お客様との接点を作れ!セールスチームが初めて企画をやってみた【SaaSビジネス経験談 #19】
シナジーマーケティングのプロダクト「Synergy!❐」に関わるさまざまな職種のメンバーが、自身の経験をもとに、ビジネスに役立つ情報をお送りします。今回は、フィールドセールスが、お客様との接点構築のために、自分達の力で初めて施策を企画し実行したお話です。
みなさんは、自身のチームで新しい何かを企画し、実行した経験はありますか?
私はこれまでイチ営業として、お客様へのコミュニケーションの工夫をしてきましたが、どれも個人での活動に終始していました。個人でできることって限りがありますよね。その中だけで終わらせてしまうのはもったいない!しかし、フィールドセールスの場合、個人での活動がメインになるので、チームで何かを企画して実行するのは、リソース面だけでなくスキル面でもハードルが高くなりがちです。
そこで、今回は、私の所属するフィールドセールスのチームが、できるだけ多くのお客様とコミュニケーションをとることを目指して、初めて企画に挑んだ10ヶ月間の歩みをご紹介します。私達のように、施策の企画にチャレンジしたいと考えている方々のご参考になれば幸いです。
1.所属チームについて
Synergy!のセールスグループは、現在3種類のチームに分かれて活動しています。
※「支援」としているのは、弊社がクライアントファーストの営業スタイルをマインドにしているからです。詳しくは こちらの記事❐ でご紹介しています。
私はこの中の「既存のお客様への支援を主軸に活動するチーム」に所属しています。私の所属チームでは、数百社の既存のお客様を5名のフィールドセールスが担当しています。
2.所属チームの課題~すべてのお客様との関係性構築~
Synergy!のお客様の中には、マーケティングコンサルや設定代行といった付随サービスもご契約いただいているケースがあります。その場合、自ずとコミュニケーションが発生し、私達はお客様の状況を細かく把握することができます。お客様の状況を知ることができれば、さらなるご支援の提案もできますし、お客様も安心して相談してくださるので、万が一問題が生じたときもいち早く解決に動けます。すごく理想の状態です。
弊社はCRMの会社なので、お客様との関係性を育てることを大切に考えています。
ところなのですが、、、
Synergy!のみをご契約されているお客様で、運用が長期に亘って安定している場合などは、お客様としても私達に相談することが思い当たらないので、コミュニケーションの機会があまり発生しません。しかし、そのようなお客様であっても、実際にお話を伺ってみると、実は抱えている課題があって、それに対して私達が解決策をご提案できることがあります。そのため、私達は個別にコンタクトをとるようにしています。でも、中にはアポイントの機会をいただけないお客様も一定数いらっしゃいます。コミュニケーションがないとお客様との関係性の向上はおろか、維持すらできません。SaaSビジネスの企業として、ここを改善したいと考えました。
3.企画「攻メール」
お客様との良好なコミュニケーションのためには、お客様に私達とのコミュニケーションが有意義だと感じてもらう必要があります。普段の営業の業務に対応しながら、このミッションを実行する方法を考えるため、私を含めたフィールドセールスメンバーでのディスカッションの場が設けられました。メンバー全員が案を出し、実現性を加味したところ「メールによる情報提供」の施策を企画することにしました。お客様にとって有益になる情報を私達自身が提供し、それをきっかけにお客様から問い合わせをしてもらえる環境を作るのが目的です。
待ちの姿勢ではなく、「能動的=攻めの姿勢」でお客様に有益だと感じてもらえる情報を届けるメールの企画なので、この企画のことを「攻メール」と名付けました。
4.ステージ①:まずはやってみる
企画の概要が3月に決まったので、早速翌月の4月からメール配信を行うことにしました。まずは弊社の上期の6月まで実施します。
1配信ごとに発生する主なタスクは下記の5つです。
1)メールのネタぎめ
PJメンバー3名それぞれがスプレッドシートに案を書き出し、その中からお客様視点での有益性の高さと、原稿の用意のしやすさをMTGで議論して、メールのネタを決めました。各月のネタは原稿作成開始の直前に決めました。
2)原稿作成
ネタを決めたタイミングで、その原稿を作成する担当者を3名の中から決めました。初稿が出来上がるとメンバー全員で添削し原稿をアップデートしました。
3)配信リストの作成
お客様にとって不要な情報提供にならないよう、メールの内容に応じて送信対象を絞り込んだ顧客リストを準備しました。そのリストに対し、フィールドセールス全員で、お客様情報の更新がないかのチェックと配信可否フラグを付ける作業を行い、配信リストを作成しました。
4)配信依頼
弊社の場合、既存顧客へのメール配信は別部署が管理・対応しています。そのため、当チームのマネージャーから該当部署に配信作業の依頼を行いました。このタイミングで当月の配信日が決まります。
5)振り返り
配信の約1週間後に、配信実績(開封率/クリック率/反応率)や返信状況を見て、振り返りを行いました。そこから次回はこうしたほうがよいのではないか、といった案を出し、次の配信に反映させました。
4月分が終われば5月分、5月分が終われば6月分、というように、単発の企画を繰り返す形で上記のタスクを進めました。
<ステージ①での問題点>
五月雨でタスクを進めていた状態だったため、期限直前でタスク漏れに気付いて慌てたり、後々「あのときはこのメールネタにすればよかった」という後悔が発生したりしました。
5.ステージ②:計画的にやってみる
上期が終了する6月末のタイミングで、7~12月の下期も「攻メール」を継続することが決まりました。下期の「攻メール」では、上期に気付いた問題点を解消したかったので、12月までの長期的なアクションとして事前に計画を立てることにしました。そのために行ったのは次の5点です。
1)7~12月までのネタの方針ぎめ
最初に各月のネタの方針を決めることにしました。用意したのは、一般的なイベントカレンダーです。そこにSynergy!のアップデートや新しいマーケティング支援サービスのリリースなどの情報を追記して、社内外のイベントを列挙しました。そのカレンダーをPJメンバー3名で見ながらディスカッションし、各月のネタの方針を決めました。
情報の質を向上させる要素の1つに「タイミング」があります。私達が伝えたい事柄を配信タイミングに合わせてピックアップすることで、企画全体の効果最大化を狙いました。
2)配信部署への相談、役割分担
既存顧客へのメール配信の管理部署に、企画内容を共有の上、各月の配信日と作業の役割分担を相談し、実施の同意をもらいました。お互いが無理なく配信を進めることが狙いです。
3)12月までの作業スケジュール作成
各配信のタスクとその役割分担を明記し、作業日程を決めました。今後はこれを見て進行します。
4)メール原稿のテンプレ用意
メール原稿の作成は、PJメンバー3名が持ち回りで担当することにしました。上期同様、初稿に対してメンバー全員で意見を出してアップデートしていきます。ただし、アップデートの際は、その原稿がどんな意図で作成されたのかがわからないと、アップデートの方向性がぶれてしまいます。それを防止するために、原稿テンプレートには下記の項目を用意しました。
・課題/仮説
・ターゲット
・伝えたいこと
・読み手に起こしてほしい行動
・配信日時
・メール件名
・メール文面
5)配信リスト作成の効率化
上期において、特に時間を要した作業が「配信リスト作成」でした。フィールドセールスがチェックする分量が多く、どうしても時間が必要でした。そこで、下期からはチェック依頼を出す際に、前月にチェックした配信リストを当月分の配信リストに反映させ、フィールドセールスのチェックは前月からの変更点だけで済むようにしました。これにより、配信リスト作成にかかる時間を3営業日分削減できました。
この1)~5)のアクションを行ったことで、各月の配信作業を滞りなく、安心感をもって進められるようになりました。
6.ステージ③:キャンペーン企画にチャレンジ
作業に慣れてきた10月は「チャレンジ回」として、他の月とは毛色の違うメール配信を企画することにしていました。そこで8月に入ったタイミングでその企画会議を行いました。
企画会議では、最初にこのチャレンジ回の「目的」を決めました。そして、その目的のために「誰に」どんな「コンテンツ」を届けるとよいのかを議論しました。そこで決まったのが「Synergy!クイズ」という企画です。
あとはこれを実現に向けて推進します。そのために下記のことを行いました。
1)企画書の作成
今回はインセンティブの費用を調達するために上長承認が必要でした。実は私達のチームでは、これまでこういった費用の申請をしたことがありませんでした。どうすれば、上長承認をもらえるのかがわからず悩んでいたところ、普段からよく施策を企画しているPMMのメンバーから「企画書」を作ることを教えてもらいました。PMM曰く、企画書を作っておけば、2つのシーンで役に立つとのことでした。1つは、誰かに説明が必要なとき。もう1つは、自分達が迷ったとき。企画書があれば自分達が最初に考えた目的や施策の方向性にいつでも立ち返ることができるとのことでした。早速「Synergy!クイズ」の企画書を作成しました。(企画書に入れた項目が気になる方は末尾をご覧ください!)
2)インセンティブの用意
企画書を作ったことで、上長への説明がスムーズに進み、スピーディに承認をとることができました。承認後は、インセンティブに利用する「giftee for Business」というサービスを使えるようにギフティ社との契約を行いました。
3)クイズの設問作成
お客様に「回答したい」と思ってもらうためには、クイズの設問が重要になります。どんな設問にするかを決めるため、メンバーでディスカッションしました。特に議論になったのが、設問のレベル感です。それぞれのメンバーに考えと思いがあり、どう判断するかの迷いが生じました。そこで私達は「企画書」を確認しました。目的に立ち返って改めて設問を見直すと、判断軸となる優先順位が明確になり、各々が納得感をもって決めることができました。
4)WBSの作成
Synergy!クイズキャンペーンの一通りの作業を洗い出したところ、多数のタスクがあることがわかりました。タスク漏れによって企画が停滞するリスクを避けるため、それぞれの作業を誰がいつまでに実行するのかのスケジュールを作成しました。
5)クイズツールの用意/設計/設定
クイズはSynergy!のフォームを使って行うことにしました。お客様はメールからクイズフォームに遷移し、クイズに回答します。そのままクイズの回答完了画面でインセンティブを受け取ってもらえる設計にしました。この設計を「設計書」におとして、メンバーで認識合わせを行いました。そして、この「設計書」をもとに実際の設定を進めました。
以上の段取りを経て、無事にSynergy!クイズキャンペーンを実施することができました。(これってどうやるの?と思われたSynergy!のお客様、お気軽にご相談ください!)
7. 成果
4月から攻メールの配信をスタートして、現時点で7本のメールによる情報提供が完了しました。(この記事は11月に執筆しております)
さて、その結果は??
ここまでで7件(1メールにつき1件)の問い合わせがもらえることを目標としていましたので、問い合わせ件数は今のところ未達です。しかし、これまでの傾向としては、配信から少し時間をおいてお客様からの問い合わせが来るケースが多いため、このあと、もう少し増えるのではないかと思っています。(配信からお問い合わせまでインターバルが発生するのは、メールを見たあと、その情報について、一度社内で検討されていらっしゃるからのようです。)
また、正直、この期間内で攻メールをきっかけにした案件の成約は難しいと思っていたのですが、2件の成約が生まれたのは大きな収穫でした。
なお、7本の開封率とクリック率の平均は下記の通りでした。
・開封率:38%
・クリック率:3%
一人の力では対応できない数のお客様に、情報をお届けできる土台が作れたので、今後は上記の数字を上げる施策を考えていきたいと思います。
8. 企画を実行するために必要な要素
今回、私達は初めて自分達で施策を企画し実行しました。実際にやってみて、必要だと感じた要素とそれをクリアするために用意しておくとよいものは下記の通りです。
この中で、特にキーになったのが「企画書」でした。「企画書」というと、立派なドキュメントを想像しがちですが、社内向けであれば、簡単なもので大丈夫なケースが多いようです。最後に私達が用意した企画書をちらっとお見せして、この記事を終わろうと思います。
お付き合いいただき、ありがとうございました!
これからも企画、頑張ります!
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