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秋の夜長に 5:アルバ・アルメンゴウ Alba Armengou "Susurros del Viento"

ジョアン・チャモロが率いるサン・アンドレウ・ジャズバンド出身のスペインのミュージシャン、アルバ・アルメンゴウは、数年前に最初聴いたときから参ってしまい、私の note 記事では度々取り上げてきた。

今年になって、ついにソロ・デビュー作 "Susurros del Viento" をリリースした。トータルで25分弱のEPではあるが、つぶぞろいの楽曲ばかり、ますます惚れるばかりである。

2001年に生まれ10代のころからサン・アンドレウ・ジャズバンドのフロントを務め、トランペットと柔らかく明るい歌声が魅力、サックスもこなすという才女で、気さくな笑顔も魅力的だ。

1曲目の"Susurros del Viento"は、カリンバとボーカルのイントロから始まって、インテンポに入るとラテン系のパーカッションに彼女の甘く優しいボーカルとトランペットがマッチしたゆったりとした一曲。寄り添うようなサックスのソロもいい感じだ。

このビデオクリップの概要欄に、バンドのメンバーがクレジットされている。

Alba Armengou (tp, v, composition)
Vicente López (g, composition)
Joan Martí (ts)
Giuseppe Campisi (bs)
Enric Fuster (ds)
Tramel Levalle (pc)

2曲目の "Somnis" ギターのシンプルなバックだけの魅力的な歌によるテーマから始まって、曲調が変わってギターのソロ、最後にテーマを歌って終わる。ビデオクリップはリタイヤしたまだ若いお爺さんとその友人が集まる休日のパーティだろうか。

3曲目の"El Senor misterioso" も、ギターとパーカッションのシンプルなバックに印象的なメロディで歌を聴かせる。3分に満たない小品だが好きな一曲だ。

4曲目の "Fato Consumado"はブラジルのジャヴァンの曲、5曲目の"La Gavina"はカタルーニャの作曲家フレデリック・シレス・プーチの曲ということである。パーカッションで中南米の雰囲気、サックス、ギターをジャジーにまとめ、自身のボーカルとトランペットで、ゆったりとリラックスしたムードで全体がまとまっている。

最後の"Luna"も素晴らしい。

寄り添うような優しいギターを弾くのは、ビセンテ・ロペス(Vicente López)、the Escola Superior de Música de Catalunya (ESMUC)の学友とのことだ。2曲のカバー以外は二人の共作になっている。

アルバ・アルメンゴウとヴィセンテ・ロペスは、COVID-19のさなか、2020年の8月から9月ごろ、YouTubeに家からの演奏を動画で届けてくれた。

二人のリラックスして息のあった演奏は心を打った。

2週間ほど前、YouTube で2時間のライブ配信があった。なかなか聴きごたえがある。

バンドのメンバーは"Susurros del Viento"と同じ、息のあった素晴らしい演奏を聴かせる。

2001年生まれというアルバ・アルメンゴウ、才能あふれるバンドのメンバーも皆若い。これから、どんな音楽を創ってくれるだろうか。本当に楽しみだ。


■ Reference

1.ぱっと検索してみると、ムジカ・テーハに紹介記事がすでに上がっていた。

2.2018年のスペインのサン・アンドレウ・ジャズバンドでの演奏も貼っておこう。このとき、まだ17歳だ。


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