# 気分に忠実に本を選ぶ
「本をどうやって選んでいるか、1冊どれくらいで読み切るのか、教えてほしいです」と,先日フォロワーさんからリクエストをいただきました.
自分では意識したことないお題だったので,読書にまつわるあれこれについて, ありがたくお答えしたく思います.
# 私にとって自然なこと、
今回は私の本の読み方について。
▽連載バックナンバーはこちら
***
1冊を読むスピード
周りから「読むのはやいな」とよく言われます。
本の分厚さやジャンル、忙しさによって割と読むスピードはバラバラ(当たり前か)ですが、文庫本は2〜3日、単行本は5日くらい、時間にして4〜6時間くらいかと思われます。
たとえば…
探偵チームKZ事件ノートシリーズ(青い鳥文庫の児童書, 250〜400ページ)は、1日(数時間)で読了。
恩田陸『蜜蜂と遠雷』(単行本, 507ページ)は高1のGW、祖母の実家へ行く往復の電車の中で読了。
凪良ゆう『流浪の月』(単行本, 336ページ)は 3時間、『汝、星のごとく』(単行本, 357ページ)は4時間で読了。
原田マハ『風神雷神』は<上><下>合わせて、旅行の中の行き帰りで読了。(文庫本, 上464ページ, 下339ページ. おそらく下は3時間くらいです)
といった具合です。
ですがそれは「速く読もう!と意識しているから」とか「ページ数的に」とかではありません。
私は「そのときの気分に合うか」、「本のおもしろさ」、「集中力が削がれない状況で読み続けることができたか」に大きく左右されます。
たとえば「役に立ちそうだから」と思ってビジネス本を手にとっても、読みたい気分でなければ読めません。「評判がいいからとりあえず」と思って手に取っても、自分に合わなくて進まない時もあります。「イマイチだな…」と思っても、「せっかくだから」という理由で読み続けることはできません。順調に読み進めていても、忙しくなって読めない期間が続けば、次読むときにはもう読みたいものではなくなっている、というようなこともあります。
なので私は、常に「読みたい!」という気持ちに忠実に選び、その本を一気読みするようにしています。
「そのときの気分に合うか」
本屋さんに入って、直感で「おもしろそう!」と思ったものや、なぜか気になったものを選んでいます。
たとえば、彼に振られそうだったときには、主人公が失恋した小説(宮下奈都『太陽のパスタ、豆のスープ』)を読んでいました。忙しいと分かっていながら、町田そのこ『宙ごはん』が気になって仕方なかったので、忙しい時期でしたが買って一気読みしました。旅行で行き帰り、新幹線や飛行機などで時間ができそうな時は、<上><下>分かれているものや、分厚い本を選んで持っていきます。(原田マハ『風神雷神』、恩田陸『蜜蜂と遠雷』、 劉 慈欣『三体』など)
あと、外出したら本屋に入るのがクセ&本屋に入ったら基本なにも買わずに帰れない性分なので(笑)、家に読めてない本が溜まっていきますが、気にせず次々と書います。そして、買ったもの順ではなく、やはりその時々の「読みたい!」順に読んでいきます。残っているものの中で一番最初に買ったはずなのに、買った時から何ヶ月もあとになって読み終わる、というようなことはザラです(笑)。(本屋さんごとに本の並びとか違って、目に入る本も変わってくるので、前気になった本が目に入らず、他に良い本が見つかる、なんてことも多いです。)
こんな私も昔は「読み終わるまで次買わない、絶対本は1冊ずつしか読まない派」でした。すぐに読み終わるから、一度に2冊買うとか、1冊目読んでおもしろかったシリーズを一気に買う、とかはありましたが。
ですが、高校〜大学生前半で、本を読まない期間が続いた中で、情報収集のための読書(主にビジネス本)をはじめると、それでは追いつかないな、と気づきました。読まない期間に読みたいと思っていたものから順に読んでいると、世の本屋さんには常に新しい、時勢に合う情報が提供されている本が並んでいて、やっぱりそっちの方が魅力的で、読みたくなるもので。ビジネス本、という、基本的にトレンドがものを言うジャンルにハマったからこその学びでした。
「本のおもしろさ」
「直感と言われても…」という方もいると思います。(私も、久しぶりに本を読み始めた時には直感鈍ってました…。)
そういうときは「本屋さんの本棚」と、小説なら「受賞作」、ビジネス本なら「SNS」をヒントにしてます。
本屋さんの本棚は、入口側や各ジャンル(ビジネス、文芸書、児童書…)の1番手前の棚に表紙を向けて、新作や人気作が置かれがちです。ビジネス本も小説も、そこにあるものをみると、表紙やあらすじ部分で、ビビッとくるものに出逢いやすいかなと思います。
ビジネス本なら、SNSも侮れません。TwitterやInstagramでは読書垢でない、ビジネス知識に関するアカウントで「おすすめのビジネス本まとめ」投稿されていることもあるので、そういうものを使うのも良きかと。もちろん、知りたいテーマから逆算して、その中でビビッとくるものも良きだと思います◎
小説なら、棚だけでなく、本屋大賞・このミステリーがすごい!・キノベス、といった賞の受賞作がおすすめです。直木賞や芥川賞も有名で、おもしろい作品ももちろんありますが、特に芥川賞は読書慣れしてないと(読書慣れしてても…)お堅く感じたり、ついていくのが難しくなるような作品もあったりする気がします(超主観)。
あと、直木賞や芥川賞はノミネート段階で5冊くらいまで絞られていて、最終的に注目されるのも受賞した1冊だけ、なことが多いですが、
一方、本屋大賞などはノミネート段階で10冊あるのと、最終的に1位から10位まで順位がついて、受賞作以外も注目されやすいので、間口が広いという違いがあります。なので後者の方が、より広い選択肢から自分に合う1冊に出逢いやすいのかな、という印象です。
最近の世の中的なトレンドは、小説なら食にまつわる系なのかなぁ、と勝手に思ってます。
ちなみに。私は、ビジネス本、自己啓発本、小説、エッセイ、漫画、雑誌、参考書、レシピ、ガイドブック、芸術、音楽、スポーツ…と、本屋に売っているものは基本好きで、小説も歴史小説、ミステリ、文学まで幅広く読みますが、
最近はビジネス・自己啓発より小説、
ミステリより文学、エッセイが自分の中でもトレンドです。
あとは、直感や受賞作でおもしろい作品に出会ったら、その作品を書いた著者の過去作を読む、
note・Twitter・Instagramで自分が好きな文章を書く方や世界観が好きな方が読んでいる本の中からおもしろそうなものを見つけて読む、
といった選び方もしてます。
好きな作家さんは多すぎますが、あえて厳選するなら
ミステリなら、東野圭吾さん、湊かなえさん、相沢沙呼さん、
温かい物語を求めるなら、小川糸さん、益田ミリさん、吉本ばななさん、宮下奈都さん、森絵都さん
アート・旅系・背中押す系なら、原田マハさん
独特の世界観を楽しむなら、江國香織さん
気づきがほしければ、朝井リョウさん、凪良ゆうさん、町田そのこさん
救いがほしければ、辻村深月さん
連作短編なら、青山美智子さん、
エッセイなら、若林正恭さん、朝井リョウさん
です!
個人的に一気読み必至は、原田マハさん、凪良ゆうさん、町田そのこさんです。
「集中力が削がれない状況で読み続けることができたか」
ここまでで既に3000字超え(すみません…)ですが最後に。
基本的に私が本を読み進められる環境は、
・寝る前
・休日ソファの上
・旅行の行き帰り(電車・新幹線・飛行機の中)
だと思ってます。
普通の大学の行き帰りだと、降りる時に強制的に止めないといけないのが辛いので、カバンに1冊は本が入っていますが、外では読まずに帰ることも多いです。(最近は電車の中でnote書きがちです)
逆に、明日朝早くてやばい、と思っても、おもしろければ一気読みしちゃいます。良い本に出会えた満足感に比べれば、寝不足なんてどうでもよくなります。タスクがやばい時も、最近は締切前日に進捗ゼロとか、当日とかでない限り、読んじゃうかもですね…。
あと、場合分けも1つの手です。
ちょびちょび読んでも問題がなさそうなもの(短編集やエッセイ)は寝る前や電車内で、一気読みするもの(ミステリやちょっと読んですぐおもしろい!と思った長編小説)は読んでしまう、
重い単行本は家で、軽い文庫本は外で、
といった感じで、それぞれ集中を注げる環境に応じて最適な本を選び、同時並行で何冊か読む、という読み方をしていると、読み終わりがちょうど良いペースでバラけてくれたりします。
***
ここまで3500字以上、お付き合いいただいた方、そしてなによりリクエストくださったmemeさん、ありがとうございました!
フォロワーさんのリクエストにお応えするの、新鮮で楽しかったです。ぜひ今後も、なにかリクエストあればお気軽にコメントください☺️(「この本読んで感想書いて欲しいです!」とか、読書に限らず「こういうとき翠はどう考えますか?」とかでも全然OKです!)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?