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Amazon advertising SEO/スポンサー広告(SA/AMS)の運用の極意

Amazonは誰もが知る日本最大級のECサイトですね。そこのAmazonサイト内に広告出稿をしたい企業が多く参入し、Amazonに対する広告費は年々増加しています。その一つのプロダクトととして「AMS」と呼ばれるものがあります。これはAmazon内のSEMのような感じで検索KWに対して掲載される広告が変化します。ここでは私が広告代理店に勤めながらこのAMSを通じて学んだ知見や運用方法を紹介していきます!

そこで現在AMSを使っているがなかなか売れず困っている、利用しているが効果が出せていない方必見です・・!


1.AMSとは

まずAMSとはAmazonが行っている広告サービスで、日本では2016年3月から提供が開始されています。

Amazon広告にはAMSだけでなく、AAP(Amazon Advertising Platform)やAVA(Amazon Video Ads)、AmazonDSPなど、複数の広告商品が存在していますが、その中でも今回はAMSの運用メソッドを紹介していきたいと思います。

そもそもAmazonサイトのMAU数は、モバイルとPCを合わせると、日本国内だけで約5500万人に及ぶといわれています。

AMSの配信対象となるユーザーは、Amazonサイト内で商品を検索しているため、購買意欲が高く、獲得効率が高いのが特徴です。

さらにこの膨大な数のユーザーに対して、特定のキーワードや興味・関心でのターゲティングをすることが可能なのです。Amazonサイト内の商品ページに誘導し、コンバージョンを発生させるため、広告主はAmazonでの販売促進が実現するのです。

またAMSはROAS(投資対効果)を明確に把握できます。

AmazonはASINと呼ばれるいわゆるバーコード的な役割を果たす10桁のIDが各商材に割り当てられています。このASINをトラッキングすることでいつ、何個売れたかが正確に計測することができます。つまり、広告費に対する売り上げが把握できるため、今後のマーケティング戦略に活かしPDCAを高速で回せるのが強みです。

またAMSはセルフサービスとなっていて、クリック課金で、小額から購入が可能なため、中小企業や個人事業主からでも利用可能となっています。

そのため誰か1人でも周りでAMSの運用知っている人がいればすぐに始められます!!

そしてAMSを活用することで、以下のサイクルを生み出し売上を伸ばす事が目的です。

①AMSでAmazonへ広告掲載→②AMSで運用を調整を行う→③商品詳細ページのトラフィックが増加→④広告商品が購入される→⑤購入されることで広告ランクが上昇しさらに掲載されるようになる→①へ

AMSでの運用さえ出来れば有効な掲載枠(後ほど記述)へ掲載され、さらに売り上げが伸びます。Amazon内で全て完結し、圧倒的なコストパフォーマンスで売り上げが可視化される、これがAMSです!!!今回はその運用調整である②の方法について紹介します!

・・・その前にAMSには3つの広告メニューがありそれぞれ設定や掲載面が異なりますのでそれをまずはご紹介します!ちなみに運用方法は3つとも大きく変わりません!!



2.AMSの3つの広告メニューについて

AMSには以下3つの広告メニューがあります。

・スポンサープロダクト

・スポンサーブランド

・スポンサーディスプレイ

それぞれ設定項目、掲載枠が異なるので個別に説明します。

スポンサープロダクト

ターゲティング方法としてオートターゲティングとマニュアルターゲティングの2種類があります。

オートターゲティング

Amazon側でキーワードを自動選択してくれます。購入者が入力した検索キーワードに対し、あらかじめ設定された商品の中から関連のある商品をAmazonが自動選択し、広告を掲載する仕組みです。設定としては掲載したい商品(ASIN)と設定して入札単価を設定するだけで後は勝手に掲載されます。

マニュアルターゲティング

SEOと同じような運用、設定と認識してもらって大丈夫です。まず「Amazonでこのキーワードが検索されたらこの人は自分達の商品に興味あるだろうな」というキーワードを自分で設定していきます。キーワードを個別に設定することができ購入者が入力した検索キーワードと、設定したキーワードをマッチングし、広告が掲載されます。

さらにキーワード毎に「マッチタイプ」という設定が可能です。これには3種類あり、「完全一致」・「フレーズ一致」・「部分一致」があります。

マッチタイプの考え方は以下を参照してください。後ほど運用部分で深掘りします。

https://www.tamko-amazon.co/blog/amazon-match-type/


実はスポンサープロダクトはKWターゲティングだけでなく、商品ターゲティングというターゲティングもあります。これはKW毎ではなくAmazonが規定しているカテゴリーに属する商品を検索した時に広告が表示されるターゲティングになります。KWターゲティングより大きくオートターゲティングより狭いという感じですね。

掲載面は下記のイメージです。

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・スポンサーブランド

スポンサープロダクトと違う部分は掲載枠と設定内容が多少異なります。

スポンサーブランドは宣伝したい商品(ASIN)を3つまでと見出し、ロゴ画像を設定することができます。つまりスポンサーブランドは自社の商品を一気に掲載できる誘導に近い広告メニューです。新規ユーザーなどが競合商品の検索した際に自分のスポンサーブランドが掲載されればブランドスイッチを狙うことができそのままCVに繋げられる事も可能です!!

設定としてはスポンサープロダクトと異なり、KWターゲティングのみしかありません。

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・スポンサーディスプレイ

商品詳細ページにのみ表示される広告メニューです。

スポンサーディスプレイに関しては入札価格とASINのみ設定するため特に運用方法はなく、入札価格のみ調整という感じなので運用方法の紹介はありません。



3.AMS運用の極意

いよいよAMSの運用について紹介していきます!(長々とすみません。。)

まずAMSに広告を掲載したいということはほとんどのKPIがROASの最大化、またはACOSの最小化(=どちらも同じ運用方法になります)だと思います。

つまりこれを読んでくれている方は自社のROASが伸び悩んでいる方だと思います。なので基本的にはROASを向上しさせる運用方法について紹介していきます。

AMSの特徴は下記の通りです。

・全広告メニュー日予算を設定する

・設定した日予算に対してAMSはペース配分無視で0時から消化していく

・設定した日予算を超えると予算超過となりその日の掲載しなくなる。

・全てクリック課金となるのでインプレッションが発生した段階では消化は発生しない。

・セカンドプライスのため入札単価より低い価格でクリックされる



これらを踏まえケース毎に運用方法をご紹介していきます。

①日中に予算超過してしまう

例えばスポンサープロダクトで日予算/10,000円を設定していたとしても入札価格が高くクリックされまくるとお昼の12時にはストップしてしまいます。そのため翌日の0時を待つか日予算を増額するしか再開の方法はありません。

これの何がいけないかというと、そのCPにはポテンシャルがあるにも関わらず1日の半分しか広告を掲載出来ていないということです。

Amazonのユーザーに限らずですが、アクティブユーザーは夜が活発化されます。それに対して広告を掲載できていないとなると、もしかしたらCVしてくれていたかもしれないユーザーへの機会損失となってしまっているのです。

予算超過している=クリックされている=興味関心が高い

と捉えて行うべき運用は

・入札単価を下げる

・予算を増額する

まず入札単価に関しては今より低い価格でもオークションに勝てる金額を見つける必要があります。これは日々運用してレポート分析して調整していくしかないのですが、今よりも下げることでCPC単価が自ずと低くなるはずです。つまり1クリック当たりの単価が下がり、一日でより多くのクリックを稼げるようになります。

※ASINと自社に関わるKW(会社名、商品名など)の場合、KWとASINの関連性が高いため広告ランクが上昇しより低い入札単価で掲載することが可能です!

またAMSにはKW毎の「推奨入札額」が設定できることがあります。これはAmazon側で様々なデータを元にして算出されたもので単価下げを考えているならこれを設定してみてその後どう変化するか確認してみてもいいかもしれません。

予算増額に関してはおそらく広告をAMSに出すにあたり1CPだけではないはずで。そこで他のCPの消化進捗を確認して、そこで日予算に到達していないCPがあれば、そこから予算を持って来て予算超過しているCPの日予算を増額することでCP全体として最適化がかけられます!


②予算超過しない、日予算まで消化できていない

このケースは入札単価が低い事もしくは設定しているASINがあまり売れない商品のため検索、クリックされないことが原因となっています。

運用としてはまずKWの入札単価をガツンと上げて見ましょう。それで翌日に予算超過になっていることを確認したら徐々に単価を下げていくのがいいと思います。単価を上げてもクリックが付かない、消化が進んでいないようでしたら、やはりASINのポテンシャルがないため別のASINを追加するなどで消化促進が見込めます。


③ACOSを下げたい!

皆さんがAMSを運用して知りたいのは結局このACOSを下げる方法ではないでしょうか。上で消化したケースの場合でもACOSは下がりますが、他にも下げられる運用方法をいくつかご紹介いたします。数が多いので箇条書きにします。


・スポンサープロダクトの場合はオートターゲティングで検索KWレポートを分析しACOSの低いKWを「完全一致」でマニュアルターゲティングに追加します。これによりオートターゲティングより低い価格で入札ができるためACOSも比例して低くすることができます。

・スポンサープロダクトは下部に出したくないので掲出先の調整で検索ページに下部は出さないようにします。スポンサープロダクトの掲載面として「検索結果ページ」の上部か下部に掲載されます。やはり上部の方がCTRが高く、クリックにつながりやすいですそのためできるだけ上部に掲載されるように下部に出ないように設定できる項目があるので%を調整します。


・ACOSの高いKWを停止しましょう。ASINとKWの整合性によりAMS内のロジックとして掲載出来るかが変動します。掲載に関わる変数としては

KWの入札単価*品質スコア

上記のロジックで最も高いASINが掲載される仕組みです。そしてその品質スコアというのが下記5項目から成り立っています。

(ASIN毎のCTR)*(ASINのDPV数)*(売上)*(商品の評価)*(KWとDPVの内容の整合性)

この変数の掛け合わせにより品質スコアが決定します。重要度順に並んでいるので最も重要なのはASIN毎のCTRとなります。それはそうですよね、AMS自体CPC課金なのでよりクリックされる方がAmazonにとっても収益になるのでよりクリックされやすいASINを掲載する方がクライアントとAmazonがWIN-WINになれますからね。


これによりACOSの高いKWは設定していたところで無駄にimpを出し掲載している可能性があるのでそれだったらACOSの低いKWだけを残していくことでさらにACOSを下げられます。しかし、KWが減ることでとれていたクリックが無くなり消化しにくくなるため、そこはKWの単価上げで対応する必要が出てきます。


・「完全一致」のKWを追加する。上部に記載した掲載ロジックを踏まえて設定するKWのマッチタイプはできるだけ「完全一致」もしくは「フレーズ一致」のみでいいです。。完全一致だとよりスコアがあがり掲載されやすくなるためである。仮に「チョコレート:完全一致」、「チョコレート:部分一致」の場合、同じ検索KWで違うマッチタイプの状態でオークションをしています。

つまりカニバリを起こして、機会損失になっているためこの状態を避けるように「完全一致」がオススメです。そこで先ほど紹介したオートターゲティングでACOSの低いKWを「完全一致」で追加する作業が活かされてきます(=゚ω゚)ノ


・CPの除外KWとしてオートターゲティングのKWを追加することでカニバリを防ぎます。これもマッチタイプの時と同様の考え方でマニュアルターゲティングとオートターゲティングで同じKWでオークションしている可能性が非常に高いので機会損失が発生しています。そこでオートターゲティングで使用されているKWはマニュアルターゲティングでは除外KWとして設定しましょう!


・競合他社のKWを盛り込んだCPを作成しましょう!自社に関するKWだけだとリピートユーザーには広告が掲載されますが、競合ユーザーには掲載されず、かなり守りの広告となり継続して売上を維持するのは難しいでしょう。

そこで競合他社に関するKWや一般的なKW(Ex:風邪薬の商材なら「風邪」や「発熱」、「鼻水」など)を追加したCPを作成して、新規顧客やブランドスイッチを狙うなど攻めの運用をしてみましょう!Amazon内のロジックにより競合他社のKWと設定しているKWの整合性が低いためかなり入札単価を上げないと掲載されないことが予想されるので、ACOSは高くなりがちですが、そこで刈り取ったユーザーをその後、自社KWのCPで獲得できるようになれれば全体としてACOSは下がっていくはずです。



長々と書いてきましたが以上がAMSの運用方法です。かなりマニアックな運用方法や実際に効果があるのか?とか感じる部分もあったと思いますが、一度でいいので実際にやってみてACOSが変わらなければ違う方法を検討してください。正解はないのでPDCAをひたすら回して自分なりの運用手法を見つけられる手助けになれば幸いです。


反響があれば今後もこのような運用方法や知見を紹介していきたい思います!












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