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そっか。私、この仕事が好きだったんだね。


3月2日、大学4年間、アルバイトとして勤務したスイミングスクールのコーチを退職しました。


4年間、と言ったけれど、この場所に通った期間はもっと長い。

私は中高と水泳部だったけれど、中学にはプールがなく、高校は屋外プールオンリーで、休日や冬場の練習場所として中高6年間、プールを借りるためにバイト先のスイミングスクールに通っていた。

その頃も合わせると、計10年の付き合い。

レギュラーで勤務していたのは週1日だったものの、自分の人生の半分近くを過ごした場所とのお別れはやっぱり、感慨深いものがある。



元々、大学の水泳部は違うキャンパスにあって通えず、うちのキャンパスの水泳サークルでは月1回しか泳げないと知ったときに、大学では水泳をきっぱり辞めるつもりだった。それでも水泳を諦められなくて、スイミングスクールでコーチのバイトをすれば、レッスン中に見本を見せるときにちょっとだけでも泳げるかもしれない。レッスンの前後とかに隙を見つけて泳げるかもしれない。プールの利用が割引になるかもしれない、と思った。たとえ、そんなふうに自分が泳げなかったとしても、私は子どもと関わるのが好きだし、「水泳」というものに関わることさえできればいい。


水泳×子ども=好き×好き=最強、じゃん。


そんな気持ちではじめたバイトだった。


とはいえ、当時はもう1つ 塾講のバイトもしていたので、週1日, 土曜朝の子どものクラスを2コマ(9:30~12:00)からのスタートだった。大学の授業とと塾バイトの兼ね合いで、そこしかシフトに入れなかったというのもあるけれど、土曜の朝はどうせ寝るだけだから早起きして有効活用できるならいいか、と最初は思っていた。

実際にはじめてみると、土曜の朝に早起きするのは予想以上にしんどかった。実際にいるのは9:30~12:00の2時間半でも、レッスン単位で見ると2コマ。さらに、その前後に準備があったり、着替えがあったりするので、正直割りのいい仕事ではなかった。午後は空いているとはいえ、そこに予定を入れたとしても髪がずぶ濡れだから、結局 次の予定を入れられるのは12:00終わりでも13:30以降とかだった。

おまけに、泳げると思っていたレッスンの前後は、次のレッスンの準備に追われていて自分が泳ぐどころではなかった。
そもそも最初はサブコーチと監視からのスタートで、自分が見本を見せる機会なんてなかった。自分が担当するクラスは基本クロールすら泳げないような子たち、年齢的にも未就学児〜幼稚園児がボリュームゾーンのクラスばかりで、中高部活で取り組んできた「速く泳ぐための水泳」はほとんど役に立たなかった。


正直、いつ辞めてもおかしくなかった。


メイクはしなくていい(水が汚れるからむしろダメ)けど、朝は早い。水の中に長時間いて疲れるので、帰ってきたらいつも爆睡で半日消える。コマ数で給料が発生するので労働時間とズレが生じて割りに合わない。時給も労働量に見合っているとはいえない。メイクもできないし髪が濡れるのでバイト後に授業や他のバイトを入れることもできない、シフトを増やそうとしてもそもそも平日はレッスンの時間帯と大学の授業と被って入れない。だから、この4年の間、何度もバイトを掛け持ちしたし、新しいバイトを探すとき、求人に【土日どちらかは必ず勤務】という条件がある度に、「水泳のバイトさえなければな…」と思った。毎週金曜日の夜が来るたびに、土曜日の朝6:30に目覚ましが鳴るたびに、嫌だった。


だけど、辞めることはできなかった。


仕事柄、労働環境が合わないだけで、人間関係は極めて良好だった。社員の人も、バイトの人も、パートの人も、コーチ陣も、受付陣も、ほんとうにみんな良い人ばかりだった。

シフトの柔軟性も、毎月20日頃に出す翌月1ヶ月分のシフト希望で休みたいところに「×」と入力しておけば代わりを探すこともなく休むことができた(そこで「×」してない急な休みは代わりを探さないといけなかったけれど)。万年人手不足な業界で、週に2〜3日、あるいは5日コンスタントにシフトに入る人と、1ヶ月に1度入れたらいい方の人と完全に二極化していて、週1日しか入れないことを申し訳なく思っていたものの、週1日だけでもちゃんと来てくれるだけでありがたいとむしろ重宝された。


そしてなにより、生徒たちが本当にかわいかった。

いつ辞めてもおかしくなかったのに辞めたくなかったのは、4年間続けてこれたのは、生徒たちがいたからに他ならない。4年間で50人以上は担当したと思う。以下、付き合いが長い子をメインに自己満で何人かメッセージを書き残しているけれど、メッセージを書いていない子もひとりひとり、顔と名前をちゃんと覚えています。本当は一人一人お手紙を書きたかったくらい、みんなに思い入れがありました。






*****



リョーちゃん

彼は、私が1回生のとき、初めて受け持った3コマ目のクロール級のクラスの生徒で、私が教えてきた中でおそらく唯一 クラス変更ではなく、スクールを辞めてしまった生徒です。年齢的な可愛さ幼さと、圧倒的にイケメンな顔面を兼ね揃えていて、クールな子でした。お父様もとても感じのよい爽やかな方で「合格に何が足らない感じですか?」と熱心に質問してくださり、進級してコーチが変わった時には「今まで本当にありがとうございました。またコーチに教えていただきたいです。」と言って下さったこと、今でも覚えています。

リョーちゃん、あなたが5級・6級の頃から9級でクロールを合格するまで、あなたの成長を見守れたこと、今でも嬉しく思っています。泳ぐのが上手で9級まで順調に合格してきた中で、9級にきてはじめて立て続けに不合格が続いたこと、辛かったと思います。初めての挫折だったかもしれません。
だけど、めげずに毎週レッスンに通ってくれて、クロールの合格まで頑張ってくれて、ありがとう。最初は不合格でも特に気にしてなさそうだったあなたが、不合格で悔し涙を流すようになるほどの成長を見せてくれたこと、それに伴って泳ぎもすごく上手になって行ったこと、それを一番近くで見守れたこと、私の宝物です。どうかお元気で。



彼女らは私が初めて出会った1番年齢の小さい子(1歳〜3歳)が集う、1コマ目・水慣れ級のクラスにいた子たち。1回生の間は2コマ目から勤務だった私は、1コマ目の彼女らが帰る頃に勤務開始で、そんな私が勤務時間の1番はじめの業務は1歳半でまだ歩くのもギリギリだった彼女らと手を繋いでプールから更衣室へと向かう階段を降りることだった。その頃に出会って最後まで縁あったのが以下の2人。

ケイナちゃん
いつも愛嬌たっぷりで、ご機嫌なケーナちゃん。あなたはよく気のつく、とても優しい、賢い子です。すぐに懐いて甘えてくれて、たくさんお話してくれて嬉しかったよ、ありがとう。コーチの誕生日がケーナちゃんと近いと知って「コーチはお誕生日なにがほしい?(プレゼント)なんでも買ってあげる!」と言ってくれたこと、なっちゃんとプール終わりに遊ぶんだ、と話してくれたときに「コーチも来てもいいよ」と誘ってくれたこと、今でも覚えてるよ、嬉しかったから。
そんなあなたが泣くのを私はほとんど見たことがありませんが、唯一覚えているのは私の勤務最終日。ついこないだのことです。25mクロールのテストが怖くてテストを受けることもせずに帰ってきてしまったことを悔やんで泣いていたあなたを見て、私は嬉しかった。それを悔しがれるところが、あなたのいいところです。それは水泳だけではなくて、「お姉ちゃんだから」としっかりしなきゃと頑張っているあなたを私は知っています。時にはあなたの持ち前の愛嬌を武器に、いろんな人に甘えてね。

リトちゃん
とても人見知りで、初めて私がコーチとしてあなたを担当したとき、あなたの顔が強張っていたことを今でも覚えています。基本的に心を許すことがないというあなたが、3回目にして私に懐き、今日に至るまでたくさん話しかけてくれたこと、本当に嬉しかったです。
私に何かを話しかけるときの口調は歳の割にハキハキしていて論理的で、頭の良い子だなぁと思っていました。
だけど、かまちょさんな一面もあって、ゴーグルがつけられないふりをして、私が迎えにいくまで泳ぎはじめないところも、かわいかったなぁ。浮くの苦手だったのに、がんばって練習してくれて、ありがとう。


彼女らが上のクラスに上がった後、1コマ目・水慣れ級のクラスに入会してきた「二世代目」の彼ら

ワカトくん
初めて会ったのはあなたの体験入会のときでした。最初はプールに入るのも怖がって、壁にしがみついていたあなたが、私に抱かれて入水したのを機に水が平気になり、1ヶ月も経たないうちに1人で水に潜ったり、浮いたりできるようになったのを見たときにはびっくりしました。身体もとても柔らかくて、水中でアクロバティックな動きを繰り広げるあなたを見て「身体能力高ッ」と思い、思わずあなたのお父さんに「体操とかも向いてそうですね!」と言ったことを覚えています。(お父さんも「そのうち習わせたいと思ってるんです」とおっしゃっていた)
そんなあなたは人見知りで、私以外のコーチだとレッスンに来ることすら渋ると聞きました。それは勿体無いことだけど、少し嬉しくもあります。二度目に担当した時には、見様見真似でバタフライの動きもしていましたね。それほどの能力のあるあなたの成長が私は楽しみです。どうか、練習に励んで水泳を続けてほしいと願っています。

タカラくん
私が知る限り、最年少はあなたでした。
一度目、あなたが1歳半にもなっていない頃に担当した時はほんとうにポーカーフェイスで、身長も足りなくて、溺れているのか浮いているのかわからないほどでした。だけど、それはちゃんと水に浮いていて、人一倍泳ぐのが大好きなあなたが積極的に泳ぐ様子を見るのが私は楽しみでした。
二度目、あなたが3歳になって担当した今回は、私にしっかり懐いてくれてまだ舌足らずながらたくさんお話ししてくれましたね。「た」や「ら」がまだ言えなくて、自分のことを呼ぶとき「ちゃかぁーくん」となるのも、少しかまちょに成長して、「ちくちくする」と私が帽子を被り直すまで泳がなくなったのも、かわいくて仕方なかった。浮くのは綺麗に浮けるのに、バタ足が上手くできなくて、それでも私が最後だからとテストを頑張ってくれたこと、いつもはボーッとプールを見つめているのに最後の挨拶で「ありがとございました!」と言ってくれたこと、とても嬉しかったです。ありがとう。

アンリちゃん
しっかり者なアンリちゃん。私が「3月2日でコーチ最後だよ」と言った言葉を、ちゃんとお父さんに伝えてくれていたのですね。親御さんの中で「コーチ今日で最後だってアンリが言ってたんですけど…」とわざわざ最後の挨拶とお礼を言いにきてくださったのは、アンリちゃんのお父さんだけでした。2月から毎回来るたびに「コーチ今日で最後?」と気にしてくれて、ありがとう。

練習中も1本も手を抜くことなく頑張ってくれて、泳ぎのセンスも抜群でした。年齢の小さいタカラくんを気にかけてくれている様子も微笑ましかったです。そんなアンリちゃんにコーチはたくさん助けられました。ありがとう。

「アンリちゃん、大きくなったらねーね(お姉ちゃん)とドーナッツ屋さんなるのー」と言っていた夢、叶うといいね。


しゅんくん、いっちゃん
あなたたちは2人でいつもラブラブでしたね。レッスン中に追いかけっこをしたりするのは危なくてヒヤヒヤしましたが、仲良くしている様子は微笑ましくて、ラブラブなあなたたちを見るのが好きでした。
しゅんくんよりはしっかりしているけれど、明るくていたずらっ子ないっちゃん、遊んでばかりだけど温厚でやさしいしゅんくん、2人が揃う日のレッスンは大変だけど、楽しかったです。クラスが変わってからもふたり揃って変わらず話しかけにきてくれていたこと、いつもすごく嬉しかったです。ありがとう。


3回生〜4回生にかけて担当した2コマ目・クロール準備級のクラスの子たち

シュンくん
コーチとして担当したのはたった1〜2ヶ月のことでしたが、私は1回生の頃からあなたのことを知っていました。いつも少し遅れてやってきて、元気いっぱいでコーチたちを困らせていたのを監視として見守っていました。

あなたの方も私のことを覚えてくれて、担当する前からたくさん話しかけてくれましたね。レッスンを終えた後に、私のスイムタオルを私から奪ってサウナの床に叩きつけようとしたり、オリジナルのジャンケンを仕掛けてきて12戦したり、とあの手この手を使って私に構ってもらおうとするあなたの姿がかわいくて仕方なかったです。私が3月2日で最後と知ったときも、他の子達が年齢が低くてまだその言葉の意味をあまりわかっていない中で、真っ先に「え、じゃあプールもう辞めちゃうの?」「お引越しってこと?」「もう会えないの?やだ!」と言ってくれたこと、次の時間が終わったときに担当コーチに「もう行くよ!早くきなさい!」と怒られながら私がくるまで更衣室に続く階段の前で待って、「コーチ勝手にいなくなったら困るから手繋いどくの!」と私の手を引いて階段を降りてくれたこと、本当に嬉しかったです。担当できたのはほんの少しだったのに、コーチを覚えてくれて、最後まで仲良くしてくれて、ありがとう。


ハルトくん
あなたが入会して初めて担当したのが私でした。初めてのレッスンの日、「この子、自閉症なんです。動きが止まらないことがあると思うんですけど、体の横でパシッと手を鳴らして『ストップ』!という動作を見せると止まってくれると思います。あと、視覚優位なので言葉で説明するよりも見本を見せてあげる方が理解しやすいです。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。」と伝えにきて下さったお父さんのことが忘れられません。

あなたに出会うまで、私は正式に診断された発達障害の人とまともに接した経験がないにも関わらず、ただ心理学部で学んでいたというだけで「理解があるほうだ」と思っていました。実際、マインド的には理解がありましたが、周囲の好奇の目に対してどう声をかけるべきなのか、やめようと思ってやめられるものではない激しい動きや奇声にどう対処すればいいか、知識としてでなく実践として全然わかっていなかったのだと、気付かされました。

だけど同時に、【自閉症である】からといって特別扱いをしたり、偏見や差別意識を持ったりすることが自分には驚くほどないのだということも知ることができました。私に懐いてくれて私を見つけるといつも大きく手を振って嬉しそうな声をあげてくれるあなた、遠くにいてもじいっとこっちを見つめてくれる瞳、見本を見た動きに対しての驚くべき精度の吸収力で上手になる泳ぎ、どれもただただ可愛かった、嬉しかった。そこに【自閉症】であることは関係なかった。

私の先生はあなたでした。願わくば、ずっとあなたの担当をしていたかったです。ありがとう。


クロくん
私が知る限り、1番の努力家はクロくんでした。いつも私が伝えたアドバイスを自分の順番が回ってくるたびに忠実に実践しようとしてくれて、うまくできなかったときにはしっかりと悔しがる。泳ぐスペースの狭さ的にも、本来往復泳ぐはずのレッスンで、私が片道分しか見られないことをいいことに帰りはサボる子が多い中でも、しっかりと帰りも泳ぐ練習をするクロくんはすごく素敵でした。あなたに引っ張られるようにして、あなたと仲の良い男子2人もしっかり練習に励んでくれました。ただ真面目なだけでもなく、3人でよく私に絡んでくれて、あなたたちがいたクラスのレッスンはいつも賑やかで楽しかったです。ありがとう。これからもその真っ直ぐさ、明るさ、真面目さを大切にして、いつまでも素敵なあなたのままでいてください。


彼らが進級した後、2コマ目・クロール準備級に進級してきた「二世代目」の彼ら

タケちゃん
はじめて会った時はひとりで浮くのを怖がって、顔も体もこわばらせていたタケちゃん。ちょっとずつちょっとずつ頑張って、できるようになったね。ひとりで浮けるようになってからは笑顔も増えて、私もたくさん話しかけてくれて、「もうできるよ!」と積極的に泳いでくれたね。進級してからはレッスンに行くのを渋る様子を見て、あなたが人見知りだったことに気づきました。そんなあなたが私に心を開いていたこと、嬉しかったです。ありがとう。

カンちゃん
タケちゃん同様、最初はムッと口を噤んでニコリともせず、浮く練習の時には断固として足を上げようとしなかったね。ちょっとずつできるようになって、振替で保育園が一緒のお友達が来た日、パアッとはっちゃけてその日を境に笑顔や口数が増えたあなたが最高に可愛かったです。ポケモンが好きで、よくその話をしてくれたね。今では、前向きも上向きも、バッチリひとりで浮けるカンちゃん。あなたがクロールをするところを願わくば見守りたかったけれど、最後に25mバタ足できたところを見ることができて嬉しかったです。ありがとう。

さっくん
本来は日曜日のクラスなはずなのに、毎回土曜日の私のクラスに振替で来てくれていたさっくん。振替とはいえずーっと私のクラスで進級していったので、あなたもまた、思い入れがある生徒のひとりです。黄色いゴーグルをつけていつも少しぼんやりしていて、だけど徐々に泳ぐのが上手になっていくあなたの成長を見守ることができて嬉しかったです。ありがとう。


3回生から4回生にかけて担当した3コマ目・クロール準備級のクラスの子たち

ユーコちゃん
よくジョージくんやイッセーくんに抱きついたり、踊ったり、と不思議な行動をしていたユーコちゃん。泳ぐのはあまり好きではないのか、ふにゃふにゃしたり、私の腕に巻き付いたりして練習をあまりしてくれないこともありましたが、私にとって思い入れのある生徒のひとりでした。そうした危うさの一方で、どこか憎めないかわいらしさもあって、そんなあなたがこれからどんな人になっていくのか、叶うのならばその成長をずっと見守っていたかったです。プールの中で他の子に抱きつくのは溺れちゃったら危ないからやめよう。だけどそれ以外は、今のように純粋で愛嬌たっぷりのユーコちゃんのままでいてください。


ジョージくん
愛嬌たっぷりな子はたくさんいますが、あなたほどかわいらしさとおもしろさを併せ持った子はなかなかいません。お母さんやお父さんも含め、とても賑やかでおもしろい一家でした。

「ジョージくん〜!」と呼ぶとニコッとして頑張って足をばたつかせて泳いできてくれる姿、練習を真面目にするのに飽きたら私に可愛いセクハラをかましたり、お父さんやお母さんの方を向いてデヘヘと笑ったりする姿、そんなジョージくんを見て観覧席から「ジョージ!ちゃんとしなさい!」と顔でも口でも訴えるお母さん、ジョージくんがちゃんと泳いだときには腕を上げて【マル】と送ってあげるお父さん、その姿を見たくて練習を頑張って泳ぎ終わるたびに「マル?」と観覧席の方に問いかけるジョージくん。その姿がほんとうに可愛くて仕方なかったです。ありがとう。


3コマ目・クロール準備級のクラスの「二世代目」「三世代目」

ショーくん
私が知る限り、1番のガキ大将はあなたでした。いたずらとセクハラが得意で、ふざけていない時間がない。だけどなぜか憎めず、全く怒る気が起きない不思議な愛嬌を持っていて、あなたを注意しようとすると漫才師のツッコミのようになって、あなたがいる日は漫才師になった気分でした。「シャワー浴びるんめんどくさい」と言ったあなたに「臭い男はモテへんで」と言うと一瞬でシャワーを浴びにいきましたね。そして私の腕を取って「なー結婚しよー」と言ったの、控えめに言っておもしろすぎました。あなたがいると愉快で楽しくて賑やかで明るかったです。ありがとう。一生そのおもろさを持ったままでいてください。


ユユちゃん
担当したのは最後の2ヶ月だけで、一番付き合いが短かったユユちゃん。それなのに懐いてくれて、「今日で最後?嫌だ〜」「先生最後だからテスト頑張る」なんて言って、最後には「今までありがとう。新しいお仕事も頑張ってね。」「先生のこと忘れないよ。ユユのことも忘れないでね。」「元気でね。」と、何度バイバイしても戻ってきていろんなメッセージを伝えてくれたね。嬉しかったです。ありがとう。私も、ユユちゃんのこと忘れません。


保護者の皆さま
背も低く、ただの大学生アルバイトでコーチとしても未熟である私に、レッスンを任せるのは不安だったかもしれません。そんな中、クレームをいうことなく私に皆さまの大切なお子様を預けてくださったこと、心から感謝しています。

皆さまの大切なお子さんと出会えたこと、そうして過ごした日々は私の宝物です。本当にありがとうございました。



*****



ここまで実に8750字。

これだけのものを綴れるということは、自覚がなかったけれど、私はきっとこの仕事が好きだったのだと思います。

生徒に恵まれ、コーチ陣に恵まれ、バイト陣に恵まれ、受付のお姉様方に恵まれ、人の環境としてはほんとうに申し分のない、

そんな職場で4年間勤めることができたこと、ほんとうに嬉しく思います。


4年間、ほんとうにお世話になりました。




みんなのこと、大好きだったよ。
コーチと出会ってくれて、ほんとうにありがとう。

コーチのことなんてすぐ忘れちゃうと思うし、忘れちゃってもいいよ。
そうして、健やかに育ってね。

この先会うことがなかったとしても、
コーチはいつまでもあなたたちの味方です。








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