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やっぱり、ビジネスには「学び」と「成功」しかないんだという件。

(写真は米国カリフォルニアで満開のジャカランダ:2017年5月撮影)

「成功」があれば、「失敗」もあるんじゃないの?

「失敗談を話してくれませんか?」そんなリクエストが講演依頼の時に出て来ることがあります。

だからと言って「失敗談」だけの講演を頼まれることはありません。(未だにないというだけで、ないとは言い切れないですが)

うまくいった「成功談」も聞きたいんですが、「失敗談」を聞くことによって、その後の「成功」が際立つし、希望も沸いてくるし、力をもらうことがありますよね。

私の「失敗談」は結構沢山あって、それだけで研修コースがつくれそうな気がします。

そんなに「失敗」してるのに、「失敗」はどうなのよ?

はい、たしかに「失敗」してるんですが....

ビジネスには「学びと成功しかない」ということを考えてみます。

「失敗」とは?

この二字熟語は「失う」と「敗れる」の似た意味の言葉を合わせた言葉です。

「増加」「衣服」「暗黒」などと同じ二字熟語の構成ですね。

言葉の意味は、

  • 物事をやりそこなうこと。方法や目的を誤って良い結果が得られないこと。しくじること。(デジタル大辞泉)

  • 物事をしそこなうこと。やり方、方法などを誤って目的とはちがった結果になること。しくじり。やりそこない。(精選版日本語大辞典)

  • やりそこなうこと。目的を果たせないこと。予期した効果をあげられないこと。しくじり。(スーパー大辞林)

となっています。

結果が良くなかったり、結果が目的や予期したものと違っていたりすることとされています。

そして、何かが「間違っている」「誤っている」というニュアンスが漂いますよね。(上記の二つは方法や目的が誤っているという理由で結果が得られないことを意味としています)

1984年の初版から「失敗学」のベストセラーとも呼ばれている「失敗の本質」。第二次世界大戦における日本の大敗を組織学的に分析し解説した名著です。

大敗した様々な理由が解説されていて、今日のあらゆる組織に適用できる教訓に満ちているのでベストセラーなのだと思います。

先の戦争で大敗したことは「失敗」であるとの前提に「失敗の本質」を掘り下げた本です。戦争することを良しとしている本ではありません。

この本では、大敗の理由の一つに「目的が不明確であった」ことをあげています。はっきりとした目的がないまま戦争に突入し、各作戦においても目的ははっきりしていなかったとしています。

戦争そのものが過ちであると考えれば戦争をしたこと事態が「失敗」とも言うことができるかもしれません。

これは戦争に限ったことではありません。「目的」がはっきりしていないことこそ「失敗」なのですよね。

しかし、「失敗」は同時にそれで最終ではないというニュアンスも持っています。

「失敗は成功のもと」
「失敗は成功の母」
「失敗を失敗で終わらせない」

などの言葉があるのも、そのためでしょう。

「失敗」はプロセス?

「失敗」を「学びの機会」と捉えること、「失敗」の意味が変わってきます。

リチウムイオン電池の開発者でノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏は自身の研究を振り返ってこう言います。

「失敗しないと成功ない」


エジソンは「失敗」という言葉さえも使うことを拒否して言いました。

「私は実験において失敗など一度たりともしていない。これでは電球は光らないという発見を、いままでに20,000回してきたのだ。」

「時代を変えた科学者の名言」藤嶋昭

うまくいかない方法を発見することが「失敗」の意味なのですね。

こうなると「失敗」が「プロセス」、それも「成功へのプロセス」として理解することができます。

「失敗学のすすめ」の中で工学博士の畑村洋太郎博士は、「失敗は成功の母」であることを科学的に実証しています。

そして「失敗」の原因を分析して行くことこそが、成功へのプロセスであることを「失敗まんだら」を用いて解説しています。

「失敗まんだら」畑村洋太郎

技能の習得でも同じ事がいえると思います。

自転車に乗る事ができるために、何度も転ぶでしょう。

転ぶことを上手く自転車に乗れなかったのだから「失敗」したとは言いませんが、上手く自転車に乗れるまで何度でも転びます。

逆に言えば、転ばないで上手く自転車に乗る技能を身に付けることはできないのです。

同じように、「失敗」しないで「成功」することができないと言えるのです。

「成功」のスパイラル?

仮説を立てて実践してみる。

結果は期待したとおりの結果がでない。
原因を探り(学び)、新たな仮説を立てて実践する。

結果は期待したとおりの結果がでない。
原因を探り(学び)、新たな仮説を立てて実践する。

このプロセスをくり返すことによって、「成功」(期待した結果を出す)まで到達する。

それでは「成功」したら終わりなのでしょうか?

先述の「失敗の本質」には、日本軍の「失敗」の原因として、「過去の成功体験を最後まで引きずった」ことが解説されています。

つまり「成功」から学ぶよりも、「成功」をお祝いして区切りをつけて、「成功体験」を将来に持ち込まないようにすることが重要です。

「失敗」から学び「成功へのプロセス」を進む
「成功」したら祝って次の「成功のプロセス(失敗から学ぶ)」へ

そんなサイクルが見えてきます。

ビジネスには「学び(プロセス)」と「成功(望む結果)」しかないのですね。


「成功」するまで「学び」を続けてまいりましょう!



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