4.うつ状態になったらリワークに参加できないかを検討する
結論:うつ病になったらリワークに参加するべきだ。
なぜなら、うつ状態から回復して、再休職防止まで対策をするから。
僕はリワークに参加して良かったと実感しています。
リワークとは、原則として元の職場に戻るために、うつの治療を行う場所です。
※復職ではなく例外もあります。
簡単に説明すると、どうして鬱になってしまったのか?自分と向き合い、思考や行動特性を理解して、再休職防止に向けて対策を考える場所です。
リワークに参加することで、生活リズムが整いますし、同じ疾患で悩む人たちと気持ちの共有ができました。
僕の通っていたリワークは9:00までに出席して、17:30分まで各プログラムに参加して帰宅するスケジュールでした。
働いている時間とほぼ同じなので、生活リズムを整えるには最適だったと思います。
また、同じ疾患で悩む人たちと気持ちを共有することで、孤独感から解放されていきました。
個人情報を守る目的で、院外交流を厳しく制限されていましたから、リワーク参加者とはクリニックの中だけのお付き合いになります。
リワークを卒業するときは、もう二度と会えないかもしれないと思うと、とてもさみしくなるんですよね。
人生には出会いと別れはつきものですからね。
自分が持っている、さまざまな感情を味わうことも、これまた人生ですから、とても良い経験をさせていただきました。
リワークに来なくなってしまう人もいる
あれ?最近○○さん見かけませんね~
という会話をよく耳にしていました。
・主治医と意見が合わずに辞めてしまう人
・感情を揺さぶられるプログラムを嫌ってやめてしまう人
・生活リズムを整えることを諦めてしまう人
本当の理由は分かりませんが、来なくなる前に抱いていた不満を聞いていると、だいたいこんな感じでしたね。
リワークは自分の気持ちの変化に気づくための練習の場なんですよ。
社会に出ると環境の変化はつきものですから、自分のトレーニングだと思って続けて欲しいと願っていましたが、個々の考え方を変えることはできませんからね。
僕としては、リワークをリタイヤしてしまうのは、ちょっともったいない気がしていました。
おすすめプログラムはサイコドラマ
僕は治療にフルコミットしていたので、自分自身と向き合う内省を繰り返していました。
どうして、うつになってしまったのか?
・環境的要因は何か
・自分の感情的要因は何か
・家族や家庭環境の要因は何か
とにかく自分と向き合う時間を大切にしてきましたね。
あとは単身赴任生活でしたから、リワーク以外に人と触れ合う時間がありませんでしたので、とにかく誰かと話をするようにしていました。
特に大切にしていたのは「笑い」です。
1日1回は笑いあう努力をつづけていましたね。
内省と笑いを大切にしていましたが、最も治療に役立ったと思われるプログラムはサイコドラマ(心理劇)でした。
自分の過去をさらけ出すドラマでしたので、とても抵抗感がありましたし、心理的にもしんどいプログラムです。
ですが、しんどいプログラムだったからこそ、治療に効果があったと思います。
個人作業やカウンセリングでは乗り越えることが難しい経験をしたと思います。
リワークを検討するのならサイコドラマを取り入れているクリニックをお勧めしたいですね。
お金の問題をクリアできないかを検討する。
僕は自宅を離れて単身赴任でリワークに参加しました。
なんとも贅沢なお話ですが、おかげさまで治療に集中することができました。
仕事を休んでの参加になりますので、収入は傷病手当金だけになります。
給料の6割程度しか支給されませんし、税金と健康保険料が重くのしかかるため、傷病手当金の半分は国に支払うことになります。
こちらは病んでいるというのに国のシステムとは残酷な現実ですよね。
医療費は自立支援受給者証を申請することで、上限金額が1万円となりました。
残りは家族と自分の生活費をどのように捻出するかです。
支出を抑えるために任意保険料を見直して、あとは貯蓄を削る生活を覚悟するしかありません。
引っ越し費用や単身赴任の生活費を考えると、将来への不安が膨らんでいきましたね。
それに見知らぬ土地での生活が待っているのです。
さらに不安が増していきます。
うつ状態で心が病んでいるというのに、我ながらスパルタだった気もします。
休職期限、傷病手当金が支給される期限、貯蓄が底をつく期限のそれぞれを検討しました。
そして最終リミットを決めて治療に向き合うことを決断しました。
仕事よりもお金よりも健康を取り戻すことを優先する
何よりも自分の健康を最優先することを選びました。
健康な体があれば、何歳からでもやり直しはできる。
そう思えるようになったのは、僕を支えてくれている妻が背中を押してくれたからです。
うつの状態では、どうしても被害者意識が強くなりがちですが、今こうして振り返ってみると、とても恵まれていたことに気がつきます。
とくに妻の協力がなければ、とても回復できなかったでしょう。
僕は仕事に対する抵抗感が抜けなくて結局、仕事を辞めてしまったのですが、仕事よりも、お金よりも、僕の健康を優先して考えてくれた妻の支えが無かったら、今の暮らしはできていません。
理解のあるパートナーと一緒に暮らせて良かったです。
感謝していますよ。
そして、ちゃんと言葉で伝えています。
完全にのろけ話になってしまいましたが、治療に向き合うためには周囲の協力が必要です。
あっ。
こういう話をすると「奥さんの稼ぎがいいから治療に集中できたんですよね?」と言われます。
僕の奥さんは扶養の範囲内で稼ぐパート社員です。
リワークに参加できませんか?
休職期限やお金の心配はあることでしょうけど、どうしても一人で乗り越えなくてはいけませんか?
これからの人生を見つめ直した時に、たった1年や2年くらい遠回りしたって、そんなものはモノの数ではありませんよね?
(すみません。本田宗一郎をパクりました。)
リワークに参加することができれば、同じ疾患で悩む人たちと気持ちを共有することができます。
たとえ今が一人だとしても、ご自身の疾患について理解してもらえる人がいなかったとしても、リワークに参加することで周囲の協力を得ることができます。
もちろん人間同士の関りですから、楽しいことばかりではなく、苦しいこと、辛いこともあります。
治療をやめたいと思うことも出てきます。
でも実社会で生きていくことを考えると、リワークで良好な人間関係を築いていくことは、ハードルが低いものです。
結論:うつ病になったらリワークに参加するべきだ。
なぜなら、うつ状態から回復して、再休職防止まで対策をするから。
そう言いながらも、近くにリワークがなくて参加できない方々のために、少しでも役立つ情報をお届けできるように、更新を続けていきます。
一日でも早く回復することをお祈りしています。
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