、今回はアイシングについてまとめていこうと思います。 アイシングの効果アイシングの効果として ・炎症の抑制(腫れや痛み、熱感など) ・アイシングの目的は、損傷組織の組織温度を低下させることで血管収縮を促し、損傷組織への更なる損傷を防

          外傷後のアイシング

          「伝わる」話し方

          はじめに指示を出したのに、全然違うことをしている。 連絡事項を伝えたのに、「そんなこと聞いてない」と言われたことがある。 そういったことはありませんか? 僕は病院で勤務をして5年目になり、後輩に指導をする機会が増えたときにそう感じたときがありましたし、今でも思うことがあります。 その時に思い返すと、この「伝える」と「伝わる」の違いが大きく影響していたんだなと感じたので今回は記事にしてみようと思います。 「伝える」と「伝わる」の違いは?「伝える」とは、自分の考えや報告

          「伝わる」話し方

          モヤモヤした時どうしてますか?

          はじめに皆さんは、自分の中で特に思い当たることもないのに、頭の中がモヤモヤしてしまうという経験はないでしょうか? また、そういったモヤモヤは、気分転換などをしてもなかなかスッキリすることってできない時は、ないでしょうか。 僕は、結構こういったことがよくあります。そういったときにどうやってモヤモヤを晴らしているか、今回は書いていきたいと思います。 モヤモヤしている原因を整理するモヤモヤしているときってどういうときか、人によって違いますよね。 職場の上司から理不尽なことを

          モヤモヤした時どうしてますか?

          当たり前は違う

          当たり前家事をしてくれているのに、やり方が自分と違っていて腹が立つ。 夫婦関係であれば、相手に完璧を求めてちょっとでも理想から外れると許せなくなり、喧嘩になってしまう。 こういった思考になる人は少なくないのではないでしょうか。 僕もこういう思考に陥りがちで、心にどんどん余裕がなくなってしまうことがあります。 こういった時に振り返ってみると自分の当たり前を相手に写してしまっていたのだなと感じることが多々あります。 相手と自分は違う 例えば、掃除機をかけたと言っていた

          当たり前は違う

          起立性低血圧とは

          起立性低血圧とは起立性低血圧とは、立位をとった際に生じる過度な血圧低下のことです。 定義として、20mmHgを上回る収縮期血圧の低下、10 mmHgを上回る拡張期血圧の低下、またはその両方が起こる状態です。 症状症状としては意識の遠のき、ふらつき、めまい、錯乱、などが起立数秒後から数分以内に起こり、臥位により速やかに消失します。 患者によってはギャッチアップや、座位保持でも症状が出ることもあります。 原因自律神経の障害・失調 血圧のコントロールは自律神経が担っています

          起立性低血圧とは

          足部の筋

          前脛骨筋起始:脛骨外側面 下腿骨間膜 筋間中隔 停止:内側楔状骨 第一中足骨底 神経:深腓骨神経 L4〜S1 長趾伸筋起始:脛骨外側顆 腓骨前面の上部 下腿筋膜 停止:第2〜5趾の中節骨・末節骨の背側面 神経:深腓骨神経 L5〜S1 長拇趾伸筋 起始:腓骨前面の中央および下腿骨間膜 停止:拇趾末節骨底 神経:深腓骨神経 L4〜S1 長拇趾屈筋 起始:腓骨後面の下方 下腿骨間膜 筋間中隔 停止:拇趾末節骨底 神経:脛骨神経 S1〜S2 長趾屈筋 起始:

          妊産婦の身体の変化

          外来リハビリでは、妊婦や出産後の方が腰が痛くなったと言って来院されることがあります。 整形で勤務していて、あまり多い事例ではないですが、いざ介入する時にどういう状態なのか知識がないと対応に困ることになると思います。 そこで今回は妊娠、出産においての身体の状態の変化や、どういった症状が出やすいという点をいくつか書きたいと思います。 妊娠、出産に伴う身体の変化 1.体型の変化 妊娠中の母体の体型は、妊娠2ヶ月ごろより乳房が大きくなり、妊娠5ヶ月ごろからお腹が大きくなっていき

          妊産婦の身体の変化

          高血圧の改善方

          整形外科で勤務していると、血圧の高い患者さんをよく目にします。 そして、患者さんに聞くと、「血圧を下げるために薬を飲んでいるけど、できれば薬はあまり飲みたくない」という声も耳にします。 そこで、今回は高血圧を改善するために薬以外でできるケアついて書いていこうと思います。 血圧の基準値は?そもそも、高血圧とはどの値からいうのでしょうか、また血圧はどの値を維持しているといいと言われるのか。 まずは、そこを把握していきましょう。 血圧の正常値としては、家庭血圧で115/7

          高血圧の改善方

          原因別浮腫のアプローチ方法

          前回、浮腫の原因が何からくるものなのかという点をまとめさせてもらいました。 そこで今回は、その異なる原因に対してのアプローチ方法をいくつかまとめていこうと思います。 はじめに前回の復習で、浮腫の原因は心臓や肝臓、腎臓などの内臓系からくるもの。 リンパ系、甲状腺機能からくるもの、薬剤や低栄養からくるものなど原因は様々です。 もう少し詳しくしりたい方はよければこちらからご覧ください。 心臓機能低下、血流低下に対する浮腫アプローチ心臓は心筋と呼ばれる筋肉で構成されているた

          原因別浮腫のアプローチ方法

          同じ浮腫でも原因は違う

          はじめに 臨床をしていると浮腫のある患者さんを見ることも少なくないと思います。 リハビリにおいて浮腫は可動域制限の因子にもなるため軽減できるのであれば軽減していきたいですよね。 よく聞くアプローチで言えば身体の水分が心臓に戻りにくいため浮腫のある部分を心臓より高くするや、リンパ節周囲のマッサージといった方法があります。 たしかに間違いではないと思いますが、原因がリンパや循環不全によるもの以外だと、本当に原因となっている所からアプローチした方が浮腫の軽減や改善がしやすい

          同じ浮腫でも原因は違う

          何日も出ない…便秘改善法

          普段、整形外科で患者さんと関わっていると、「もう何日も便が出てない。」とか、「便秘だから薬を飲んでるんだけどあまり効果が出てるか分からない」という話を耳にします。 そこで今回は便秘でお悩みの方に対して向けに書きたいと思います。 便が出るメカニズム まずは、どのようにして便が出てくるのか整理していきます。 私たちが摂った食べ物は、食道、胃、十二指腸、小腸と進み、この間に栄養分が消化、吸収されます。 その後に残ったものが大腸の上行結腸→横行結腸→下行結腸→S状結腸→直腸

          何日も出ない…便秘改善法