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地中海の風・6:ソクラティス・マラマス

ソクラティス・マラマス(Σωκράτης Μάλαμας)は、比較的最近に知って、この何年かよく聴いているが、1957年生まれで、デビューアルバムが1987年というベテランのシンガーソングライターだ。

今年の4月から6月ごろに ライブレコーディングのシングルが6曲リリースされたが、とてもいい。これらが収録されたアルバム、"ΜΕ ΠΑΡΤΕΝΕΡ ΤΗ ΣΕΛΗΝΗ" (with the moon as my partner" 月をパートナーとして - by Chat GPT, Google翻訳) もリリースされた。

6月にリリースされたのが "I Floga" (Η Φλόγα - 炎)。ギター、ブズーキ、ベースにパーカッションのバックに笛のイントロが印象的な哀愁のこもるゆったりとした曲だ。笛のソロが加わることでさらに深みが出ていると思う。落ち着いた低い声、音階がエキゾチックでギリシャの雰囲気がたっぷりだ。

圧倒するような歌唱力で歌いあげる、というスタイルではないし、声量や声質が特別、というわけでもない。派手なパフォーマンスも一切ない。しかし、感情を見せず訥々と語りかけるような印象の低い声は、古のギリシャの吟遊詩人という印象だ。あるいは哲学者という感じだろうか。

"Ο Μπάτης" ("O Mpatis", 20世紀初めのギリシャ歌手へのトリビュート。。多分)

アップテンポの曲なら  "Πέτρινα Φτερά" (石の羽根 - ChatGPT, Google翻訳)

4月ごろにリリースされていたのは "Όταν Μου Χαμογελάς" ("When You Smile at Me" あなたが私に微笑むとき - by Chat GPT, Google 翻訳)

もう一曲、"Καραμπόλα" (衝突 - by ChatGPT)

女性ボーカルは、若手シンガーの Ioulia Karapataki イオウリア・カラパタキだ。イオウリア・カラパタキ はソクラティス・マラマスと共演したシングルが他に数枚あってそれぞれ魅力的だ。

アルバムはリリースされていないようだが、YouTube にいろいろ動画があがっている。


それにしても、ソクラティス・マラマス、聴いているうちにだんだんその魅力に引き込まれてこないだろうか。静かな引力にいつの間にか囚われているような、そんな感じがしないだろうか。

そんな方には2020年のアルバム Epiloges, Epiloges Vol.2 は YouTube のオフィシャルチャンネル でも全曲聴くことができる。いっそう、その朴訥とした歌声の虜になることであろう。

他に 2002年の "Ena" もいい。

楽曲の提供も多いのだろう、多くのミュージシャンと共演しているが、ハリス・アレクシウとの共演が気に入っている。2007年のアルバム"Dromoi" そして、Alkinoos Ioannidis も加えた3人の共演ライブが素晴らしい。

ギリシャの歌謡曲は、リズムといい旋律といいブズーキや太鼓などの楽器といい地中海・オリエントの雰囲気がたっぷりで、しかも、ソクラティス・マラマスの曲のような古の哲人あるいは吟遊詩人を思わせる歌、語り掛けるような歌声もあれば、そして、ハリス・アレクシウのよう愛と情熱を感じる歌声もあって、とても楽しめる。

最近はネットで歌詞を調べることもできるし、それをChatGPTやGoogle、らに翻訳サイトなどでクロスチェックしながら翻訳して大意をつかむことも可能だ。

本当にいい時代になったものだ。


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