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速読に必要な力とは

 速読に必要な力とは何でしょうか。wpmを上げるために,簡単な英文をたくさん読んでも意味はありません。それはいつか限界がくると述べました。では,速読には具体的にどのような力が必要でしょうか。

(1) 単語・熟語を「速答」できる

 Quick Response(QR)といいますが,単語や熟語を速答する力です。

 たとえば,500 words の文章でも,1つの単語を思い出すのに3秒かかったら,3×500=1,500秒,つまり,25分もかかってしまいます(もちろん,冠詞や代名詞なども含まれるので,実際にはこんなことはないかもしれませんが…)。

 また,このような単語はリスニングではかえって邪魔です。気づいたら,リスニングが終わっているなんてことになりかねません。

(2) 構文把握を瞬時にできる
  =構文予測力をつける

 速く読みたいからといって,単語の意味だけを拾ってつなげていくという作業では,正確に読むことはできないし,意味把握が困難になり,何度も読み返してかえって読むスピードが遅くなることもあります。

 瞬時に構文をとり,意味かたまりや修飾関係を瞬時に把握できることが大切です。そのためには「精読」と「音読」です。

 たとえば,He played soccer in the park. はわざわざ構文をとらなくても意味を把握できると思います。

 それは同じような構文に何度も出会い,音読や発話を繰り返しているからです。「精読」したものを何度も「音読」することで,構文パターンを推測する力がつき,難解な文も次第に速く解釈できるようになります。

(3) 背景知識(スキーマ)を増やす
  =内容推測力をつける

 自分が知っているテーマを増やしていくというのは大切なことです。

 たとえば,経済学の本を読むとします。日本語の本でも,はじめて経済学の本を読むときには時間がかかるはずです。しかし,何冊か読んでいくと,「読んだことがある内容」と「新たな内容」がでてきて,前者は速く読むことができ,後者に時間を割きます。結果として,読むスピードは上がります。

 英語でも同様です。背景知識を増やす,つまり興味の幅を広げれば,読むスピードは上がっていきます。

 「多読」の意義のうちのひとつはここにあります。「読み慣れ」のために多読するわけではないということです。

 速読力の素地はこのようなところにあるのではないでしょうか。地道かもしれませんが,このような速読のための訓練が速く読めることにつながるでしょう。

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