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「学習の原則」⑨ 関連性の原則

ハイパフォーマンス・コンサルタントの髙澤健(たかざわたけし)です。

お一人ひとりが「最高の自分」に向って成長し続けることに役立ちたいと願って書いています。

「成長し続ける」=「学び続ける」 です。

学習の原則」についてシリーズで考えることで「成長し続けるヒントを得ようと考えています。

学びに関心をよせる以下のような方にお役に立てるよう努めますのでよろしくお願いいたします。

  • 自分自身の成長のために学び続けたいと願っている方

  • 部下を育成する立場や人を教える立場で他者の学習を支援している方

  • 人材育成コンサルタントや教務主任のように学習を促進する学習環境や学習システムを設計している方

(質問・疑問・要望・ご意見などコメント欄にお願いいたします。)

第9回目は「関連性の原則」です。

何に関連する?

「関連性の原則」とは、学習者の「指向性(Orientation)」に関連性を持つ学びは学習効果が高い、というものです。

「指向性」に関連しているということなのですが、言葉はわかっても意味はわかりにくいですよね

学習者の指向性ってどんなことでしょう。学びにおける学習者の指向性をいくつかあげてみます。

  • 目的・方針・方向性:学習者が持っている目的や方針、向かっている方向

  • スタイル・クセ・好み:学習者の好むスタイルやアプローチ

  • 動機・欲求:学習者の求めや必要

このような指向性が、学びと関連づけられている時に、学習効果が高まるのです。

目的との関連性

教育機関の学習機会、つまり授業や講義では、カリキュラムの中に目的や方向性などが示されています。

授業はその目的に適合するようにデザインされていますが、ここでいう「関連性」とは授業の目的や方向性と学びが関連づけられていることではありません。

あくまでも、学習者の「指向性」との関連なのです。

ですから、学習者が持つ目的学習内容や学習活動が関連づけられない学習効果は下がるわけです。

私は学校に通っている時に、テストで良い点を取るためだけに、なんでこんなこと勉強させられているのか、とほぼ全ての教科で思ってしまっていました。

当然のことながら、学習効果が上がるはずはありません。私の成績表には「注意力散漫」のゴム判がびっしりと押されていました。

この場合、義務教育のことですから仕方ない部分もあるでしょう。でも、学習内容がどのように学校外の生活と関連しているのか分かるともう少し集中できたのかもしれません。

目的についての関連性がさほど強くなくても、好みやスタイル、あるいは動機や欲求との関連性によって、この原則が効果を出すこともあります。

好みとの関連性

義務教育であれば、流行のアニメやゲームのキャラクターを学習内容に取り込むことで関連性を学習活動や導入に取り込まれる事があります。

音楽の授業の課題曲が、ヒットチャートを賑わす曲であったりすることで、音楽の授業の内容

企業対象の社員研修では、同業他社のケーススタディなどを行う事で関心事との関連性をつくり出すことができるでしょう。

また、教室スタイルではなく、全員の顔が見えるような馬蹄型の席順にすることで、研修出席者のスタイルに合わせているのを思い出す人もいるでしょう。

1990年代のことですが、ピーター・ドラッカーの授業を聴講した際には、ちょっとしたビュッフェが教室の隅にあって、一通りのソフトドリンク、クッキーなどの菓子が好きなだけ授業中にとることができるようになっていました。

また、学習者に合った学習スタイルを用いることもできます。

学習スタイルについては以前書いたこちら↓の記事もご参考に

必要との関連性

学習者に求められている状態と現在の状態とのギャップ必要な学びとして捉えることもできます。

求められている技能や知識について学習者が認識している場合には、学びの必要性がはっきりとした状態になります。

既に触れた「主体性の原則」や「i+1の原則」などとも相まって学習効果が高まることが容易に想像できますよね。

このように「学習の原則」はひとつひとつが独立して機能するのではなく、ダイナミックに関連しながら機能するのです。

複数の原則を機能させることで、更に学習効果が上がるわけです。

noteのタイトルも学びではないのですが、「関連性の原則」が機能するのではないかなと、その関連性についてふと考えてしまいました。

今回はここまでにいたします。




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