クロネコヤマトがロゴマークを変更した意味
日々報道されるニュースの中から皆さんのビジネスに役立つネタ、知的財産に取り組むきっかけとなりそうなネタを紹介します。
今日の話題は、「クロネコヤマトのロゴマーク変更」です。
■ ヤマトの「クロネコマーク」が4月からデザイン変更
今日はこんなニュースをピックアップしました。
ヤマトの「クロネコマーク」、4月にデザイン変更。1957年以来初
「クロネコヤマトの宅急便♪」でおなじみヤマト運輸のクロネコマークが4月からデザイン変更されるというニュースです。
ヤマトホールディングスのウェブサイトからも公式に発表されています。
4月1日(木)から、新しい「クロネコマーク」の使用を開始 ~新たな価値提供を象徴する「アドバンスマーク」も新設~
■ ロゴマークを変更する理由(一般論)
ロゴマークは企業の象徴・シンボルです。
従来のロゴマークを廃し、新しいロゴマークに変更するということは大きな意味を持っています。
一般的には、
● 企業の組織変更
● 事業内容の変更・新規事業の開始
● 新たな企業理念
等をアピールしたい場合にロゴマークを変更することが多いように感じます。
ヤマトホールディングスもウェブサイトで、
「クロネコマーク」に込めた想いを変えることなく、都市や街、地域の環境により調和し、溶け込みながら、日々重ねてきたサービスをさらに進化させていく意思の表明として、より未来志向のデザインに磨き上げました。
とコメントしています。
■ ヤマトのロゴマークはどこが変わったのか?
では、ヤマトのクロネコマークは具体的にどこが変わったのかを見ていきます。
旧ロゴマーク
こちらがおなじみの旧ロゴマークです。
勿論、商標登録もされています(商標登録第3085606)。
(引用元:特許情報プラットフォーム<J-Platpat>)
黄色地を黒い縁取りで囲った中に、親ネコが子ネコを咥えて運ぶ様子をモチーフにした図形が表されています。
新ロゴマーク
こちらが新しいロゴマークです。
まだ商標登録はされていませんが、商標登録出願中です(商願2020-136724)。
(引用元:特許情報プラットフォーム<J-Platpat>)
黄色地の楕円が丸みを帯びた形状になり、楕円を囲む黒い縁取りがなくなりました。
黄色も少し明るい黄色になっているように見えます。
また、クロネコの図形に以下のような変更が施されています。
(引用元:ヤマトホールディングスウェブサイト)
● とんがっていた耳先が台形状に
● 親ネコ・子ネコの脚が4本から2本に
● 親ネコの足裏が地面に接地
全体的にデザインがシンプルになっている印象です。
■ 今回のロゴマーク変更の感想
大して変わっとらんやないけ!
と思った人もいるでしょうね。
でも、1957年から64年間、変えることなく使ってきたクロネコのロゴマークに修正を加えた、というのは大きなことなんですよ。
そして、ロゴマークの変更は燃えやすい(炎上しやすい)。
イタリアのサッカークラブ・ユヴェントスもロゴマークを変更する際にサポーターから批判の声が上がりました。
大体、「前の方がよかった」となるんです。
今回もネットでのコメントを見ていると、「やる必要ない」、「そんな事にお金を使うなら配達員の人たちの給料を上げろ」とかね。
皆、勝手なことを言うわけです(笑)
それでも、時代が変われば、事業内容も企業に求められる役割も変わっていく。
だから、変化した企業をアピールするためにロゴマークの変更を避けて通れないんです。
今回のヤマトのロゴマーク変更はかなり気を使っているなという印象です。
従来のロゴマークのイメージを踏襲しながら、デザインを少しリファインした程度というイメージですね。
■ ちょっと気になるアドバンスマーク
今回、上で説明した新しいロゴマーク(企業のシンボルマーク)とともに、アドバンスマークというものが発表されました。
アドバンスマーク
こちらがアドバンスマークです。
まだ商標登録はされていませんが、商標登録出願中です(商願2020-136726)。
新しいロゴマークと同じ日、昨年(2020年)の11月5日(なんと、ヤマダの誕生日!)に出願されています。
(引用元:特許情報プラットフォーム<J-Platpat>)
ヤマトホールディングスはウェブサイトで、
ますます変化する社会やビジネスの課題解決に向け、既成概念にとらわれず、果敢に挑戦する姿勢とビジョンを表明し、その象徴となるアドバンスマークを新設します。
と表明しています。
かなり攻めたデザインですよね。
従来のクロネコマークとは印象が大きく違います。
ヤマダ的には、「ホントはこっちにしたかったんじゃないの?」と勘ぐってしまいますね。
新しさ、変化をアピールしたいならこの位、振り切った方がインパクトはありますよね(デザインの良し悪しは抜きにして)。
ただ、先程も説明したように、あまりにドラスティックな変更はユーザーから反発されるおそれもあります。
今回、このアドバンスマークを発表したのは将来の変更に向けた目慣らし、地ならしかもしれませんよ。
■ まとめ
今日のまとめです。
● ロゴマークの変更は企業の変化、新しい取り組みをアピールするのに役立つ
● 但し、ロゴマークの変更はユーザーの反発を招くおそれもある
● ロゴマークは時代の変化に合わせて少しづつ変えていくとよい
スタバのロゴマークもちょっとずつ変わってきています。
スタバのロゴ変更については関連記事もどうぞ。
スターバックスのロゴ変遷に学ぶブランドロゴの作り方とそのコツ
では今日はこの辺で。
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