高血圧の改善方
整形外科で勤務していると、血圧の高い患者さんをよく目にします。
そして、患者さんに聞くと、「血圧を下げるために薬を飲んでいるけど、できれば薬はあまり飲みたくない」という声も耳にします。
そこで、今回は高血圧を改善するために薬以外でできるケアついて書いていこうと思います。
血圧の基準値は?
そもそも、高血圧とはどの値からいうのでしょうか、また血圧はどの値を維持しているといいと言われるのか。
まずは、そこを把握していきましょう。
血圧の正常値としては、家庭血圧で115/75mmHg以下、診察室血圧では120/80mmHg以下とされています。
また、高血圧の基準として家庭血圧135/85mmHg以上、診察室血圧では140/90mmHg以上とされています。
家庭血圧と、診察室血圧で分かれている理由として病院などに行くと緊張が入って興奮してしまい、血圧が高くなるためと言われています。
また、血圧は1日の中でも変動します。
そのため、できれば毎日決まった時間帯に血圧測定ができると理想です。
ここまでは、血圧をどのくらいで維持できるといいのかを書きいていきました。
ここからは、血圧を下げるために出来るセルフケアを紹介していきます。
胸式呼吸
血圧をコントロールするにあたって心臓の機能は重要になってきます。
心臓は胸郭という空間に収まっているので、胸郭が硬くなると心臓の機能も低下してしまう要因となります。
そのため胸郭周りの柔軟性を上げるためのworkとして取り入れます。
胸郭は、胸椎、肋骨、胸骨で構成されていて前後、左右の柔軟性が求められます。
参照: https://ar-ex.jp/spine/822009403129/腰痛と胸郭可動性
そして胸郭には、呼吸筋と言われる呼吸によって伸び、縮みする筋肉がついているため、呼吸によって柔軟性を高めていきます。
まずは前面です。
胸の前に手を置き、深呼吸をします。
その際に手を置いた所が吸った時に膨らみ、吐いた時に沈むことを確認しながら行います。
一生懸命やろうとして、力むと興奮したり、余分な力が入ってしまうと思うので、気持ちよく行える、リラックスできる範囲で行いましょう。
側面も同様に、肋骨のところに手を置きます。
そして、手を置いたところが、息を吸った時に押し返され、吐いた時にへこむよう意識していきましょう。
後面も同様に、背中のところに手を置き、深呼吸を行います。
最初は、膨らませたり、へこますのが難しいと思いますが意識を向けるだけでも効果があるので、諦めずにやっていきましょう。
一部位につき5回ほど行っていただければいいと思います。
背骨丸め、伸ばしストレッチ
背骨の近くには、交感神経という興奮した時に働く神経があります。
興奮すると血圧が上がりやすくなりますよね?
そのため、背骨が硬くなっても、交感神経の働きが過剰となり、血圧を高くする要因となります。
なので背骨の柔軟性は高い方がいいです。
やり方としては、まず四つ這いとなります。
そこから猫のように背中を丸めたり、反ったりします。
ポイントは、背骨を動かす時にお腹をへこませるという感じではなく意図的に猫背を作るようなイメージで丸めてそこから背筋を伸ばすように背中を反るとうまくできると思います。
また、「行けるところまで行かなきゃ」と意識しすぎると力みにつながるので「気持ちよーく動かせる」という範囲で行ってもらうことが大切です。
回数としては1セット10回ほどでいいでしょう。
お腹ほぐし呼吸
お腹の奥の方(鳩尾からおへそを結ぶラインにかけて)には、自律神経(血圧や内臓の働きなどをコントロール神経)の集まる所があります。
そのため、お腹が硬いと高血圧にかかわる因子となるので、お腹の柔軟性も大切になってきます。
お腹の硬さを取るための方法としてお腹を図のように9分割する区画をイメージしてください。
その区間をそれぞれ触ってもらうと指が沈み込みやすい所、沈み込みにくいところがあると思います。
その沈み込みにくいところは硬くなっていて内臓に関しても動きが悪くなっていることが多いのでそこに手をそえて深呼吸しながら指がジワーっと入り込むまで待ちます。
大体、3段階くらい指がジワーっと入っていく感覚があればオッケーです。
さいごに
今回は高血圧を改善するためにできるセルフケアについて書かせてもらいました。
このほかにも間食を控えたり、ゴロゴロしている時間を減らすなど自分の習慣を変えるだけでも改善できる所はあると思います。
お医者さんに行くと、「血圧高いから薬飲んでね」と言われることもあると思いますが「薬に頼る前にまだ出来ることはあるんだ」感じてもらえると幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
感謝・謙虚・敬意
意志堅固
西條 貴則
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