見本の発送

今日の業務のほとんどは全国各地への見本の発送だった。ほとんどの送り先が大手出版社の文庫編集部だとか第二単行本局だ。中には僕が大阪に遊びに行ったときにたまに訪れた大型書店への発送もあり懐かしい気持がした。

実にこの作業は過去最長で2時間20分に及んだ。作家からの電話対応に忙しい社員さん達は僕がいつまでたってもテーブルで発送作業をしているのを見て何を思っただろう。可哀そうに、そんな雑務を任されて。対する僕はわりに楽しんでやっていた。梱包されてきた本を取り出しビニール袋に入れテープを貼る。空気が入らないように折り目をつける。封筒に入れて送り先の住所が書いてあるシールを貼り郵便の欄に置く。これを100冊近くやっていくわけだ。たしかに雑用以外のなんとも表現できないがそれでも僕は飽きずにやらせてもらった。新品の本の手触りとかまだ誰も触れていないことが分るかたさとかが好きなので永遠に思える発送作業はぼくにとって子供がおもちゃで遊ぶときの感覚とそれほど違わない気がする。

在宅勤務の社員あてのバイク便によるゲラ送付もした。バイク便さんに電話をして指定した場所に来てもらう。バイク便さんはたかがバイトのぼくにむかってぺこぺこしていた。そういうものか、と思った。

文庫に挟む合紙を500枚作る業務を任されたが就業時間をすぎていたし、急ぎの仕事ではないので中断して退社した。明日はこの合紙をきるところから始まる

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