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火曜日しばらく雑記帳・番外編 #1:2023 Wrap Up / My Top Songs 2023

今年も恒例、Spotify の 2023 Wrap Up が届いた。12月にもなったし振り返りを一応しておこうと思う。普段の雑記帳は雑記帳で書きたいこともあるし、振り返るなどしている暇もスペースもない。それでなくてもごちゃっと盛沢山になってしまっている。

なので、12月は、1年の振り返りについて「火曜日しばらく雑記帳・番外編」として4回に分けて火曜日に書くことにする。本編は、火曜日から遅れることが常態化しているが、そちらはそちらでいつもどおりの平常運転で、水曜から金曜のどこか、たまに土曜、でポストしていく予定だ。


さて、今日は音楽、Spotify からのまとめを中心に振り返る。


■ Top Genres, 私がどんなジャンルをよく聴いていたかというと、Contemporary Jazz, Jazz, ECM-Style Jazz 、Jazz と名のつくジャンルで、7割方、占めていたようだ。

My Top Genres
Spotify 2023
Release Radar の影響が大きいと思われる

"Filmi"って何だろう、と思い、Chat GPT4に訪ねたところ、

「Filmi」とは、インドの映画音楽を指す言葉です。この言葉は、ヒンディー語で映画を意味する「フィルム」(film)に由来しており、インド映画(特にボリウッド映画)に特有の音楽スタイルや楽曲を表します。

Chat GPT "Filmi"とは何か

とのことだった。これは、毎週配信される "Release Radar"の影響が大きいと思われる。とにかくインドの映画音楽は毎週どんどん作られて、どんどん新曲が出る。Shreya Ghoshal や Rahat Fateh Ali Khanを始めとして、売れっ子のボリウッドのプレイバックシンガーをフォローしているとこのジャンルの時間が長くなる。

たとえば、先週なら Tu Jo Hai - Female Version (From "Kadak Singh")がよかった。Shreya Ghoshal がしっとりとゆったりと歌い上げる。


■もう一つのジャンルがボサ・ノヴァ、ということで、日ごろジャンルは意識はないのだが、まぁ、そんな感じかもしれない。いろいろな国の様々なジャンルを聴いているとは思うが、やはり、現代のジャズの周辺を、ラテン系、中南米から地中海沿岸、アフリカ、東欧、アラブ、パキスタン、インドといったあたりが多く、それにプラスして、アジア歌謡が少し、という感じになっていると思う。

Play List の ”Release Radar” は毎週金曜日に、私が follow しているミュージシャンの新規リリースシングルを Spotifyが自動でまとめてくれる Play List で、最近は5時間超になる長大なリストとなっている。先週は 7時間41分となっていた。

98曲 7時間41分
週ごとに、どんどん長くなってきている

全部じっくり聴くのは困難だが、しかし、端から流していてもバラエティに非常に富んでいて飽きることがない。

先週のこの play list の中ではフランスのシンガーソングライター - M - ことマチュー・シェディッド (Matthieu Chedid) のライブ盤からのシングルがよかった。 

このミュージシャン -M- については知らなかった。Wikipedia を貼っておこう。

レバノン出身トランペッターのイブラヒム・マーロフがたっぷりと情熱的なソロを聴かせる。2' 50" あたりからだ。去年、アフリカはベナン出身のミュージシャン、アンジェリーク・キジョーとの共作 "Queen of Shiva" で知ることになった微分音が特徴のトランペッターだ。


■今年は例年よりもギリシャのポピュラーソングをよく聴いたようにも思う。ソクラテス・マラマスの低音の魅力にはまり、その関連でイオウリア・カラパタキにもぞっこんだ。

Spotify もそこを指摘してくれた。

2023 wrap up by Spotify

先々週に紹介したシングル、Ιουλία Καραπατάκη - Ρίξε Τσιγγάνα Τα Χαρτιά (Ioulia Karapataki Rikse Tsiggana Ta Hartia) 、曲名は「ジプシー、カードをひいて」は印象的だった。

9/4 拍子 (4/4+5/4 ?) と勘定すればよいのだろうか、拍子をとりにくいがアコースティックベースの上で哀愁を感じるメロディを豊かな声で歌い上げる。



■2023年は8132曲トータルで聴いたということだ。365日で割ると 22.3なので、一日平均 22-23曲を spotify で聴いていたことになる。聴いていた時間は73744分、これも365日で割ると 3.4時間弱。なるほど、の数字だ。

よく聴いていた曲は、ヴァネッサ・モレーノの "Solar"、アルバ・アルメンゴウの "Susurros del Viento"、ポール・サイモンの "Seven Psalms"。

よく聴いたミュージシャンは、ヴァネッサ・モレーノ、パトリシア・バストス、シコ・セザールが上位だ。精力的にリリースしている人が上位に来るし、今年の 1Q にひっかかった人が上位に来る。

忘れられないのが、今年は、ジョン・マクラフリンの Shakti 50周年。

今年は、特にShakti によって、とても印象深い年となった。



■ 今年も素晴らしいミュージシャンに出会うことができた。Spotify というプラットフォームには感謝している。最後に、今年特に印象深かったミュージシャンを 7人あげておこう。各コメントは、それぞれの個別記事とだぶった記述となってしまうが、そこは許してほしい。

1.まずは、ヴァネッサ・モレーノを挙げなければなるまい。

どの曲もいいので選べないが、アルバム "Solar" の最後の曲、娘さんの アリシ Alice とのかわいらしいデュオ、"Salabim" を貼っておこう。



2.アルバ・アルメンゴウは、もう惚れている、としかいいようがない。

"Susurros del Viento"が特にいい。世界中の人に聴いてもらいたい。




3.パトリシア・バストス、ブラジル北部のアマゾン川河口近くのマパカ出身の女性シンガーだ。ついこの間リリースされたアルバム "Voz da Taba"が素晴らしかった。ジャケットのデザインがイマイチ私の好みからは外れるが、楽曲は美しい曲ばかりだ。怖がらずにクリックして聴いていただきたい。

タイトルソングの"Voz da Taba"

2013年のアルバム "Zulusa" 2016年の "Batom bacaba" とともに3部作となるとのことで、作曲家でギタリストの Dante Ozzettiのプロデュースによる。アマゾンからのメッセージ、母から受け継がれた歌と、 土着のリズムに乗りながら、アフリカや広くラテンの要素あるいはジャズの要素も感じる音作り、素晴らしいアルバムだ。


4.ラウ・ノアを、つい先日に初めて聴いたときは衝撃的だった。こんな凄いミュージシャンがいるのか、と。楽曲の構成やメロディも新しい。

スペインの女性ボーカル SÍLVIA PÉREZ CRUZ (シルビア・ペレス・クルス )とのデュエット、"Que Pasen Cosas" を聞いてノックアウトされたのだった。

独特の浮遊感のある調性とメロディ、弾き語りのガットギターの伴奏の流れるような美しさ。0'57" あたりからの二人の美しいハーモニーにも震える。1'30"あたりからのフレンチホルンを加えたアンサンブルも鳥肌ものだ。


5.イリアン・カニサレスも素晴らしかった。

バイオリンと歌、そして自身のルーツである中南米やアフリカのリズムや雰囲気がミックスした面白いミュージシャンだ。

たとえば、YouTubeの動画で2021年のライブを聴いてほしい。

Childo Tomas (ベース)と Inor Sotolongo (パーカッション)とのトリオ "Resilience Trio" での演奏だ。箱型のダブルネックベースが目を引くChildo Tomas はモザンビーク出身、Inor Sotolongo は同郷・キューバ出身だ。
後半、バイオリンを指で爪弾きながらスキャットしてアフリカの竪琴を思わせる音色のベースともからみ、なんとも面白い。

そして、なんと楽しそうな演奏だろうか。


6.イスラエルの女性ドラマー、ロニ・カスピ。2000年生まれというから弱冠23歳、バークレーでテリ・リン・キャリントンに師事して卒業したばかりということだ。

ベースのアヴィシャイ・コーエンに見いだされ、彼のトリオでドラムスを務める。中東の要素の強い曲、複雑なリズムをものともせずに、ときにエネルギッシュな長いドラムソロを聴かせる。

今年、ソロのシングルをリリースしていて、つい先週にリリースされた "Berlin" が 3枚目だ。

小柄な身体のどこにこんなエネルギーがあるのだろうか。とにかく驚いた。


7.最後に、新しい出会いではないが、今年に一番心を揺さぶられたのが、ポール・サイモンの「七つの詩篇」 "Seven Psalms" を挙げておこう。

ポール・サイモンについては、これから月 1くらいのペースで、好きなアルバムを1枚づつ順にとりあげていくつもりでいる。



■他にも、新しいところでは、フレデリコ・エリオドロ、レイヴェイ、ソフィア・レイ、浅利史花、….

このところずっとひいきにしているシチリアの凄腕ギタリストのマッテオ・マンクーゾの素晴らしいデビュー・アルバムも最高、上原ひろみの Sonicwonderlandも素晴らしかったし、イタリアの女性シンガー、ラウラ・パウジーニもいい。

ジェフ・ベック、カーラ・ブレイは R.I.P. とくにカーラ・ブレイはしばらくぶりに聴き直して聴き惚れていて再生回数も多かった。上に貼った Top Artist の 5位に入っている。

世界中にまだまだ私の知らない素晴らしいミュージシャンがたくさんいる。そしてどうやら若くて新しい才能があちこちで開花しているようだ。

そういえば、先週も面白いミュージシャンを一人発見してしまった。イタリアの女性ミュージシャン Maria Pia De Vito。すぐに個別記事を書きたくてうずうずしているところだ。


来年がまた楽しみである。


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