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筋力増強訓練

リハビリで筋力増強訓練を行うこともあるかと思います。

その際の負荷設定や期間はどう設定しているでしょうか?

今回は筋力増強に必要な負荷量や回数、期間などをまとめていこうと思います。


筋力増強のメカニズム

筋力トレーニングを開始して比較的初期における筋力の増加は筋繊維を収縮させる神経系の向上により、より多くの筋繊維が収縮することで起こります。つまり、神経から筋への命令がうまく伝わるようになるのです。

次に起こるのが筋繊維1本1本が肥大化する「筋肥大」です。トレーニングで筋に負荷をかけることにより筋繊維は部分的に損傷します。損傷した筋繊維は回復期を経て損傷する前よりも少し太い繊維に修復されます。この現象を超回復と呼び超回復を繰り返すことで筋繊維が太くなり、筋力の強化につながります。

筋力増強に必要なトレーニング期間

トレーニングの初期(4週間)では運動単位の増加による神経系の変化により筋力が増大します。その後継続してトレーニングすること(1~3 ヶ月)で筋肥大が生じ、一層の筋力が増加します。


トレーニングの負荷・反復回数

トレーニングをするにあたり、筋力を上げたいのか、筋肥大をさせたいのかによって負荷量や反復回数は変わってきます。

筋力を上げたい場合

筋力を上げたい場合1~4回上げると5回目が上げることができない負荷を設定し1セットを1~4回ほどで設定し、2~3セットほど繰り返します。

また、セット間の休憩時間は3分ほどとします。

筋肥大+筋力を上げたい場合

筋肥大+筋力を上げたい場合は5~18回上げられる重さ、特に10~12回が筋肥大最大となるため、13回目が上げられなくなる重さにして、1セットを10~12回とし3~5セット行います。

こちらのセット間の休憩時間は1分ほどとします。

トレーニングを効果的に行う3つの原理と5原則

トレーニングを行う際は漠然と行うよりも、以下の原理、原則に基づいて行うとより効果が得られやすくなります。

①過負荷(オーバーロード)の原理

筋力を高めるためにはその人にとって低負荷すぎると筋が損傷する様な刺激にはなりません「きつい」と感じるくらいの負荷をかける必要があります。トレーニングを継続する中で筋力は増加していくため負荷を徐々に上げていくことも大切です。

②特異性の原理

筋力を高めるためには筋力の増加が期待できるようなトレーニング内容を選択しなければなりません。目的に合わせてトレーニングの種類を選ぶことが特異性の原理です。

③可逆性の原理

トレーニングで筋力が増加したとしてもトレーニングをやめてしまっては筋力は元に戻ってしまします。

①全面性の原則

トレーニングを行う際は全身的にバランスよく行うことが大切です。上半身だけ、または下半身だけや、一部位のみを鍛えるのは怪我のリスクを高めることがあります。

②漸進性の原則

筋力が高まるに従いトレーニングの負荷も徐々に上げていかなければ効果は得られにくくなります。過負荷の原理と共通しています。

③意識性(自覚性)の原則

トレーニングで鍛えている筋肉の部位を意識しながら行います。「このトレーニングでは○○の筋を使っている」と意識するだけでも効果を得られやすくなると言われています。

④個別性の原則

人によってトレーニングの適切な負荷や頻度などは異なります。自分の年齢や性別、体力・筋力に合わせて負荷を設定することが大切です。

⑤反復性の原則

トレーニングは1回行っただけでは効果は得られません。トレーニングを繰り返し継続していくことが大切です。


さいごに

今回は筋力を増強するために必要なことについてまとめさせていただきました。

どの程度の負荷量、回数、期間行うと効果が出るか明確になっているでも患者さんに対して行う筋力増強訓練の質も変わってくると思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。






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